真南風ふけば~♪

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松山御殿(まちやまうどぅん)の日々  (尚順の娘・茂子の回想録)

2011-11-17 | 沖縄の本

松山御殿(まちやまうどぅん)の日々  (著・知名茂子  ボーダーインク)

著者は、琉球王国最後の国王(尚泰)の四男・尚順男爵を父に持つ茂子さんです

尚順は、首里城明け渡しの思い出を、遺稿の中で、

『子供心にも、城中騒然としており、あちこちに聞こえる嗚咽を夢のように聞いていた』と書いています

その父と暮らした松山御殿での日々を、食事のメニューを中心に日常の出来事を記しています

料理講習会で再現された料理の数々

右:小豆粥、チリムジ、干しロクジュウ揚げ、湯葉とかつお節のふりかけ、ポーポー

左:トードゥーイ、ヌンクー、ゴーヤーサトウナジ、カラシジー、クーンムニー

決して贅沢な食材ではありませんが、手をかけて丁寧に調理されているのが分かります

父からの教育の数々が紹介されていますが、中でも印象的だったのは、

『父は男爵だが、お前たち(子供たち)に身分はない。使用人は父の使用人で、お前たちの使用人ではない。』

というところです

この教育があったから、茂子さんは戦後も孤立せずに周りの人々となじんでいけたのだと思います

第二次大戦後に夫と台湾から引き上げて沖縄に帰ってきた茂子さんを、周囲の人は尚家にまつわる人として遠巻きにしていました。

それを『進んで自分から声をかけ、仲間に入れてもらえるように話しかけた』そうです。

茂子さんの人柄を物語るエピソードだと思います

写真の着物はヤマト式ですね

 

 


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