※書籍のネタバレが含まれます。
向井亜紀さんの著書「16週」と「会いたかった」を
図書館で、たまたま見つけて読んでみた。
高田延彦は割と好きだけど、向井亜紀、顔も中身(理系で頭がよさそう)も私好みじゃない。ただ、もちろん、彼女の置かされた病気や代理母による出産という事には興味があった。
これまで読まなかったのは、正直いえば、代理母という手段を使ってでも結果的には子供に恵まれた彼らに対する劣等感が私の中にあり、妊娠している今はそれがないからだと思う。
それ以外にもこの本を手にしたのには理由がある。
古村ヒロが子宮全摘手術を受け、その後、「尿意が解らなくなり、いつまでも貯めてしまう」という話をTVで言っていて…
はっ、と思った事があった。
私の親友Tちゃん。
彼女は33歳の時、子宮筋腫で子宮全摘手術を受けている。
人に弱みを見せない彼女は、私にも詳しい病気の話はしなかったし、その後の後遺症も聞かされていない。
が、とにかくトイレに行かない。
一緒に同じ量のお酒を飲んで、私が2回トイレに行く間行かないので、
「Tちゃん、トイレ行ったほうがいいんじゃない?」と、なにげなしに何度か言ったことがあった。
もしかすると、後遺症なのかもしれない…
病気や症状というのは、自分がそうなってみないと本当に解らないもの。
向井さんの「16週」は、彼女が妊娠し、その時に受けたガン検査で、かなり進行した悪性のガンが見つかり、赤ちゃんを諦め、子宮全摘手術をした時の話を赤裸々に書いている。
ストーリーを文章で書けば2,3行だが、子宮全摘手術までの間、2回(かな?)最小限の手術を受け、やはり全摘しなくてはならなかった苦悩。赤ちゃんを守りたいと必死に医師に食らいつくお母さんの姿は、涙なくしては読めなかった。
高田さんも本当に優しい旦那さんで、毎日病室に来て、献身的に彼女をサポートした。
向井さん、好きなタイプじゃないけど、嫌いではなくなりました。
つづいて「会いたかった」。
もちろん、子宮全摘の後、代理母による出産をするまでの話。
全摘の際、本当は卵巣も摘出するはずだった彼女。医師が手術の際、卵巣にガンが無いかを検査し、無かったので残し望みをつないでくれていた。
その後の放射線治療に耐えられるよう、卵巣は、脇腹にひっぱりあげられており、その関係でIVFも膣から行わずお腹を切って行ったという。
へぇ~。
望みが繋がれば、諦められないのが人間である。代理母出産に向けて、高田夫妻は動いた。
どうやら、こういった日本人夫婦をサポートする基幹があるらしい。
向井さんは、代理母はお金目当てではないか?
という報道に、「我々が代理母に支払ったのは130万円ほどです」と言っていたような気がする。
が、この基幹にはもっと支払っているし、彼らはちょこちょこ相手の家族を気遣い、渡米しているので、、それを考えたら、1000万では済まないと思う。
代理母と向井さんは排卵日を薬なんかで調整し、米国でIVF+ETを行う。
一人目の代理母とは2回トライするが着床せず、2人目で着床。
合計3回目のトライで双子を授かったのは、私からしたら超ラッキーな事。
しかも、医師が良い受精卵と言っているのは「グレード2の6分割と8分割」。
10分割だろうが、胚盤胞4AAだろうが、着床しない経験をもつ私。この件においては向井さんがラッキーだったかを教えてあげたいな。
ところで、この本の中で、彼女は夫婦生活について「ない」と語っている。
確かに、子宮全摘をした夫婦は、その後セックス出来るのか?は、触れてはいけないような気がするが、興味深いところだ。
出来なくはないが、頸管がとても短くなるらしく、その後しなくなる夫婦が多いと言う。セックスはしなくて生きてはいけるが、しないのと出来ないのとは大違い。
それは、とても気の毒な事だと思う。