唯川恵著 文春文庫 2007年3月10日初版
不覚やった。 これを整形に持っていったのは・・・。
足首の10分間の渦流浴とそれに続く10分間の電気治療の間、ぼーっとしているのも無駄だし、喋りかけられたくもないので、バッグに詰め込んで行った。
この本、実はずいぶん前に手に入れていたのだ。それがどんどん積読の最下層になり、
ピアノの上では邪魔だからと、なんでも『放り込み箱』に入れたせいで忘れていた。
この前、この箱を整理していたら出てきた。
ああ、そう言えばこれ買ったんだった。
本のタイトルどおり、ちょっとずつ不幸な8人の女性の短編集。
いる、いる、と思うような・・・間の悪い・・・いつも貧乏くじを引くような女性の物語。 確かに私の周りにも、美人でスタイルもよく、家柄も良いのになぜか婚期を逃してお局様になった友人や、玉の輿にちかいものに乗ったというのに、結婚当初から病気続きの友人、すこぶる付きの美人なのに、男運の悪い知り合い、なんてのがいる。 私は幸運にも男運には恵まれた??ものの、学校や町内の役員みたいな、やりたくない~!と思うようなものに限って、なぜか押し付けられる役回り。
どこにでも誰にでも、私って損してるな・・・という思いはあるのかもしれない。
だから、感情移入しやすかったのか、電気を当ててもらっている間に読んだ三つ目の『凪の情景』という作品では、思わずぼたっ、という感じの大粒の涙が落ちてしまった。 隣の丸椅子で同じように電気をあててもらっていたおばさん。。。見てみぬふりをして欲しかった・・・。
幸せな結婚生活というのもいつのまにか姿を変えるものだけど、「あんな女」とさげすんでいた水商売の女と夫が出来たとき、働く才覚のない妻は夫を給料を運んでくる鳥、としてだけ意識して己の心を家にしばりつけた。 妻は夫の病弱な弟といる時に安らいでいた。 その弟が自殺した。 自殺した弟は、体調の良い時に兄夫婦のマンションを訪れ、甥にあたる彼女の息子とも仲が良かった。彼女の作るウィンナーとコーンの入った、ケチャップ味の甘めのオムライスが好きだった。
病弱な弟は、兄夫婦の火宅のこと、自分の母親のこと、兄のこと、そして彼女のすべての気持ちを知っていた。彼女も、義弟に対する自分の気持ちを分かっていた。 愛してはならない人を愛し、それを気づかないふりで全てを包み隠すのは私には出来ない芸当。 義弟の自殺で迷惑をかけたホテルへ謝りにいったとき、ホテルの支配人が言うのだ。「最後のお食事にオムライスを注文なさいました」と。
それが、ホテルの料理人が作るような洒落たものではなく、義姉が作ってくれていたのと同じ、ウィンナーとコーンの入ったケチャップ味の甘めのものをリクエストしたという。
あ~、ここで私、ぼたぼたぼた・・・と落涙いたしました。
もし、心で静かに惹かれあい、意識しあっていた人が、何も言わずに姿を消し、その
『最後の晩餐』とも呼べるものが自分の作ったのと同じようなものだったら?
ちょっと、立ち直れないような読後感に包まれた短編集でした。
不覚やった。 これを整形に持っていったのは・・・。
足首の10分間の渦流浴とそれに続く10分間の電気治療の間、ぼーっとしているのも無駄だし、喋りかけられたくもないので、バッグに詰め込んで行った。
この本、実はずいぶん前に手に入れていたのだ。それがどんどん積読の最下層になり、
ピアノの上では邪魔だからと、なんでも『放り込み箱』に入れたせいで忘れていた。
この前、この箱を整理していたら出てきた。
ああ、そう言えばこれ買ったんだった。
本のタイトルどおり、ちょっとずつ不幸な8人の女性の短編集。
いる、いる、と思うような・・・間の悪い・・・いつも貧乏くじを引くような女性の物語。 確かに私の周りにも、美人でスタイルもよく、家柄も良いのになぜか婚期を逃してお局様になった友人や、玉の輿にちかいものに乗ったというのに、結婚当初から病気続きの友人、すこぶる付きの美人なのに、男運の悪い知り合い、なんてのがいる。 私は幸運にも男運には恵まれた??ものの、学校や町内の役員みたいな、やりたくない~!と思うようなものに限って、なぜか押し付けられる役回り。
どこにでも誰にでも、私って損してるな・・・という思いはあるのかもしれない。
だから、感情移入しやすかったのか、電気を当ててもらっている間に読んだ三つ目の『凪の情景』という作品では、思わずぼたっ、という感じの大粒の涙が落ちてしまった。 隣の丸椅子で同じように電気をあててもらっていたおばさん。。。見てみぬふりをして欲しかった・・・。
幸せな結婚生活というのもいつのまにか姿を変えるものだけど、「あんな女」とさげすんでいた水商売の女と夫が出来たとき、働く才覚のない妻は夫を給料を運んでくる鳥、としてだけ意識して己の心を家にしばりつけた。 妻は夫の病弱な弟といる時に安らいでいた。 その弟が自殺した。 自殺した弟は、体調の良い時に兄夫婦のマンションを訪れ、甥にあたる彼女の息子とも仲が良かった。彼女の作るウィンナーとコーンの入った、ケチャップ味の甘めのオムライスが好きだった。
病弱な弟は、兄夫婦の火宅のこと、自分の母親のこと、兄のこと、そして彼女のすべての気持ちを知っていた。彼女も、義弟に対する自分の気持ちを分かっていた。 愛してはならない人を愛し、それを気づかないふりで全てを包み隠すのは私には出来ない芸当。 義弟の自殺で迷惑をかけたホテルへ謝りにいったとき、ホテルの支配人が言うのだ。「最後のお食事にオムライスを注文なさいました」と。
それが、ホテルの料理人が作るような洒落たものではなく、義姉が作ってくれていたのと同じ、ウィンナーとコーンの入ったケチャップ味の甘めのものをリクエストしたという。
あ~、ここで私、ぼたぼたぼた・・・と落涙いたしました。
もし、心で静かに惹かれあい、意識しあっていた人が、何も言わずに姿を消し、その
『最後の晩餐』とも呼べるものが自分の作ったのと同じようなものだったら?
ちょっと、立ち直れないような読後感に包まれた短編集でした。
がくまむさんを通して充分伝わるその情景・・。
なぜかその弟さん、松山ケンイチでキャスティングした私って・・何故だろう?
松山ケンイチ、ぴったりの役かもしれない。
映画が好きなので、つい、私も本を読んでいて
勝手にキャスティングすることがあります。
これ、ほんとに読後感が重かった。
私も愛してはならない年下の男性を愛してるからに
違いない(爆)
ところでNANAちゃんは起きたのでしょうか?
今、登校していきました~。
多分ギリギリでしょうけど・・一人でご機嫌で起きてきましたわよ~。不思議でございます。
明日からも頑張りますッ。
夫婦お互いの心が離れてしまい、独身の義弟との感情・・・。
よくあるシチュエーション、こんなとき一般にはどうなるのだろう?
作品の中に登場するような青年は少ないでしょうね。だから作品になるのかな?
多くの青年は同情・愛情と性的衝動に負けて抱き寄せることもあるかも知れない。
こんなとき女性はどうなのだろう?
自分も感情の流れのままに身を任す? それともあくまで拒絶する?
楽母さんはどうします? 大体の想像はつきますが・・・。
女性向ですから男の方が読んでも「なんじゃぁ、こりゃ」かも知れませんが。
どんな風に想像なさってるんでしょうね?
もしかして、強引に押し倒すとか(爆)
それでは、腕力を鍛えにジムに行ってまいります。
みなさま、後ほど。
私も伺がいたいのですがアドレスが判りません。
おしえてくれますか?
ん、男前インストラクターいてるんやろう?
なんか楽母はん…
最近、森瑤子にかぶってきたかも???
ちゅうほど、奔放でもないか~!
意外と真面目???(あくまでも本人申告なり…)
そう、思わずにはいられない。
ほんのちょっとでよいから幸運を残しておいてほしかった。
もちろん、自分のことではありません。
ちょっと不幸、というのが切ないね。
とことん不幸なのは仕方ないと諦めもつく。
段々と春めいてきて、色目の綺麗な洋服が似合う季節に・・・。
昨日、急遽「オーブンレンジ」ご購入~~!!(ふぅ~~!)
わが家の福沢さん、羽根のはえる前に飛んでいきますぅ~~!
すべてを知っていた義弟の心情は、いかばかりかと・・・。
健康のこと、義姉への慕情など、どれひとつをとっても、どうにもならないものを抱えて・・・。
自らの命を絶とうと決心した、心の葛藤など私には理解できることではないのですが・・・。
哀しいねぇ~~!