カディスの緑の風

スペイン、アンダルシアのカディス県在住です。

現在は日本の古い映画にはまっています。

忘れられた3月10日

2014-03-09 22:30:07 | 言わせてもらえば


3月10日、ときいて、みなさん、何か思いあたることはないでしょうか?

その翌日の3月11日は、もう日本人にとっては

いやでも忘れられない日となりましたが。


昭和20年3月10日早朝、米軍のB29機が、東京の下町を中心に

焼夷弾を大量に投下し、およそ10万人の都民が犠牲になったのです。

もちろん3月10日だけでなく、米国は何度となく空襲を行っていますが、

1945年の3月10日から5月にかけて行われた5回の空襲は

一般市民を対象にした焼夷弾投下による

無差別大量殺戮に等しいものです。



わたしの祖父は、体が貧弱であったため、

身長が足らず、兵役につくことはありませんでしたが、

空襲があった時には、ゴミ箱にかくれて身を守ったそうです。


小柄な祖父だからできたのですね。

生前、その話を何度もきかされました。


また、わたしが高校生の時、同級生の一人が、

父親から借りてきた、といって、東京大空襲の時

犠牲となった遺体の山や、川に浮いている、焼死体の写真の

絵葉書を、数枚見せてくれたことがあります。



黒く焼け焦げて、パンパンに膨れ上がった遺体が

下町の川にぷかぷか浮いている写真でした。

それらの遺体は小学生の時、流行した、

「だっこちゃん人形」を想像させて、

いまでもくっきりと思い出すことができます。


広島、長崎に原爆が落とされる数か月前のことです。

もうあまり思い出す人もなくなったことでしょう。

しかし、米国はこうして東京近辺の一般市民を

無差別に虐殺したのは事実なのです。


驚くのは、戦後、米国による空襲で犠牲になった遺族が、

「日本がもっとはやく戦争をやめていたら、家族が死ぬことはなかった」

といって、政府を相手取って訴訟を起こしたことです。


広島や長崎に落とされた原爆についても、

日本の帝国主義、軍国主義が戦争を起こしたから、原爆を落とされた、

このようなあやまちは二度と繰り返しません、といった

「反省」が日本国民にあること、これはわたしには理解できません。


東京大空襲や原爆投下で、一般市民をこれだけ

大量虐殺した米国は、戦勝国、であるから、というだけで

なんら罪に問われないのでしょうか?

そんな目にあった日本は、自業自得だから、

いつまでも「反省」しつづけなくてはいけないのでしょうか。




「平和に対する罪」などと

ずいぶんと立派な大義名分を掲げて、

東京裁判を行い、日本を裁き、いまだに

日本は「敗戦国」として、その罪を背負うべきだ、

といった態度をとる。果たして、それが

「正義」なのでしょうか?



東京大空襲で亡くなられた、罪なき非武装の方々の

尊い命を惜しみ、謹んでお悔やみ申し上げます。


合掌





最新の画像もっと見る

コメントを投稿