カディスの緑の風

スペイン、アンダルシアのカディス県在住です。

現在は日本の古い映画にはまっています。

笑ってしまう握手と感動の君が代演奏

2017-02-15 22:04:55 | 言わせてもらえば



トランプ大統領就任以来、連日BBCワールドニューズの

トップにトランプの名が出ない日はないくらい

いろいろと物議をかもしている。


わたしはあまりCNNは見ない。英国の

BBCワールドニューズのほうが、やはり外国の

放送局だからだろうか、アメリカとは少し違った角度から

報道しているので、客観的で安心して見られる。


しかしトランプ大統領のおかげで、米国の民主主義について、

あるいは米国大統領制について、米国社会について、

いろいろと関心を持って勉強させていただいている。

というとおおげさだけれど、米国大統領って、それほど

絶対的な権限を持っていないことを知って驚いた。


日本では総理大臣が内閣閣僚を指名して組閣できるが、

米国大統領にその権限はない。指名してから、議会の

承認を得なくてはならない。トランプ大統領の組閣は

難航していて、なかなか閣僚が承認されないし、

昨日はマイケル・フリン国家安全保障担当補佐官が

辞任に追い込まれた。

トランプ大統領誕生の経緯からいって、民主党のみならず

共和党内にも反トランプ勢力が粘り強く残っていて、

その力がかなり働いているということに、米国の

民主主義ってなんだろう?と考えてしまう。



まあ、そんなわけで、ここ数週間はブログも開かず、

外出も最小限にして、テレビのニュースを追い、

YouTubeの番組でさまざまな有識者のコメントを見て比較し、

ネットで首脳会談や会見のスピーチの原稿をプリントアウトして

つぶさに読み、頭が混乱すると、昨年末に解散したSMAPのファンが

ぞくぞくとYouTubeにアップする番組を見て毒抜きする、

(これが結構楽しい・・・)

という日々が続いてしまっている。



ところで気になったことをいくつか挙げてみると、

まず大統領就任後、初めてトランプ氏が会った外国首脳が

英国のメイ首相だった、ということ。

ペンシルバニアでのメイ首相の長いスピーチは

英米がおおいなる共通点を持っていること、

英国の歴史が米国建国にも引き継がれていること、

英語という共通言語のもとで世界のリーダーシップを

共にけん引していけること、など、EU離脱後の英国の

パートナーとしての米国を重要な存在としていることを

これでもか、と強調するものであった。


しかし首相のスピーチの中で、「75年ほど前、日本の真珠湾攻撃に

対して、英国に協調して第二次世界大戦参戦したことで、米国は

太平洋におけるファシズムだけではなく、アフリカおよび欧州に

おいてのファシズム台頭を阻止したのです」、というくだりには

違和感を覚えずにはいられなかった。

日本はファシズムか???

それでは英国をはじめとする欧州列強がアジアで繰り広げていた

政策はなんだった、というのであろうか?民主主義なんですか???

植民地主義でしょう!中国、インド、インドネシア、シンガポール、

インドシナ半島、こうしたアジアでの搾取によって富をむさぼっていた

国が、なにをおっしゃいますか。


ま、そんなスピーチをなさったメイ首相が、トランプ大統領の

入国一時禁止措置については、厳しい批判をしている。


この入国禁止措置の大統領令も、シアトルの連邦地裁による

差し止めで、シアトルのみならず、全米でただちに

執行停止になってしまった。

特定宗教に対する差別である、というのである。

しかしその特定7か国には、サウジアラビアとか

世界最大のイスラム教徒国であるインドネシアなどは

含まれていないし、もともとこの7か国を米国の脅威として

指定したのはオバマ元大統領なのである。


こういう一連の動きをみても、反トランプ派が躍起になって

トランプつぶしに全力を傾けているようで、

しだいにトランプさんがかわいそうに思えてくるのである。


そんな折、日本の安倍首相夫妻が訪米した。

週末の長い時間を、トランプ大統領はまるでおとぎ話に

でてくるような最高のおもてなしで至れり尽くせりの

歓迎ぶりであったが、トランプ氏にとっては、ワシントンD.C.の

ホワイトハウスの生活はいわば単身赴任のようなものである。

10歳の息子の教育のためにニューヨークで生活している

メラニア夫人と久々のリラックスした時を、安倍首相夫妻と

ともに過ごす、という大義名分で果たした、ということもあるかもしれない。


ゴルフ外交については、民進党などは批判しているけれど、

やっかみに聞こえてしまう。

BBCでは、60年前の岸首相とアイゼンハワー大統領が

なごやかにゴルフに興じている写真を何枚か紹介して、

友好的なコメントを流していた。


首脳会談後の記者会見での安倍首相とトランプ大統領の

スピーチはとてもよかった、と思う。特に、安倍首相が

経済については麻生副総理とペンス副大統領に任せる、

といったこと、そして、移民問題については、内政の

問題であるから、自分がコメントすることは差し控える、と

かわしたことは、うまいな、と思った。

そして驚いたのは、トランプ大統領が、米軍を

日本に駐留させていただいていることに感謝している、と

述べたことである。以前は、日本はもっと貢献しろ、

しなければ撤退する、などと息巻いていたのに。



同時に発表された共同声明でも、パートナーとしての

協力強化、普天間飛行場の辺野古移設に日米両国が

コミットしていることの確認、

日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることの確認、

安全保障上の課題に対応するための

技術協力の強化、そして、南シナ海、東シナ海についても

盛り込まれており、名指しはしなくても、明らかに「中国」を

意識した関係強化をうたっているのである。



と、まあ、国際政治、外交、とはまさに生き物であって、

「主義」や「思い込み」や、古い価値観などに

トランプ大統領がその天才的破壊力によって

挑戦していく様子、

どんなドラマより興味深く、毎日、きょうは何が起きるだろうか、

と、見ずにはいられない、というわけなのである。




そんな緊張の中、安倍首相とトランプ大統領は、まさに

「ケミストリー」が働いているようで、これは「馬が合う」と

日本語では訳されているようだが、二人の握手する光景が

実に笑えて、アメリカでもだいぶ評判になっているようだ。

19秒の握手、と有名になったエピソード。



大統領と首相が椅子にすわって、日本の報道陣が

おねがいします、と声をかけると、握手をはじめる。

報道陣から、こちらをむいてください、とか日本語で声がかかって、

トランプ氏が安倍さんの手をグイ、と

自分のほうにひいて、なんて言っているのか?と尋ねると、

安倍さんが、"Please look at me!" と言った、

そうしたら、トランプ氏は安倍首相の顔を覗き込むようにして

握手の手をさらに自分のほうにひきよせる。

安倍首相はあきらかに握手をやめたくて手を引いているのに、

トランプ氏はなかなか手を離してくれない。

困ったような笑いを浮かべて安倍首相は左手で記者団を

指さして、あっちをむいてくださいよ、とのジェスチャーをする。


そしてようやく大統領が手を離したら、安倍さんは、

あの小さめのお口を大きくあけて、いかにもホッとした、

ああ、きつかった、という表情をなさったのである。


トランプ大統領はStrong Hand!

とほめていたが、しかし

報道陣が何をいっているのか?と聞いて

安倍首相の答えを、勘違いしてしまうとは、

意外とおっちょこちょいな大統領なんだな、と

ほのぼのとしてしまう光景である。


YouTubeでのこの動画はこちら↓





https://www.youtube.com/watch?v=iiitQ-5_E_Y





もう一つご紹介したいのは、

日米首脳会談にさきだって、安倍首相が

アーリントン墓地に赴き、無名戦士の墓に献花した際のこと。

米国は四軍儀仗そして19発の礼砲という最高の敬意を払ったとの

ことである。


陸空海、そして海兵隊が整列しておごそかな雰囲気の中、

しずかに君が代が演奏される光景は、感動的である。


この模様はこちら↓





https://www.youtube.com/watch?v=DwG7YHPQ-Yw



献花後にトランペットの物悲しい旋律が流れる。

これはなんという題の曲であったか、思い出せない。






もう一本、同じ式典の模様だが、楽団が写っている映像を

見つけたので、こちらにのせておきます。ただ、この動画では

君が代についですぐに米国国歌が演奏された部分がカットされていますが

カメラの位置が異なるので、エスコートの将校だろうか、彼が

君が代演奏中、ずっと敬礼している姿が見られます。




https://www.youtube.com/watch?v=zWjK_BdS_Z8






米国がいかに日本の首相の訪米を歓迎し、

そして日米関係を重要視しているのかがありありとわかる。

米国民からも安倍首相にたいしての感謝のコメントが

たくさん寄せられている、という。





訪日した際、数寄屋橋次郎という高級鮨屋での安倍首相との会食で、

決して打ち解けることなく、

ひたすら仕事の話しかしなかった、というオバマ大統領とは

まったく異なる、実に人間的なトランプ大統領は

次第にファンを増やしているようであるが、

すきあれば足をすくおう、という反対勢力の攻勢に

どのくらい耐えられるのか、これからも

ニュースからは目が離せない。






(この記事は私のメインのブログからの転載です。)
http://blogs.yahoo.co.jp/maximthecat/35592220.html








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