ギャラリー縄「しょう」

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ギャラリー縄コレクション

2008-01-14 | ギャラリー縄コレクション
川瀬竹志さんとの思い出



川瀬竹志さんとの事は、何故か、楽しくお酒を飲んだ
ことばかり思い起こされます。
お若い頃大阪で、川瀬竹志、田原謙次(当代陶兵衛)、西岡良弘 
三人展を何度か開催させていただきました。
それぞれ父君が健在で、次代をになう若手の展覧会でした。
お互いに若かったので、夜は昼より元気で賑やかに過ごしました。
大磯では竹春先生、忍さんとともに、湯河原では陶房で作品を
拝見したり、美意識、感性を磨くために身近に置いておられた
中国古代の金属器を肴にお酒をいただきました。

川瀬竹志さんはサラリーマン生活を経て、陶芸の世界に入られた
ようですが、当初は二代竹春先生が大磯に興された古余呂伎窯の
染付、色絵の仕事に専念されていました。
初代竹春先生からの染付、色絵の作品には、川瀬家でなければ
できない、見られない独特のものがあります。
兄の忍さんが、青磁の作家として既に一家をなしておられたので
川瀬家の伝統を継承するという、責任感もお有りだったようです。



作家としての自身の作品は、白磁をテーマに追及されました。
兄の忍さんの青磁と同様、古典に学びながらも創造的な
作品を生み出そうと努力されていたと思います。
実現し得なかった私の夢として、「川瀬 忍・川瀬 竹志
青瓷・白磁展」開催がありました。



この陶硯は、我が家の文机の上にあって、たまに墨、筆を
とる時に使わせていただいています。