ギャラリー縄「しょう」

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閑話

2007-02-05 | ギャラリー縄コレクション
思い出の作品 邂逅



愚生 尾崎正男も昨秋、満60歳を迎え、懐旧の念にかられることも
ままあります。
先頃、ギャラリー縄で開催していました水谷渉展に、鯉江良二先生が
来廊されました。 水谷さんも、弟子の一人のようです。
鯉江先生は、私とは30数年振りの再会のごとく、懐かしそうに
「昔、お世話になりました」と言われました。
実はその間、若干お会いしたことがありますが、ゆっくり話を
するのは久し振りです。

1973年、大阪セントラルギャラリーのオープン時の引き出物を
鯉江良二先生に作っていただきました。
白磁の小鉢様のもので、灰皿として使用される方が多かった
かと思います。

前衛陶芸の先鋭的な旗手として、過激に生きておられた
鯉江先生でしたが、当時、貧困の極みだったように
お見受けしました。

追記)
家内に「前文の終わり方、唐突ではないですか」と言われた
ちょっとした一言により、文章が止まってしまいました。
勇を期して再開します。

前述の縁により、鯉江良二先生には、1974,5年頃、1,2回
ロクロ作品による展覧会を、セントラルギャラリーで
していただきました。1回目は白磁、2回目は焼締めだった
ように思います。 
 



写真の作品は焼〆の鉢で、それ以来我が家では、小物入れとして
重宝しています。

展覧会の紹介文は、八木一夫先生が文をよせていただきました。
この様な、文章でした。

「常滑の古陶には、他の古窯ものにみられるような内攻性はすくない。
 むしろ海洋的なひろがりを私は感じるのである。
 鯉江良二君は、その常滑の最も進歩的な作家の一人だ。
 
古い家をつぶして、その古材で野焼きを敢行した、そのことだけでも
仰天したのに、その作品というのが、見ればただの土くれを
焼き固めたものばかり。
ただごろごろと画廊の床全面に敷きつめているのだった。
やきものというものの原理それっきりの提示。
感覚とか造型とか美とか、やきものに附随するさまざまの
後天的な要素を振り払っての、それは思弁的行為だった。
 
今度の展示は、やや進展して、轆轤、釉薬、焼成といった
技術と、作者のかかわりを、原点的にみつめ直そうとしている
ように私にはみえる。
 彼に潜在している強いふてぶてしさ、さらに加えて、
ひと一倍の優しさすらが、もうその原点的表情から
匂い立っている。」

                   八木一夫(陶芸家)

先日、7月3日、三重県のパラミタ美術館で
鯉江良二先生にお会いしました。
人間というのは、変わらないものです。
 



展覧会案内

2007-02-05 | 展覧会のお知らせ
松尾 潤 作陶展
2月2日(金)~10日(土)

1961 佐賀県に生まれる
1982 嵯峨美術短期大学卒業後
     岩渕重哉先生に師事
1985 帰郷し佐賀県、武雄市の実家
     凌山窯にて作陶
2000 花の陶展 大覚寺賞
2001 西日本陶芸美術展 大賞
2005 一水会 会員賞