おしゃべり日記俳句

折に触れ、思いつくまま、
傘寿を過ぎ一日一日を大切に・・・

寒の雨

2009年01月31日 12時50分30秒 | Weblog

 

低気圧が本州の南岸を東進、記録的大雨と大風

 

「寒の雨」(かんのあめ

 

尽日に地蔵濡らして寒の雨

(じんじつに じぞうぬらして かんのあめ)

 

 

   地 蔵 様

 

「尽日」は月の終わりの日をいいます

 

今日で一月が終わりです。本当に月日の過ぎるのは早いものです。

各地に大雨や大風が吹き東北地方は大雪の模様です。

「寒の雨」といえるかどうか判りません。気温が左程寒くありません。

これから夕方にかけて寒くなるとの予報です。

 

流石がお地蔵さまは凛と立ってはいますが、寒そうに感じます。

尤も一年中建ち臨んで、天下の情勢を睥睨しているわけですから

とても凡人の想像の域ではありませんが。・・・・

 

振り返ってみれば、正月があっという間に過ぎ去り、二月には節分・立春と

文字通り「春」を迎えます。といっても今しばらくは寒さは続きます。

 

油断禁物で健康に留意しなければならないでしょう。

 

世界があげて不況の経済状況で、前途多難のようですが、せめて毎日を

大過無く、・・・が願いではあります。・・・

 

 

 

 

 

 

 

 


老梅

2009年01月30日 14時15分27秒 | Weblog

 

南から湿った空気が入り込み九州から東北南部まで

 

「老梅」(ろうばい

 

山門をそびらに老梅一樹かな

(さんもんを そびらにろうばい いちじゅかな)

 

(山門)

 

(老梅)

 

 

戦国時代の200年間にわたって深谷上杉氏の菩提寺として栄えた

「国済寺」という名刹の山門を背に一本の老梅が花を咲かせています。

 

「山門」は「花頭窓」(かとうまど)をつけた、江戸時代初期の建造物と

いわれています。禅宗特有の茅葺の楼門です

 

その門前に咲く白梅は木は老木ゆえ枝は自然に枯死して、その枝ぶりは

年々小さくはなって行きますが、そのゆかゆかしい白い花はしかりと咲き

誇ってその存在感を示しています。

 

寺苑内の梅園の蕾はまだ固く幾日かその開花を待つ状況に思えますが、

毎年一足早く咲くこの「老梅」には本当に頭が下がります。

 

いつまでもその健在振りを示して人々に活力を与えて欲しいと願います。

 

 


寒泉

2009年01月29日 10時53分15秒 | Weblog

 

西から低気圧が近づき次第にからの予報

 

「寒泉」(かんせん

 

寒泉に鯉悠然と集ひけり

(かんせんに こいゆうぜんと つどひけり)

 

 

 

 

 

林の奥、厳寒のひと時にみる「寒泉」のひと時です。

 

冬の水は殊更のように澄み切っています。

年間を通して流れ続ける水の色は四季を映し出していますが

今日は僅かに水辺に遊ぶ名も知れぬ小禽を見かけるのみです。

 

水の流れ込む池の底には、「冬の鯉」が悠然と泳いでいます。

 

殆どじっとしている状態と言っても良いでしょう。

「寒鯉」はこの時季には水底で眠っている風情です。

 

澄み切っている冬の水にやがて春の色を写して人の足も運ばれ

日増しに賑やかさをまして来ることでしょう。

 

 


初不動

2009年01月28日 14時42分14秒 | Weblog

 

日本付近は高気圧に覆われ  

 

「初不動」(はつふどう

 

眼光の鋭く見据え初不動

(がんこうの するどくみすえ はつふどう)

 

 

 

「不動明王」の今年初めての縁日です。

 

近くの境内に建つ「明王像」にお参りしました。

憤怒の形相をしており、一切の悪魔を降伏させるといわれています。

 

「成田山・新勝寺」が有名で、初詣や、近くおこなわれる節分の豆まきなど

大勢の人で賑わいます。

 

「高幡不動」さまも有名です。新撰組に縁のある寺です。

 

 

 

 

右手に降魔の剣を持っています。

左手には羂索を持っています。鋭い眼光で辺りを睥睨しています。

 

「お不動さま」といって人々は信仰します。

 

人は毎日心労を重ねて暮らしていますが、そんな中で神仏に縋ることによって

その災厄から逃れたいと願います。

 

節分が近づきますが、豆をまくことによって「鬼」を退治します。

 

鬼とは煩悩のことでしょうが、子供のときから馴染んだ豆まきの風習は

何時までも続いて欲しいと願うものです。

 

参詣の人との会話の一言です。

 

 


冬木立

2009年01月27日 15時44分54秒 | Weblog

 

日本列島が概ね高気圧に覆われ

 

「冬木立」(ふゆこだち

 

水白く光りて流る冬木立

(みずしろく ひかりてながる ふゆこだち)

 

 

 

気が付けば大分日脚が伸びてきた感じがします。

 

気候は今や厳寒の真っ只中にいるわけですが、身の回りに感じる

それとなしの日差しの暖かさに驚きます。

 

葉を落とし淋しさの冬の風情の中で寒さに懸命に生きんとしていた

自然界は毎年の輪廻の繰り返しがこうして喜怒哀楽の中で生きる励みを

人々にも与えてくれるのです。

 

 

 

 

目を池面に転ずれば、鴨の群が静かに水に浮かんでいます。

 

鴨類は越冬してこの辺の池沼で寒さを凌ぎます。

春には北方に帰ります。こうした自然の営みも気が付かぬ間に定期的に

行われているのです。

 

寒さに困難する豪雪地帯もあれば、南には暖かい沖縄地方もある日本列島

ですが、この国も毎日のニュースの中で知るところでは大変な世相に

戦いています。

 

歴史に残るような世代になるかも知れないとも・・・・

 

冬木立の彼方に観る明るい空の輝きに望みを託しながら見返ります。

 


初地蔵

2009年01月26日 17時17分02秒 | Weblog

 

低気圧で北陸地方は関東は

 

「初地蔵」(はつじぞう

 

向背を凍てつく風に陽が追われ

(こうはいを いてつくかぜに ひがおわれ)

 

 

 

  村の堂全開にして初地蔵   星子

 

今日の句会からこの句を頂きました。

村にある小さなお堂のお地蔵様でしょうが、24日の「初地蔵」に全開されて

村中でお祝いしたとのことです。

 

今では村中での行事は農村地帯でも疎んじられるご時世ですが、

こうして村中が心を合わせるお話を聞くと心が温まります。

 

世の中が不況のなか、殺伐とした風潮が社会一般を覆っています。

新聞の記事は「朝青竜」の優勝を、帰ってきた「敵役」ともてはやし、せめて

フアンを感動させたの文字が躍っています。

 

その隣には「老夫婦の殺害事件」の記事です。

 

間もなく一月もおわり、暦の上では春を迎えますが、話題だけでも

暖かく願いたいというのが、句会の〆の挨拶でした。

 


枯野

2009年01月25日 10時54分37秒 | Weblog

 

西日本を中心に厳しい冬型配置、関東地方は

 

「枯野」(かれの

 

古代人息吹のありし大枯野

(こだいじん いぶきのありし だいかれの)

 

 

    (発掘調査作業中)

 

 

 

「低地に広がる古代の大集落」という見出しの発掘調査の現地説明会

がありました。

「福川調節池」の建設に伴う発掘調査です。

かなり広範囲にわたっての調査で、一段落ということで説明会でした。

寒さの厳しい中でしたが大勢の人たちが集まったことに関心の深さが知れました。

学芸委員の熱心な説明が熱を帯びています。

 

 

 

 

この地域は市内の北部にあたり、この近辺は既に「榛沢郡」(はんざわごう

り)といって、「中宿遺跡』の復元によってその役所跡が証明されています。

 

そして現在は、この東方地区で「播羅郡」(はらごうり)の役所跡が発掘の

目前にあると懸命にその調査が行われています。

 

丁度その中間地点に位置する今回の「皿沼西遺跡」からの発見はどんな意味を

もつのかその調査結果に興味が持たれるところです。

 

 旅に病んで夢は枯野をかけ廻る  芭蕉

 

何故かこんな句が浮かぶ発掘調査の風景でした。

 

 

 

古代人の住まいとして、「竪穴住居跡」や、「掘立て柱跡」などが多数発見され

多くの人たちの生活の模様を垣間見ることができます。

 

「かまど」の跡や、出土した土器や石器などから遡って古代人の生き様が

鮮やかに浮かび上がってきます。

 

また畠の跡や、遠く爆発した浅間の土が堆積されているなどと説明を聞くと

つい昨日のことのように古代人を身近にかんじます。

 

見上げる「遠浅間」は雪雲に覆われながらも噴煙を上げています。

古代の大集落を見守っているかのようです。

 

 


冬深し

2009年01月24日 14時18分41秒 | Weblog

 

冬型の気圧配置が強まり日本海側は  

 

「冬深し」(ふゆふかし

 

冬深し歴史を積し煉瓦棟

(ふゆふかし れきしをつみし れんがとう)

 

 

冬型の気圧配置が強まり全国的に気温が低く、「冬ふかし」の感です。

その中で「煉瓦工場」の施設公開と説明会が開催されました。

寒さにも拘わらず新聞報道もあってか大勢の人が参観に訪れました。

危険防止にヘルメットを着用し「ホフマン輪窯」からの説明、見学でした。

 

この煉瓦工場は120年を経てその役目を果たし、昨年幕をとじました。

明治期に西洋文化の象徴として「煉瓦建築」が注目され、この工場は

郷土の偉人「渋沢栄一」の意向でこの地に建設が決まった経緯があります

 

現在、工場の大半が撤去され、残された「ホフマン輪窯」(現在、日本に4基存在)

と、事務所(異人館として、当時ドイツ人技師チーゼが住居)、

更に「変電所」(当時は電気がなかった時代)の三箇所が重要文化財として

残っており、今後の管理、運用が検討されているところです。

 

現在ここの煉瓦工場跡から駅までの約、4kに遊歩道がありますが、かつて

ここは生産された煉瓦を専用の列車(トロッコ)で運んだ貴重な線路でした

途中に架けられている「鉄橋」はこれまた「文化財」に指定されている

何れも当時日本で有数のものでした。

 

歴史が大きく変わり、この工場で生産された「煉瓦」は「東京駅」を初め、

「法務省」その他の建物にその片鱗を留めているのみです。

いまや建築方法の変化などにより役目を果たした「日本煉瓦製造株式会社」

その施設の一部を残して寒空に立ちすくんでいます。

 

6本あった大煙突も1本を象徴として遠望できるのみと成りました。・・・・

 

 


寒の水

2009年01月23日 13時55分52秒 | Weblog

 

次第に冬型の気圧配置となり、午後

 

「寒の水」(かんのみず

 

青、白の鷺影写す寒の水

(あおしろの さぎかげうつす かんのみず)

 

 

池面のあちこちに「白鷺」や「アオサギ」の飛翔の影がみられる。

 

おおきく羽を広げると、鴨の陣に見慣れているものにはかなり大きく感じます

 

近くの田んぼにも群れを成しているのを散見するころがありますが、

餌を食む姿は冬枯れる野原には一幅の画像です。

 

池面付近でも懸命に餌を食む姿を遠くから眺めやります。

 

 

 

 

「アオサギ」と教えられたこの鳥影もかなりの大きさです。

「アオサギ」は漂鳥といわれ、日本の各地で見られるようですが、夏は

涼しいところで過ごし、冬場はこうして棲む場を移動するのかもしれません。

 

今の時期「寒の水」は通常薄く凍っているのが常ですが、昨日、今日と

水は溶けてゆっくりと移動しています。

 

時々、アオサギは何に驚くか突然飛び上がります。

葦陰にいると羽色が判然としませんので、飛び立つ羽音と水音に

こちらが脅かされます

 

クアー、クアーの鳴声を挙げながら池面の上空を飛翔し移動しています。

「白鷺、アオサギ」と「寒の水」とで無心に遊ぶひと時でした。

 

 


まんさく

2009年01月22日 15時39分47秒 | Weblog

 

九州と関東の南に低気圧があり、朝から  

 

「金楼梅」(まんさく

 

金楼梅のはしりを見たり鴨の水

(まんさくの はしりをみたり かものみず)

 

 

(まんさく)

 

「金楼梅」(まんさく)の花がさいていました。

冬芽の逞しさに驚いている間もなくすでに早春に咲く万作に出くわしました

 

「まんさく」は早春に黄色の縄状の花をつけます。「金楼梅」の語源は

黄色い花が稲の豊作を思わせるからともいわれています。

 

早春には黄色の花が多いようですが、その先陣をきるのに「まんさく」が

あります。周りには様々な木々が植えられていますが、冬木の芽と混在し、

いまその覇を競っているところです。

 

 

 

 

目を池面に転じると今日は朝からの降雨で薄氷の表面もすっかり溶けて

冷たいと思いつつも鴨たちには適当な散策の場であるに違いありません。

 

少し距離を置いて、白鷺や、河鵜と思われるものが、大きく羽を広げています。

鳥たちにとっては楽園かもしれません

 

天候がよければ池面に釣り糸を垂らす人も多いかとおもいますが、

今日は一人もおりませんでした。

僅かにジャンバーの襟を立てた数人の人が公園内のランニングコースを

黙して歩いているのみです。

 

寒さはいや増しますが、周りの自然界は確実に春に向かった歩んでいます。

鴨の声を背に公園を後にしました。