おしゃべり日記俳句

折に触れ、思いつくまま、
傘寿を過ぎ一日一日を大切に・・・

芭蕉句碑

2005年07月31日 13時22分10秒 | Weblog

 

前線が日本列島に沿って停滞。ときどき蒸し暑い。

 

 頓(やが)て死ぬけしきは見へず蝉のこゑ   芭蕉

 

この句碑は邑の名刹の庭にある立派な芭蕉句碑です。

当時、『天保12年(1841)』地方の財産家でもあり有名な俳諧人が、

芭蕉没後「150年の遠忌」にその追善供養として、全国から著名な

俳諧師を招き句会を催しその折この句碑を建立したと謂われています。

きょうは境内には蝉のなきごえも聞こえず、ひっそりと鎮まり返って

いました。隣接の墓地も苔の花が咲いていました。  

 

空蝉(うつせみ)のいのち燃やせし爪の跡

 

背中を一文字に裂かれた空蝉の姿に燃やしたいのちの尊さと,この

句の素晴らしさに思いをいたします。   

 


カサブランカ

2005年07月30日 15時58分20秒 | Weblog

 

前線の停滞で日本全国雲に覆われる。蒸し暑い一日  

 

再び百合の花を取り上げます。    

百合の種類は多く、山百合、姫百合は白。鹿の子百合や笹百合は

淡紅色。鬼百合、車百合は黄赤色など色々あり何れも匂いが強い

ようです。    

 

 村はずれカサブランカの群れて咲き

 

街騒を避けた村はずれで白百合の群生に出会いました。

聞くところでは、「カサブランカ」というのだそうです。カサブランカは

モロッコの港湾都市ですが、スペイン語で「白い家」の意があるので

そう名付けられたのではないでしょうか?    

山百合や鬼百合の球根は昔から食用になったようです。

 

  献花いま百合の季節や原爆忌  後藤比奈夫

 

「百合の花」は献花に欠かせない花として珍重されています。

やがて運命の八月がやって来ます。

 

 


ひょうたん

2005年07月29日 15時54分24秒 | Weblog

 

低気圧や前線が日本海にやってくる。不安定な気象

 

瓢箪(ひょうたん)ひさご・ふくべ

瓢箪は蔓性でひげで絡みつき伸びます。葉は掌状で浅く裂かれて

います。ウリ科の一年草で、古くから世界で栽培されています。

果実は中ほどがくびれ成熟すると中身を腐らせて中空として、乾燥

させ、磨き、漆などを塗って、賞玩用にします。    

 

昔から、酒を入れたり、水入れ、等に広く使用されました。

 

   吊り棚に ふくべのくくり 面白し

 

「瓢箪」は歳時記では「秋」の季語です。

しかしこの時季に紛らわしいこうしたものが多いので、敢えて挑戦

しました。当然「季違い」として失格ですが、拙句ご覧ください。

 

    青ふくべゆるる彼方も大和かな   小川春子

 


この花の名は?

2005年07月28日 15時36分23秒 | Weblog

 

台風が去ったあと全国的に高気圧に覆われ猛暑  

 

この花の名はなんと言うのかご存知の方教えて下さい   

 

あちこちで見かけます。前に聞いたとき「エンゼル・トランペット」

と覚えていました。エンゼルは天使。トランペットは管楽器の一つ

でしょうから、「天使の吹くトランペット」とでもいう意味ですか。

 

兎に角、人を曳き付ける花には相違ありません。   

 

さて、今日は「土用の丑の日」です。  

我が家もこの日ばかりは「うなぎの蒲焼」をご馳走になります。

今年は少々高いそうですが、たくさんの人が買い求めていました。

「土用」は一年に四回あり、それぞれ立夏、立秋、立冬、立春の

18日前をいうそうですが、一般的には「夏の土用」を言うようです。

「土用うなぎ」を食べる習慣は江戸の中期ころとあり、また平賀源内

が考案したと一説に言われています。    

 

トランペット 咲いて土用の うなぎ喰い

 

「土用うなぎ」をたべるのは、栄養価が高く夏負けしないということ

からだそうです。       

 

   土用うなぎ家族ぐるみの夜となれり   中島宋々子

 


とうもろこし

2005年07月27日 10時39分18秒 | Weblog

 

台風7号は房総半島に上陸ののち、三陸沖を北上。北海道方面へ

台風一過、猛暑到来となりました  

 

 玉蜀黍 一本折って 手渡さる

 

「玉蜀黍(とうもろこし)・南蛮黍(なんばんきび)」

 

季語的には「秋」のとうもろこしも いま本番です。茎は高く、2mにも

達し葉の間に果実をつけます。   

 

粒は行儀よく並び、茹でたり焼いたりして食用や料理にも使われます。

食料難の時代には、重要な食料源となりました。いまのように甘く

柔らかいものでもありませんでした。

祭りの露天店でのあの香ばしい匂いは本当にたまりません。 

 

 シャトル打上げ成功 野口さんおめでとう  

 

  涼風の一塊として男来る  飯田竜太  読売・四季より

 


とうもろこしの花

2005年07月26日 10時04分54秒 | Weblog

 

台風7号接近、夕刻本土上陸の予報。朝から雨降り続く  

 

「玉蜀黍の花」(とうもろこしのはな)・なんばんの花

とうもろこしはイネ科の大型一年草だそうです。  

茎の頂きにススキの穂に似た大きな雄花をつけます。

雌花の穂は葉の間に大型の包(ほう)の中から赤毛状の花柱

を長く先端に垂らし他の雄花が風に飛ばした花粉を受けて実を

結びます。葉は飼料などにもなります    

(余談ですが、戦前、戦後この赤毛を乾燥し煙草の代わりに

煙をくゆらせ楽しんだものです。)      

 

 夕涼や とうもろこしの 花揺れて

 

玉蜀黍の実は、同じ木に実をつけていますが、季語的には

秋となります。今は旬のものが無くなった感がします。 

 

   なんばんの花に雨ふる山近み   轡田 進

 


青柿

2005年07月25日 16時44分18秒 | Weblog

 

台風7号が本土を狙う情勢。一日どんよりとした蒸し暑い日 

 

柿の実は夏の間、青いままひっそりと大きく育って行きます。

一寸見ぬまに大きくなっているのに驚かされます。  

 

我が家では、お隣の柿の枝が大分越境していますが、秋の実りの

 

時季になれば十分お裾分けして頂けるので黙認が慣例になっており

楽しく見守っています。   

 

 青柿に 夢を馳せゐる 昨日今日

 

秋の赤く実った頃、鳥に突つかれ、台風で落下と口惜しいことが

 

たまたまです。そんなことの無いように青柿に夢を託します。  

 

   柿青し鏡いらずの鬚を剃る  石川 桂郎

 

 

 

 


青ほうずき

2005年07月24日 16時18分25秒 | Weblog

 

晴れ間も多く、気温も上昇しましたが比較的凌ぎ易い一日でした

 

俳句・歳時記では「鬼灯」(ほうずき)は夏と秋で微妙に違いを見せます

『「夏」では、6月~7月頃黄色味を帯びた白い花をさかせます。

浅く五裂した「がく」が後に大きくなり、吹き鳴らして遊ぶ果実を包む。

或いは、花が終わったあと「がく」が大きくなって漿花(しょうか)を包む。

「秋」では「鬼灯」(ほうずき)は熟するとともに赤く色付く。実は珊瑚の玉

のように艶やか。子供は外皮だけで口に含んで吹き鳴らして遊んだ。』

とあり現在は丁度その中間と言ったところでしょうか。

 

  ほうずきのぽつんと赤くなりにけり  今井 杏太郎

 

の句のごとく、「青ほうずき」から「赤ほうずき」えの変化の時季です。

今日はこんなことをして遊びました。

 

鬼灯を提灯(ちょうちん)にして遊びけり

 

やがて来る「盆だな」にも飾られることでしよう。


胡麻の花

2005年07月23日 11時46分12秒 | Weblog

 

高気圧が弱まり、日本列島は雲が多い。雨の降るところもある。  

 

「胡麻の花」 俳句・歳時記より

『胡麻はゴマ科の栽培一年生。高さ1メートル程、盛夏のころ長楕円形

の葉のわきに、花弁の先が5裂し、上唇は短く下唇のすこし長い淡紅色

の筒状花(とうじょうか)を開く』とあります。

 

 天頂に 競いて開く 胡麻の花

 

花が散るとそこには、四室に分かれた果実がすぐに付いています。

「胡麻の果実(み)」は「季語」では秋となります。

秋に生じた細かい種子は昔から油をとったり、料理など欠かせません

 

今日は「大暑」です。夏の暑さの絶頂であるとされています。  

 

   瓜もみの加減も馴れて大暑かな   中村 汀女

 

 

 


夕顔の花

2005年07月22日 16時16分28秒 | Weblog

 

西日本は猛暑だそうですが、この辺は雲が多く やや涼しい 

「夕顔の花」はウリ科の一年草蔓草です。

夕刻に5つに裂けた大きな白い花を咲かせます。 しかし翌朝には

早くもしぼんでしまいます。次から次へ暫くは咲き続けるようです。

実は非常に大きく乾燥して花器などの工藝品などに仕上げられた

のを見たことがあります。   

 

  風生まれ 夕顔の花 開き初む

 

そよふく風に夏の夕闇に浮かび上がるのを湯上りの後等に見やり

やると大変涼しく感じるものです。  

 

   夕顔の一つの花に夫婦かな  富安 風生