前線の北上で全国的に
「九月尽」(くがつじん)
老いの身に冷たき雨や九月尽
(おいのみに つめたきあめや くがつじん)
時間は過去に戻ることは出来ないといわれる。・・・
記録的な猛暑に対応して懸命に生き延びた九月であった。
無事に夏を切り抜けた安堵感がそこにはある。しかし今日の肌寒さは
何だろう。一気に気温が十一月初旬にもあたる低温となる。
冷たい雨は老人には警戒警報である。市内でも唯一の「彼岸花の里」も
猛暑の故か開花が大幅に遅れ、数百メートルの及ぶ、用水路に沿っての
彼岸花が淋しく雨に濡れる。
公園の「白彼岸花」はもう最後の命を燃やすのに懸命である。
沼面には「鴨」の一群が遊ぶのをみる。そろそろ渡り鳥の飛んでくる季節かと
また季節の変化とその去り行く季節に老いの身の儚さを覚える。
国の根幹を揺るがすような事件が相次ぐ。
季節の移り行く姿の中に歴史の流れを噛み締める。・・・九月尽・・・