UNIT 2 原形動詞フレーズを用いて (2) 主語として使って
まず、この用法などで使われるtoの意味について説明しておきます。toは「不定詞を導くto」とか、「toは不定詞を導く」などと意味がないようなものではありません。toはれっきとした前置詞で、「到達」を意味します。例えば、go to workなど「仕事をすることに向かってなどと、それに「到達する」ということになります。だからtoと結びつく原形動詞フレーズは、「未来性」の意味を持ちます。to be ~を「~になる」と訳すことが多いのは、このことからです。
What is your dream? あなたの夢は何ですか?
To be happy. 幸せになることです
以下の文例は、このto+原形動詞フレーズのパターンが、ひとまとまりの行為や状態を表して主語となっている例です。
To speak English well is not easy.
上手に英語を話すのは簡単じゃない
ただし、このようにto+原形動詞フレーズで表現すると、主語が長くなるので、itを用いて以下のように表現するのが普通です。
It is not easy →to speak English well.
そりゃ簡単じゃないよ 英語を上手に話すのは
It is not easy →for me to speak English well.
そりゃ簡単じゃないよ 私が英語を上手に話すのは

このように、Itを用いて「そりゃ~だよ」と判断を下し、その判断の元になった行為や状態を述べるパターンで用いられる形容詞や名詞は以下の通りです。
これらの形容詞や名詞のフレーズに共通するのは。これらは原則として人が主語とならないものです。ただし、easy, hard, goodには注意が必要です。
dangerous, important, necessary, possible, impossible,
easy, hard, good, etc.
a pity, a shame, a mistake, a good idea, a great pleasure, etc.
It's nice to be with you.
あなたと一緒にいるのがいい
It's impossible to master English.
英語をマスターするのは不可能です
It's hard to live on my salary.
私の給料で生活するのはむずかしい
It is a mistake for her to marry Tom.
彼女がトムと結婚するのは間違いです
It's a good idea for you to book in advance.
前もって予約するのはいい考えです
一方、同じようなパターンとなりますが、以下の文例はforではなく、ofが使われていることに注目してください。この表現で使われる形容詞は、人が主語となるものです。
You are kind → to help me.
あなたって親切ね 私を手伝ってくれるなんて
これをitを使っての表現すると。
It is kind of you → to help me.
それゃあなたって親切ね 私を手伝ってくれるなんて

これらofを使って表すパターンでは、以下のような人の性格や品性を表す形容詞が用いられます。上のeasy, hard, goodはどちらにも使えます。
good, kind, wise, clever, foolish, brave,
thoughtful, thoughtless, careful, careless, etc.
It is kind of you to say so.
ご親切にそう言っていただいてありがとう
It is brave of him to do that.
そんなことをするなんて彼は勇気があります
It is thoughtless of her to forget my birthday.
私の誕生日を忘れるなんて彼女は薄情です
It is careless of me to take the wrong bus.
間違ったバスに乗るなんて私は不注意です
今までの学習をON LINE講座のSampleでごらんください。


It is ~ to+原形動詞フレーズの表現は、It is ~ ing形動詞フレーズにもあります。ただし、この文型で使われる形容詞は限られています。この画面はSampleにもありますが、ごらんください。このようにPCでの学習には簡単なリンクをはり、関連事項を同時に学習できる利便性があります。


これも、Sanpleにありますが、形容詞goodを使ったすべての文型をあげたものです。ここには、goodの様々な意味を体験したり(GROUPA)、be good atがあったり、またatがing形動詞フレーズを導いたり(GROUPB)、be good forがあったり(GROUPC)、あるいはwithなどに結びついたり(GROUPD)、またno goodとなると突然ing形動詞フレーズを導いたり(GROUPE)、そして今回登場したIt is ~ of to+原形動詞フレーズ(GROUPF)、It is = for ~to+原形動詞フレーズがあります。
もちろん登場する文例は多いですが、大切なのはすべてを丸暗記することではなく(ノイローゼになります)、その意味合いとしくみを身につけることです。
