読解の学習と言えば、単語を覚えたりあるいは模擬試験問題を解いたりすることが多いと思います。
もちろん単語を覚えることも、模擬試験問題を解くこともまったく無駄ではありません。TOEIC試験に登場する読解文は「報道文」「天気予報」」「店の宣伝」「ビジネス文」などある程度パターン化されているからその必要もあります。これについては先に述べたいと思います。
しかし大切なのは単語というものはフレーズで成り立ち、それを英語の発想に従ってどれだけNO-RETURN READING、つまり「後戻り訳」をしないでどれだけその意味をとらえるかというトレーニングは不可欠です。それも特に「よく働く動詞」が作るフレーズはどれだけひとまとまりのものとしてとっさにとらえることができるかににかかっています。
ここで「よく働く動詞」について述べたいと思います。
まず、以下のイラストをクリックしてください。ここにEnglish Trecking教材Vol.3のSampleが展開されます。
まず、左の項目から、arrive, borrow, break, bring, build, buy, carry, catch, change, cost,count, cut, eat, drinkをクリックしてください。これらは「よく働く」動詞ではありません。 なぜなら、これらの動詞は単独で、あるいは目的語を持ったりしますが、動詞のフレーズを導かないからです。
一方、tryをクリックしてください。この動詞は動詞フレーズを目的語として導くのが特色です。tryをクリックし、(D-1)、(D-2)をクリックしてください。
文法では、try to不定詞は、「未来志向」を持ち、try+動名詞は「過去指向」を持つものですね。
(D-1) try+to+原形動詞フレーズ VO感覚 (91)
He tried to cover up for her by lying.
彼はうそを言って彼女をかばってやろうとした
(D-2) try+~ing形動詞フレーズ VO感覚 (4)
She tried cooking the fish.
彼女はその魚の料理をやってみた
(E) try+how+節 VO感覚 (2)
He tried how long he could stand on his hands.
彼はどの位の間逆立ちしていられるかやってみた
※プラウザの「戻る」でお戻りください。

(D-1)をクリックする単にtry+to不定詞が、様々に展開しているのがわかります。
Try to ~、Don't try to~, Try not to~、We should try to~,
A country should not try to~、A man should always try to~
You must try to~、I am trying to~、He was trying to~
I've never tried to~、She has been trying to ~、 I tried to
It's no use trying to~、There is no need to try to~
I gave up trying to
つまり、英文を読解する場合の意味単位としてこれらを身につけていれば、簡単に以下に続く動詞フレーズをどのように訳すか、これがNO-RETURN READINGであり、この発想はSpeakingでも、Listening場面でもまったく同じだということです。
もちろんこのような「よく働く動詞」はさほど多くはありません。これらは文法学習で、「to不定詞を導く動詞」とか「動名詞を導く動詞」などと紹介されるものです。
私が、TOEIC試験講座を受け持って全員のスコアアップを可能にするのは、文法学習そのものがすなわちReading, Speaking, Listeningと同じだからです。