みなさんこんにちは!
ワンポイントストアドットコムスタッフブログ
へようこそ!
今読んでいる本の冒頭に、
とても面白い記述がありましたのでちょっとご紹介。
イリノイ大学で行われた有名なラットの学習実験の話。
2匹のラットを用意して、それぞれをカゴに入れて飼育します。
1匹目はオモチャや遊び相手もなく、一匹で育った。(刺激が少ない)
2匹目はオモチャや遊び相手と一緒に育った。(刺激が多い)
この2匹のラットに対して迷路学習などのテストを行ったところ、
オモチャや遊び相手と一緒に育ったラットの方がより賢く、
脳の発達も良いと分かったそうです。
(ものすごーく省略して書いてますけど・・・。)
脳の発育は、初期環境の刺激を豊富にすることで促進される。(賢くなる)
(少なくともラットは)
脳の発達において、環境の中で経験を積むということは、
遺伝子プログラムと同じくらい重要である。
と、結んでいます。
この研究結果は、
「子どもが小さいうちには、刺激にあふれた環境を整えてあげることが大切」
という証拠としてよく挙げられるんだそうです。
さて。
ここからが本番なんですけど。
この研究成果を「どう見るか?」が、今日のポイント。
「やっぱりそうなんだわ。赤ちゃんの時から脳を刺激するような
知育オモチャで遊ばせたり、学習トレーニングをたくさんしないと、
馬鹿になっちゃうんだ。」(もしくは「賢くなれないんだ。」)
「賢い子どもに育てるには、
やっぱり赤ちゃんの時から恵まれた学習環境が必要なのね。」
「一人っ子はやっぱり良くないのかしら?」
と、思っちゃったりしません?
実際「赤ちゃんのいる環境は、特別に整備して、ふつうよりも豊かにすべきだ」
と言う識者や専門家もいるようですし。
しかし。「それはどうかな?」なんですよ。
ラットは「ふつう」の環境であれば、
なんの刺激もなく育つなんてことはありえないですよね?
野生のラットは下水溝などで暮らしているので、
音や臭いもするし、外敵もいるし、
決して退屈で刺激のない生活なんて送ってなんかいません。
実験の2匹のラットは、
「なにもしない」と「いっぱい与える」の比較ではなく、
「ありえない劣悪な環境」と「ふつうにより近い環境」の対比実験なんです。
著者はこう言っています。
この実験で分かることは、
「恵まれた環境であるほど良い」というものではなく、
ふつうの環境よりも下にある恵まれない環境におかれると、
赤ちゃんの脳に害がおよぶことがあるということを、示しているにすぎない。
この本は、こういった話を前提に、
早期学習が脳の発達にどのような影響を与えるのかを認知学からアプローチし、
「教育」と「科学」がもっと密接に関わることで、
より良い学習とは何か?を探っていきます。
子どもの教育は早ければ早いほど良いのか?
大人になってしまったら、手遅れなのか?
本当に「3歳までに頑張らないと遅い」のか?
こういった、
現在は通説として教育現場でさえも受け容れられているアタリマエに
一石を投じる内容です。
まだ読書中なので、
私には「結論」は分からないんですけど。
わが子はみんな可愛い。
できれば賢く育って欲しい。
そういう親心に対して、あまりにも冷たい仕打ちと思えるような、
セールストークだったり、発言だったりを、
いろんなところで目や耳にします。
今しないと手遅れになるとか、
今やらないと一生苦労するとか。
この年齢までに、これができないと駄目とかね。
一人っ子とかもそうよね。母子家庭への偏見とか。
経済的な理由や、家庭環境や、子どもの発育状況などの理由で、
「恵まれた環境」を実現できないことに、
ココロを痛めている親御さんがたくさんいます。
子どもの方も、
「小さい頃からやらせてくれなかったからだ」とか言うし。
僕ができないのは親のせいだ、みたいなさ。
でもそれって本当なのかな?
私は本が好きだけど、特別に、良い本が家にたくさんあったとか、
読み聞かせを親に根気良くやってもらったということはありません。
(母は、”ほどほどにやった”と言いますけど。)
でも勝手に。図書館に行って、たくさんの本を読んだ経験はある。
誰にも強制されなかった。ただ興味があって、好きで通った。
母に「この本が欲しい」「この本買って」と言ったところで、
無限に買ってくれるわけもないし。図書館の方が手軽だからね。
同じ条件で育っている弟は、全く本は読まない。苦手。
でも今になって、本好きの嫁に憧れて、自分も読んでみたいなと、
チャレンジ中よ。
私が持っている最大の疑問は。
「足りない」「劣悪な」環境が脳の発達に与える影響は聞こえてくるが、
「取り過ぎ」についての研究結果が見えてこないところ。
「食」に関しては研究されてますよね。
特定の栄養素だけを過剰摂取すると、体に影響が出るでしょ?
バランスを崩したりさ。
だけど偏った学習トレーニングを過剰にした場合、
もしくはオモチャや遊び相手を与えすぎた場合、
脳の発達と学習能力において、影響はでないんだろうか?
体のバランスは崩れないのかな?
ココロはどうなんだろう?
特定のトレーニングを過剰にすることで、
その他の分野に関する経験値が減ることが、なおざりにされて良いものなのか?
これが分からない。
幼児トレーニングに、
先生が次々と捲るカードを視覚で瞬時に捉えて答えていく
フラッシュカードというのがあります。
その授業風景を見たとき、背筋がゾクっとくる感じがしたのを覚えています。
確かに、脳のシナプスはトレーニングを受けてない同じ年の子どもより増える。
だが、あれは「過剰」とは言えないのだろうか?
また子どもに必要な経験のひとつとして、カウントされるものなのかしら?
視覚的な刺激だけを過剰に与えることで「賢い人」になれるのか?
なによりも、まず、あれは安全なの?
子どももいないのに。
こんなこと考えて何になるの?って話もあるかもしれませんが。
親と子の関係って、本来はピュアで。
奇跡みたいなもんで。
この世知辛い世界にあって唯一、
利他的な関係値を、お互いにそれが自然として振舞える、
平和的で理想的な姿だと、わたしは思っているので。
そこにつけこんでモノを売ろう!とする人を信じたり、
こうするべきだ!なんて言ったり言われたりするのは、嫌だ。
また。
そういう俗説や風説を正解だと誤解して
ココロを痛めている人がいたら、
それは違うよ、大丈夫だよと、応援したい。
自説を振りかざすんじゃなくて、
自分の中で正しい理解を目指したい。
こうじゃなきゃ駄目とかこれさえやればってことは、
無いんだな~って分かってきたし。
そして。
広告という世界にいて、子どもと関わる仕事をするからには、
俗説に乗るようなことはしたくない。
少なくとも、正直でいたい。脅しみたいな表現とか、嫌だな。
したくないな。
儲からないけどね。。。
だからね。
ちょっと難しいけど。
頑張ってお勉強しなきゃね。
余談ですが。
「歯を磨くとき、歯茎も磨くと、賢くなる。」とかさ。
夕方のニュースで言ってるんだよ。今って。
歯だけを磨いたときと歯茎も一緒に磨いたときの脳波を計測して、
歯茎も磨いたときの方が、脳がより活発に動いています。だって。
あたりまえじゃ!
でもだからって、歯磨きの時に歯茎も磨けば賢くなるかって話よ。
ツメを切るとき指まで切っても、脳の活動は活発になる。
それで頭が良くなる?痛いだけじゃ。
いやでも、指を切った経験の方が、すぐに痛い、危険!って分かるぶん、
まだ賢くなれるかもしれないぐらいよ。
このニュースにはオチがあって。
「ただし、歯茎を磨くときは、ソフトにやってください。
強くやると歯茎を傷つける場合があります。」だって。
アホくさ。
でもさ。
「そうか~」と思って一生懸命歯茎を磨く子どももいるわけですよ。
頭良くなれ~って。切実にさ。
だってニュースで言ってるんだもん。信じるよね。
アルアルだけじゃないんだよ。
こういうことを私は、広告で、仕事で、
「自分はやっちゃいけない!」と思うから。
出来る限り、お勉強はしなくちゃ駄目なんだって思います。
ワンポイントストアドットコムスタッフブログ
へようこそ!
今読んでいる本の冒頭に、
とても面白い記述がありましたのでちょっとご紹介。
イリノイ大学で行われた有名なラットの学習実験の話。
2匹のラットを用意して、それぞれをカゴに入れて飼育します。
1匹目はオモチャや遊び相手もなく、一匹で育った。(刺激が少ない)
2匹目はオモチャや遊び相手と一緒に育った。(刺激が多い)
この2匹のラットに対して迷路学習などのテストを行ったところ、
オモチャや遊び相手と一緒に育ったラットの方がより賢く、
脳の発達も良いと分かったそうです。
(ものすごーく省略して書いてますけど・・・。)
脳の発育は、初期環境の刺激を豊富にすることで促進される。(賢くなる)
(少なくともラットは)
脳の発達において、環境の中で経験を積むということは、
遺伝子プログラムと同じくらい重要である。
と、結んでいます。
この研究結果は、
「子どもが小さいうちには、刺激にあふれた環境を整えてあげることが大切」
という証拠としてよく挙げられるんだそうです。
さて。
ここからが本番なんですけど。
この研究成果を「どう見るか?」が、今日のポイント。
「やっぱりそうなんだわ。赤ちゃんの時から脳を刺激するような
知育オモチャで遊ばせたり、学習トレーニングをたくさんしないと、
馬鹿になっちゃうんだ。」(もしくは「賢くなれないんだ。」)
「賢い子どもに育てるには、
やっぱり赤ちゃんの時から恵まれた学習環境が必要なのね。」
「一人っ子はやっぱり良くないのかしら?」
と、思っちゃったりしません?
実際「赤ちゃんのいる環境は、特別に整備して、ふつうよりも豊かにすべきだ」
と言う識者や専門家もいるようですし。
しかし。「それはどうかな?」なんですよ。
ラットは「ふつう」の環境であれば、
なんの刺激もなく育つなんてことはありえないですよね?
野生のラットは下水溝などで暮らしているので、
音や臭いもするし、外敵もいるし、
決して退屈で刺激のない生活なんて送ってなんかいません。
実験の2匹のラットは、
「なにもしない」と「いっぱい与える」の比較ではなく、
「ありえない劣悪な環境」と「ふつうにより近い環境」の対比実験なんです。
著者はこう言っています。
この実験で分かることは、
「恵まれた環境であるほど良い」というものではなく、
ふつうの環境よりも下にある恵まれない環境におかれると、
赤ちゃんの脳に害がおよぶことがあるということを、示しているにすぎない。
この本は、こういった話を前提に、
早期学習が脳の発達にどのような影響を与えるのかを認知学からアプローチし、
「教育」と「科学」がもっと密接に関わることで、
より良い学習とは何か?を探っていきます。
子どもの教育は早ければ早いほど良いのか?
大人になってしまったら、手遅れなのか?
本当に「3歳までに頑張らないと遅い」のか?
こういった、
現在は通説として教育現場でさえも受け容れられているアタリマエに
一石を投じる内容です。
まだ読書中なので、
私には「結論」は分からないんですけど。
わが子はみんな可愛い。
できれば賢く育って欲しい。
そういう親心に対して、あまりにも冷たい仕打ちと思えるような、
セールストークだったり、発言だったりを、
いろんなところで目や耳にします。
今しないと手遅れになるとか、
今やらないと一生苦労するとか。
この年齢までに、これができないと駄目とかね。
一人っ子とかもそうよね。母子家庭への偏見とか。
経済的な理由や、家庭環境や、子どもの発育状況などの理由で、
「恵まれた環境」を実現できないことに、
ココロを痛めている親御さんがたくさんいます。
子どもの方も、
「小さい頃からやらせてくれなかったからだ」とか言うし。
僕ができないのは親のせいだ、みたいなさ。
でもそれって本当なのかな?
私は本が好きだけど、特別に、良い本が家にたくさんあったとか、
読み聞かせを親に根気良くやってもらったということはありません。
(母は、”ほどほどにやった”と言いますけど。)
でも勝手に。図書館に行って、たくさんの本を読んだ経験はある。
誰にも強制されなかった。ただ興味があって、好きで通った。
母に「この本が欲しい」「この本買って」と言ったところで、
無限に買ってくれるわけもないし。図書館の方が手軽だからね。
同じ条件で育っている弟は、全く本は読まない。苦手。
でも今になって、本好きの嫁に憧れて、自分も読んでみたいなと、
チャレンジ中よ。
私が持っている最大の疑問は。
「足りない」「劣悪な」環境が脳の発達に与える影響は聞こえてくるが、
「取り過ぎ」についての研究結果が見えてこないところ。
「食」に関しては研究されてますよね。
特定の栄養素だけを過剰摂取すると、体に影響が出るでしょ?
バランスを崩したりさ。
だけど偏った学習トレーニングを過剰にした場合、
もしくはオモチャや遊び相手を与えすぎた場合、
脳の発達と学習能力において、影響はでないんだろうか?
体のバランスは崩れないのかな?
ココロはどうなんだろう?
特定のトレーニングを過剰にすることで、
その他の分野に関する経験値が減ることが、なおざりにされて良いものなのか?
これが分からない。
幼児トレーニングに、
先生が次々と捲るカードを視覚で瞬時に捉えて答えていく
フラッシュカードというのがあります。
その授業風景を見たとき、背筋がゾクっとくる感じがしたのを覚えています。
確かに、脳のシナプスはトレーニングを受けてない同じ年の子どもより増える。
だが、あれは「過剰」とは言えないのだろうか?
また子どもに必要な経験のひとつとして、カウントされるものなのかしら?
視覚的な刺激だけを過剰に与えることで「賢い人」になれるのか?
なによりも、まず、あれは安全なの?
子どももいないのに。
こんなこと考えて何になるの?って話もあるかもしれませんが。
親と子の関係って、本来はピュアで。
奇跡みたいなもんで。
この世知辛い世界にあって唯一、
利他的な関係値を、お互いにそれが自然として振舞える、
平和的で理想的な姿だと、わたしは思っているので。
そこにつけこんでモノを売ろう!とする人を信じたり、
こうするべきだ!なんて言ったり言われたりするのは、嫌だ。
また。
そういう俗説や風説を正解だと誤解して
ココロを痛めている人がいたら、
それは違うよ、大丈夫だよと、応援したい。
自説を振りかざすんじゃなくて、
自分の中で正しい理解を目指したい。
こうじゃなきゃ駄目とかこれさえやればってことは、
無いんだな~って分かってきたし。
そして。
広告という世界にいて、子どもと関わる仕事をするからには、
俗説に乗るようなことはしたくない。
少なくとも、正直でいたい。脅しみたいな表現とか、嫌だな。
したくないな。
儲からないけどね。。。
だからね。
ちょっと難しいけど。
頑張ってお勉強しなきゃね。
余談ですが。
「歯を磨くとき、歯茎も磨くと、賢くなる。」とかさ。
夕方のニュースで言ってるんだよ。今って。
歯だけを磨いたときと歯茎も一緒に磨いたときの脳波を計測して、
歯茎も磨いたときの方が、脳がより活発に動いています。だって。
あたりまえじゃ!
でもだからって、歯磨きの時に歯茎も磨けば賢くなるかって話よ。
ツメを切るとき指まで切っても、脳の活動は活発になる。
それで頭が良くなる?痛いだけじゃ。
いやでも、指を切った経験の方が、すぐに痛い、危険!って分かるぶん、
まだ賢くなれるかもしれないぐらいよ。
このニュースにはオチがあって。
「ただし、歯茎を磨くときは、ソフトにやってください。
強くやると歯茎を傷つける場合があります。」だって。
アホくさ。
でもさ。
「そうか~」と思って一生懸命歯茎を磨く子どももいるわけですよ。
頭良くなれ~って。切実にさ。
だってニュースで言ってるんだもん。信じるよね。
アルアルだけじゃないんだよ。
こういうことを私は、広告で、仕事で、
「自分はやっちゃいけない!」と思うから。
出来る限り、お勉強はしなくちゃ駄目なんだって思います。
脳の学習力―子育てと教育へのアドバイス岩波書店Sarah‐Jayne Blakemore, Uta Frith 訳:乾 敏郎, 吉田 千里, 山下 博志 |