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Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

3.嵐電

2015-10-18 22:11:49 | 京都百話


北野白梅町駅から「嵐電」こと京福電気鉄道に乗ってみる。

嵐電は四条大宮から嵐山を結ぶ本線と、帷子ノ辻から北野白梅町を結ぶ北野線の二路線からなり、この駅は北野線の終着駅だ。

頭端式のホームで待っていると、一両編成の小さな電車が到着。
神奈川に住む私にとっては江ノ電を彷彿とさせる抹茶色のボディ。
どちらも古都をコトコトと走る小さな電車だがどうやら姉妹協定を結んでいるらしい。

列車はわずかな乗客を乗せて出発。
江ノ電のように名勝が楽しめるわけではないが、等持院・妙心寺・竜安寺と駅名に名だたる寺院の名前が続く。
このちいさな列車は古寺参拝によく似合う。

まもなく御室仁和寺駅に到着。
降りる時にはバスのようにチャイムで知らせる方式。


この駅は名前の通り、仁和寺の最寄駅。
駅前からまっすぐ伸びる緩やかな上り坂の先には仁王門。
このアプローチが好き。
電線が地下に潜ってくれるとさらに嬉しい。

徐々に迫ってくる木造の仁王門にテンションが上がって、門に突っ込もうとすると門前の道路は車通りが多いので危険だ。
憧れの古寺を目の前に無念の死を迎える可能性が高い。
右側にある信号を使った方が安全だろう。


2.北野天満宮

2015-10-18 00:33:51 | 京都百話

 

今出川通りに面した入り口から参道を進むと、ゆるーく右にカーブしていく。
左右には寄進されたものであろう、大きさがまちまちの灯篭が建っていて社殿へと誘う。

修学旅行生が必ずや訪れるといわれるこの神社も、朝が早いからなのか、今は誰もいない。
時々、散歩中の人とすれ違うくらいだ。

参道を進んでいるとところどころに置かれた牛の像が気になる。
ブロンズのものから石のものまであるのだが、どれもドッシリと座った姿をしている。
撫でたくなる高さにあるので思わず撫でてしまったのだが、皆同じことをするらしく、撫でられた証の光沢がある。

そして梅。
境内には梅園まであるが、残念ながらまだ蕾。
日のあたる場所から少しずつ咲き始めていた。


この神社に祀られているのは菅原道真公。牛も梅も彼由縁のものだ。
平安時代に異例の出世をとげてまで上り詰めた道真公は藤原氏の謀略で左遷させられたのち、遠く北九州の大宰府にて果てた。
彼の魂は怨霊と化し、祟ったために祀り鎮めたのがこの神社の始まりである。

現在では学業の神様として全国の学生に信仰されている。同じ人でも、神様でも見方によっては恐ろしくもなるし、尊くもなるのだ。


1.京都路

2015-10-17 23:20:31 | 京都百話






 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 




闇夜を走る小田急線の車内でじっくりコトコト揺られながら、目指しているのは終点、新宿だ。
二十二時をまわった頃の車内は普段の喧騒も嘘のように空いていて、少し寂しい。

夜行での旅と言うのはいい。
一度寝て、リセットした状態から旅に挑むのではなく、日常と地続きの状態から旅は始まる。
気持ちが日常生活から非日常的な旅へとゆるやかに切り替わっていく。

毎日のように帰宅時に眺める闇夜の多摩川。
車窓から見る大きな川は一日が終わる「おかえりの風景」。

しかし今日だけは「おはようの風景」だ。
世間では相変わらずの一日が終わろうとしているというのに、何処か遠くを見ている自分がおかしい。
すれ違う疲労と安堵を詰め込んだ下り列車には、いつもの自分がいるような気がした。