昇段試験4段に向けて練習中のYさん。
参考資料として、関吟の音源から女性指導者の律詩抜粋を作成して聞いて
頂いています。
Yさん曰く、上手すぎて、参考にならない。やっぱりいつも教えて頂いている
先生の声でないと、参考に出来ませんと、長らくおっしゃっていました。
あるきっかけから、松野先生の声を聞くようになったら、急に安定感のある
律詩吟詠ができるようになりました。
松野春秀先生の揺るがない安定感のある関吟の譜そのものを伝える正確で
シンプルな吟詠は、男声であっても、Yさんの耳と心をとらえたようです。
その結果、こっちのほうが簡単ですといわせた吟詠は、「筑前城下の作」でした。
他の基本吟の律詩を受験吟題として決まっていて、練習もそれなりに進んで
いたのですが、今日の夢松風の課題として練習し、松野春秀先生の声を
聴き込んでみて、変更する気になったようです。
いつも教室でお聞かせする私の吟詠でないとどうなっているかわからないと
言っていたのが、「松野春秀先生の音源でないと」にと、一瞬で変わりました。
装飾のないシンプルで、力強く、それでいて単調ではない吟詠は、女性にも
惹きつけられるものがあるのですねぇ。
上級者の声をたくさん聴いて、自分のものにしましょうと言っていたことの
その一歩が、始まりました。松野先生のおかげです。
本当に良かったねぇ。
そのうち、他の先生方の吟詠も、ちゃんと耳に届くようになるからね。
更に、精進しましょう。
これから、基礎固めをしていく人にはもちろんのこと、上級者となって、
もはや、中途半端な助言なんていらないよとなっている方にも、
関吟の神髄を詠う「松野春秀」の吟詠を、何度でも聴き直して、
心に刻むと良いと思います。とくに、初心を忘れそうになっている人に。
私には、もはや、松野春秀先生ではなく、「松野春秀」と神格化した固有名詞
となりました。
これからの吟詠、これからの関吟について、謙虚に熱く語ろうではないか。