今日の吟題は、「山中問答」 李白
山中問答は、若いころから何回となく吟じて来たので、テキストを見ないで
吟じることが出来るとのうぬぼれで、「非ざる」の平板のアクセントである
所を中二高のアクセントで、吟じていたそうです。
その事を一番経験の浅い会員さんからの指摘されて初めて認識をしました。
そらんじることのできる吟題でも、はじめは、ちゃんとテキストを見て吟じなさい
という戒めとなりました。
そして、先輩たちもそれをわかりながら、黙っていたようです。
そうなんだねぇ...
そして、この処めきめきと吟詠を自分のものとしてきたMさんが、譜№41の
最後の七の音を「声のない音」で吟じられました。
出しにくい音を喉を固くして無理やり絞り出して不自然になるところを
音として出ていなくても十分想像の出来る「音のない声」で詠いました。
その為、転区の山場の思いが十分に届きました。
音のない声というか声のない音というか、耳に届かなくても心に届く音色を
聴くことが出来ました。
長年、高い音が出ないと引っ込み思案で、自身のない吟詠をしていたのが、
高い塀を乗り越えたようでした。
このことにキョトンとしていて理解の届かない方も居らっしゃいましたが、
私の胸にはちゃんと響く吟詠でした。