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東京ディズニーランド マニアック目線のススメ

2023-05-16 11:52:00 | サブカルチャー

今回の記事は、趣向を変えてレビューなどでは無く、ダラダラと所感を書いていこうと思います。

いや、本来の「ブログ」としてはその方が正しい気もするけど。


さて、一か月ほど前ですが、家族サービスで東京ディズニーランドに行ってきました。

年に一度も行かないレベルではありますが、やはり娘に行きたいとねだられると連れて行ってあげたくなります。




そこで、今のアウトドア趣味やマニア趣味などの目線で、ディズニーを楽しんでみたという内容です。




まずは「カリブの海賊」

大ヒット映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」に絡む部分では色々とマニアックなネタなんかもネットには転がっていると思いますが、そんな中、自分が気になった物が2点。




一つ目は、アトラクションの乗り場手前にぶら下がっていた、オイルランタンを模した照明。

自作のオイルランタンの記事でも解説していますが、通常、ランプやランタンというのは吊り下げた真下には光が届きません。

その構造をそのままアトラクション照明にしてしまうと暗くなってしまうので、通常の吊り下げ証明と同じく、下側を照らす照明にランプ型のカバーをかぶせているんですね。

この構造、割とオイルランタンを使っている人にとっては理想なんじゃないでしょうか?










もう一つ、アトラクション乗り場で気になったのが「樽」

小舟の上に二種類の木樽が乗っかっています。

一つは樽の留め具(タガ)がよく見る金属製の物です。

もう一つは留め具が木製になっています。

木樽の歴史は非常に古く、ローマなどでは2世紀~3世紀あたりには使われていた記録があるそうです。

つまり、タガが木製なのは、製鉄技術が発達していない古い時代の物なのか?はたまた、大航海で製鉄技術の発達していない地域から手に入れた物なのか?

中身はお酒であることが予想されますが、ワインか、ラム酒か、ウィスキーか?

この樽だけを見ていても、想像が広がります。










「カリブの海賊」からウエスタンランド側へ異動している最中に見つけたワゴン。

荷馬車の荷台部分ですね。

西部開拓時代には、こうした木製馬車が活躍していました。

横に括り付けた木樽は、小さいですが飲料水用なのでしょう。

車輪回りや荷台の下の骨組みを見ると、既にシャーシ構造の概念が取り入れられていることが分かります。

西部開拓時代には既にサスペンションなども採用されています。


車体横に搭載された大きなノコギリは、おそらく二人かかりで使う物ですね。

山から斧で切り出した木材を、こういうノコギリで挽いて材料加工していました。


積まれている材木は、本物の杉の木。

表面がまだ白く、切り口の割れも見当たらないので、割と最近に伐採した物なんだと分かります。


数年前にディズニーランドに訪れた時には幌馬車だったので、これもわざわざ作り変えたんでしょうね。

アメリカ西部に杉の木が自生していたかはともかく、細かい部分まで時代設定を反映しているのは素晴らしいです。





特にこのウエスタンランドは参考になる装飾が一番多いエリアですね。

世界各地のディズニー遊園地には、ほぼ同コンセプトのエリアがあり、世界観や装飾品などの共有がしやすいのか、非常に凝った世界観になっています。






そんなウエスタンランドの象徴的なアトラクションと言えば「ビックサンダーマウンテン」

有名な話ですが、入り口近くの蒸気式トラクターは本物のトラクターとの事。

物としての迫力が違います。

うーむ、カッコいい。









ビックサンダーマウンテンは、かなり初期からのアトラクションですが、敷地入り口から乗り場までの景色や通路も、非常に凝っています。

コース脇に置いてある、別の蒸気式トラクター。

よく見るとドライブベルトでもう一つの機械を駆動させるための動力源にされているのが分かります。









もはや説明不要ではありますが、ビックサンダーマウンテンは金鉱山をモチーフとしています。

全体に張り巡らされた水の流れる通路は、金の比重を活かして効率的に採取するための仕組みです。

ダイナマイトで山を崩す⇒土砂を水通路に流す⇒比重が重い金は底に沈み、不要な土砂だけが流れていく、というシステムです。









建物内に飾られている、広告掲示板。

西部開拓時代は鉄道の発展と共に、通信販売が栄えた時代でもあります。

左上の「ポニーエクスプレス」は、現在の「速達郵便」や「バイク便」ですね。
各駅間を馬でリレーして郵便物を届けました。

他にもコロラド移住の広告、ウイスキーやタバコの広告が飾られています。

このフォントや紙質といった物も、ウエスタンファンにはたまらない資料です。







同じく、壁に飾られた工具類。

この古ぼけた重厚感ある工具は男性なら誰でもグッとくるんじゃないでしょうか?

モンキーレンチですが、今の物とはだいぶ形状が違います。

金鉱山を走るトロッコの整備用だから特殊形状をしているのか、そもそも19世紀ごろの工具なんかはこんな形をしていたのか・・・

こんな工具、古道具屋で見つけたら間違いなくゲットしちゃいますね。











同じく、飾ってあった小物で心惹かれたのがコチラ!

右の調理ポッドは、焚き火料理などで使いやすい吊り金具付き!

口が狭くなった形をしているので、本来は蓋があったんじゃないかと推測します。

左もすごく美しい形をしているクッカーですが、わりと現代の飯盒にも似ています。

この二つ、同じ形で現代でも作っても、絶対アウトドア好きにヒットすると思います。










こちらもコース脇の造形物。

当時の採掘者の生活が垣間見える小屋ですね。

板張りの切妻屋根で、外の桶には薪が放り込んであるので、おそらく薪ストーブで暖を取り料理も作っていたんでしょうね。

手前の採掘機械も趣があって良いですね!

上の口から土砂を流し込み、砕石機にかけていたんでしょうか?

右側にタンクがあるので、動力はこれも蒸気機関なんだと思います。









こちらも通路に飾られた小物。

上皿天秤です。

採掘された金は、当然、他の鉱物に混ざっていたり、純度が低いものもあったのでしょう。

天秤を使い、どれくらいの純度の金か確かめていたんでしょうね。








そして、一番驚いた小物がコチラ!

シングルバーナーですよね?これ!

上には台形型の変わったメスティンが乗っていますが、下の部分はポータブルストーブで間違いありません。

ゴールドラッシュ時代にこんなのあったの?と思いましたが、調べてみたら、今のシングルバーナーと変わらない製品は、すでに19世紀に作られていたそうです。

そ、そんな昔からあるんだ・・・


キャンプギアのマニアには、ビンテージの道具を集めている方も多いので、このバーナーは売ったら相当な金額になりそうです・・・









ビックサンダーマウンテンを乗り終わり、出口近くの場所も、ふと見るとこんなストーブが。

ダルマストーブってヤツですね。

薪や石炭を燃やすストーブですが、注目すべきは上のタンク部分。

そこから横引に煙突のような物が出ていますが、おそらくこれは排煙用では無いですね。

これもまた、蒸気機関を動かすためのボイラーのようです。









最も見ごたえのあるウエスタンランドを移動し、今度は「ホーンテッドマンション」へ。



このアトラクションは、何と言ってもこのゴシック様式のマンションが主役ですね!

レンガ作りの重厚な建物がカッコいい!








もちろん、実際に建物になっている訳では無く、外から見える部分だけ作られており、実物より小さく作る事で遠近感に錯覚を生み出しているのですが、そのバランス感覚が絶妙です。

特にこうして写真で見ると、本当に巨大な建築物があるように思えます。









ホーンテッドマンションの不気味さを盛り上げるため、周囲に植えられている樹木も考えられています。

この「カイヅカイブキ(貝塚息吹)」という木は、幹や枝がねじれ上がって成長するのが特徴の木です。

もっと言うと、周囲の壁などの高低差も活かし、日陰を多く作り、さらにこうした見た目にも不気味さを感じるような樹木にしていたり、と演出が非常に考えられています。







樹木でさらに気になったポイント。

幹から直接、にょろにょろと葉が生えています。

こんな樹木、見た事ありません。

よく見ると、木の幹にエアプランツを埋め込んであるんです。

これはナイスアイデア!!








樹木系では、こちらもビックリしたポイント。

琵琶の木です。

まだ熟していませんが、ちゃんと果実が出来ています。

ディズニーランド内、しかもアトラクション付近でゲストの手が届く範囲で、こうした果実のなる樹木を植えていたことにビックリしました。

・・・さすがに熟しちゃう前には収穫しちゃうんだろうなぁ。

ゲストが勝手に琵琶の実を食べて、万が一にも腹痛になったりしたら大変ですからね。










こちらも外側の待機列の場所に、さりげなく出てくる水場の彫刻。

壁のひび割れ部分や、過去に流れ出ていたであろう水の跡、そしてそこから錆びが出ている事で、彫刻の悪魔の口から血を流しているかのような表現。

こういうのはジオラマなどの情景を作る際、ドラマを感じさせるポイントとして参考になります。










この養蜂箱は割と見ていた人も多いですね。

内部にはスピーカーが仕込まれており、ブンブンと蜂の羽音が聞こえるようになっています。

上に置かれているのは燻煙器と呼ばれるもので、煙を吐き出す事でミツバチを傷つけずに追いやるための道具です。

これは今現在でも売られている物と、ほぼ形が変わっていません。

ホーンテッドマンションの時代背景は19世紀ごろのはずなので、これも100年以上経っても大きく形を変えないロングセラーという事ですね。

養蜂は個人的に非常に興味があるのですが、なかなか住宅地だと始めるのが難しいですね。











さて、さらに移動して、今度は「プーさんのハニーハント」

ハニーハントといえば、アトラクション建物全体を絵本に見立てていて、ページを模した壁の印象が強いです。





しかし、入り口近くに行くと、突然にこのようなディスプレイが。

外からアトラクション内部に移動する、一瞬暗くなる空間にあるので、足を停めて見る人もほとんどいません。

こちらに見えているのは、手作りの木工玩具類。

玩具の持ち主?とも思いましたが、机の上には工作道具やペンキがあるので、これは玩具を作っている人の机ですね。









その脇には、果実などの食料と、本などがあります。

ガラスドームで植物を育てているので、この果実も食用ではなく栽培や研究のための物なのかもしれません。






ここは、プーさんの原作者であるA・A・ミルンの部屋をイメージしているのか・・・

はたまた、その息子、クリストファー・ロビンの成長後の部屋なのか・・・

いろいろと想像すると楽しいですね。

もちろん、各小物のアンティークなデザイン、色使いなども、模型作り等の参考になります。









他にもあちこちで写真も撮ったのですが、ボリュームもありすぎるし、細かいアトラクション場所も覚えていないので、ダラダラと。

特に、あちこちにあるスーベニアショップは、その展示品、ディスプレイが凝っていて、非常に楽しめます。







お菓子や文房具が売られている、いかにもなお土産物屋でも、ふと見ると柱に暖炉が作られており、上にこんなディスプレイが。

燭台や水差しなど、これも19世紀ころを思わせるアンティーク感。

またね、こう、置き方というか、空間の取り方も絶妙なんですよね。








その暖炉の脇に目をやると、シュポシュポと空気を送り込むためのフイゴ。

さらに後ろ側の長い柄の物体は、暖炉での調理器具ですね。

いわば、ホットサンドメーカーみたいなものです。

表面から想像できる材質は銅製っぽいので、ホットケーキのような物を焼くんでしょうね。











別な店舗では、アフリカン・ポジーポットが飾られていました。

蜂蜜のような黄色い液体の造形物が付けられていますが、アフリカではメジャーな鋳鉄鍋です。


この鍋、実はBBQ用に買おうか本気で悩んでいた時期がありまして・・・

ただ、実物なんて置いている店なんか無いし、ネットで買おうとしても、輸送費がバカ高くて・・・

正直、アフリカで庶民が使っているような大鍋なので、元の値段は驚くほど安いんですよ。

でも、鋳鉄ですから重量が半端ない。

もちろん、ダッチオーブンと同じで、その重量と鋳鉄という素材だからこそ、料理を美味しくしてくれる。


結局、購入は諦め、市販の鍋を焚き火用に改造して今は使っています。


でも、いまだにこのアフリカン・ポジーポッドとスペインのオジャ鍋は欲しいと思っています。











他にも、アウトドア・BBQ好きなら「それ、どこで買えるんですか!!??」と聞きたくなる気になる調理器具類があちこちにディスプレイされています。

手前の銅製のデカいケトル、めちゃめちゃ欲しい・・・

でも、グランマーコッパーケトルも良いお値段するので、もし本当に売っていても手が出ないかも知れませんが。

その横の背の高いアルミらしいケトルも気になります。

形的にはコーヒードリップ用のケトルに見えますが、この背の高さとか、もしかしたらパーコレーターなのかな?とか、いろいろ想像してしまいます。

たぶん、ディズニーには、こうしたディスプレイ用品を買付する係というのが居ると思うんですが、めちゃめちゃいいセンスしてますね!・・・当たり前だけど。








こちらはショップのレジスター。

その後ろ側の壁に、やはり凝ったディスプレイがありました。

これ、木工の玩具屋なんですね。

奥の壁には、銑(せん)と呼ばれる刃物や、西洋カンナが掛けられています。

その隣、一番奥の棚には、乗用の木馬、小さな木馬、その下にはケン玉。

続いて、コマ、積み木、操り人形などなど、木工での玩具が並びます。

手前側の棚には、細かい工作用の工具類と、塗装用の刷毛類が並んでいます。


ちなみに、こんな凝ったディスプレイでおもちゃ屋さんを表現しているのに、この店舗で売られている物の中には木工玩具はありません。


なんか、昔は各アトラクション近くのショップには、そのテーマに沿ったお土産品が売られていた記憶なのですが、最近はもう、どのショップに入っても、同じようなお菓子や文房具ばかりで、購入意欲をそそられる物が無いです。

カリブの海賊近くとウエスタンランドには、まだそうしたショップが残っていましたが、取扱商品の種類は激減していますね・・・












こちらは、シンデレラ城内部のシャンデリア。

電灯ではなく、ロウソクで明かりを取っていた時代をちゃんと表しています。

まあ、肝心のロウソクは電飾ですが・・・











全体的に、新しく出来たアトラクションは、ディスプレイなどもあまり凝っておらず、個人的なマニアック目線で見るべきものが少ないですね。

古いアトラクションは、その敷地をぜいたくに使い、1時間以上の行列を作っていてもゲストが飽きないように様々な工夫がされています。

個人的にはアドベンチャーランド、ウエスタンランド、クリッターカントリーあたりが凝っていて好きなのですが、まあ、その辺は個々の趣味もありますので。

しかし、逆にトゥモローランドは、大好きなスター・ウォーズをはじめ、おもちゃ好きならグッとくるトイストーリーやベイマックスなどのアトラクションがある割に、ディスプレイや造形物はさっぱりしています・・・

20年くらい前には、あのエリアでトミーのゾイドを売っていたみたいですね。

しかも海外版もあったという情報を最近知りました。


また、毎回ディズニーランドに行くたびに、限定トミカを買っていたのですが、今回はそれも良いのが無くて断念・・・

スターツアーズのスピーダーとか、本当に売ってるの?っていうレベルで見かけたことがありません・・・

せめてスターウォーズグッズの店は復活させて欲しいです!!





という事で、ディズニーランドも細かい部分の職人的なコダワリを感じてみると、より一層面白いのではないでしょうか?

私のような偏屈なオッサンでも興奮させる、絶妙なポイントが沢山あります。

やっぱり、ディズニーランドはすごいですね!!























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