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フィギュア、トイ、サブカルチャー
面白いと思った物をいろいろと取り上げています。

塩漬け豚肉 自作のススメ その2

2023-11-21 18:41:20 | 焚火 アウトドア








キャンプにはほぼ行かず、主に庭でアウトドアを楽しむという変わった趣味の自分ですが・・・

このブログでも何度か記事にしていますが、主なアウトドア活動はBBQになります。

野外で焚き火で豪快に塊肉を焼いています。


しかし、最近はBBQすら開催出来ない状態になっていまして・・・


ますます自宅でのインドアなアウトドア(?)に特化しているのですが、ここ半年くらい、ずっとハマっているのが「塩漬け豚肉」。


まあ、分かりやすく言えば「ハム・ベーコン」ですね。

本格的に時間を掛けてやろうと思えばとことん拘れるのですが、個人趣味のレベルでも簡単に作ることが出来ます。



で、以前も記事にしましたが、その後、いろいろとやってみたレポートです。






こちらは豚肩ロースでハムを作った時の写真です。

塩漬けのレシピは基本どれも同じで、肉の重量に対して3%の塩と、1.5%の砂糖を肉に擦り込み、冷蔵庫で3日ほど寝かせます。

1日ごとにひっくり返して、まんべんなく塩漬け出来たら、燻す前に3時間~8時間くらい水にさらして塩抜きします。









燻製は、進誠産業のホームスモーカー「くんちゃん」で行います。

本当は、塩漬け→塩抜き→乾燥→燻製となるのですが、自分の場合は面倒なので水分が残ったままでも燻製器に入れてしまいます。

チップやスモークウッドを投入する前に、薪の熾火や木炭の熱で1~2時間ほど乾燥させ、そのままスモークしてしまいます。








いわゆる温燻と呼ばれる30℃~80℃を目安にしていますが、熱源が安定しないため、冷え込みの厳しい日には冷燻15℃~30℃になる場合もあります。

逆に、燃料追加時など大きく炎が上がるような場合は、熱源から食材までの距離を長くしたり、場合によっては火が落ち着くまでいったん食材を降ろしてしまいます。

この写真で、だいたい燻製開始から6時間くらいですね。








こちらでおよそ10時間燻しています。

味の面では、こんなに長時間も燻す必要はないのですが、どちらからと言えば低温調理として長時間燻しています。

まあ、アメリカンBBQだって「ロー&スモーク」で8時間調理とかですからね。







煙の味がキツイ場合、特に口に入れてみてピリっとした酸味など感じる場合は、しばらく風に晒して煙味を飛ばします。

自分はスモーク臭いのが好きなので、割と出来上がったらすぐ食べますけど。

なんならスモークの際にピートも入れて燻しますからね。







出来上がりすぐの断面です。

きちんと内部まで火が通っているのが良く分かります。

とにかく、豚肉ですからキチンと火が通って安全に食べられるか?が重要です。

もちろん、火が通っている事以外にも、雑菌繁殖、食中毒菌発生が無いように気を付けます。

いくら塩漬けも燻製も保存食手法とはいえ、油断は禁物です。








10時間以上の燻しとなるので、自分は夜間にやる事が多いです。

焚き火気分でのんびりとやります。

明け方、火が消えかけてきたときには薪を追加し、再び熾火をたっぷり作ります。

この時の熱はもちろん無駄にせず、モーニングコーヒーに使います。








豚肩ロースは、いわゆる「ロースハム」になるので、今度はベーコンにチャレンジです。




用意するのは「豚バラ肉」。

肩ロースもそうですが、高級な部位でなくても楽しめることろも良いですね。

この時は人に差し上げる分も作ったので、1.5キロほど仕込みました。








もう、網の上がギチギチになっていますね。

最初は網を二段にして熱を入れながら燻すのですが、やはり段の上と下では温度差が出るため、様子を見ながら肉の入れ替えを行います。

そのうち、水分が抜けて肉が収縮してくるので、1段に並べられる大きさになったら、味ムラを防ぐため1段だけで燻します。











この時の追加燃料のお楽しみは朝食のインスタントラーメン。

インスタントラーメンは韓国の物が割と好きです。







追加の薪を入れ、その熾火に桜の薪を乗せて燻します。

この時も10時間くらい燻したと思います。








ベーコンは、そのままスライスして食べても美味いですが、やはり料理に使うと抜群です。

パスタ具材が一番お手軽だと思いますが、この時はトーストにオニオンスライスを乗せ、薄切りしたベーコンをガストーチで炙って脂を焦がしたものを乗せて食べました。

シンプルながらベーコンのうま味がダイレクトに感じられて、非常に良かったです。










お肉は塩漬けに時間がかかるから、手軽には出来ないなぁと躊躇する方には、魚の干物がおすすめ。

スーパーなどで売られている干物は、塩漬けと乾燥が既にされているので、そのまま燻製に掛ける事が出来ます。

写真の物は、骨抜きサバの一夜干し。








これも深い燻味にしたかったので、低温で6時間くらい燻したんですが、これはちょっと失敗でした。

干物は熱燻と呼ばれる80℃以上の温度で焼きながら燻した方が良かったです・・・

ちょっと脂が強すぎました。






こちらのサバ燻製も、身をほぐしてサンドイッチの具材に。

サバは白米にもよく合いますが、パンにも合うんですよね。

一度、トルコの本場のサバサンドを食べてみたいです。



基本的にBBQでも肉料理ばかり作りますが、サバ燻製は是非極めたい一品。

今回のような干物を焼いた状態や、しめ鯖のような半生の燻製、もっと硬いカラカラに乾いた燻製など、バリエーションも豊富です。

いや、どれも極めるには難しいんですけどね。


今から30年近く前に、知人に食べさせて貰ったサバの燻製が今でも忘れられません。

たしか、当時練馬区の桜台にある居酒屋さんのお土産メニューだったという事でしたが、その当時すら店主が高齢のため、めったに作らない品だ、と言われ、その貴重なサバ燻製を少しだけ頂いたのですが、そのウマさたるや!!

うーん、見た目はサバ味噌缶みたいに、サバが輪切り状態で調理されてたんですよねぇ。

深い燻製の味がするのに、それこそ水煮か何かのように骨までホロホロになっていたのが不思議です。

あれが再現出来たらなぁ・・・









いや、そんな夢幻を求めても仕方ありません。

引き続き、肉修行です!!




こちらは豚モモ肉。

ハムとしてはメジャーな部位ですね。

このお肉は、埼玉県民ならみんな大好きサイボクハムが育てたオリジナルブランド豚「サイボクゴールデンポーク」、略して「SGP」のモモ肉です。







そして、もう1種。

牛バラ肉です。

牛肉燻製は、実は以前にも試したのですが、その時は味がイマイチだったのでリベンジで燻してみました。







これで燻し始めから3~4時間くらいの状態だと思います。

この時は、夜の冷え込みが厳しくて、煙の温度が20℃以下になっていたため、肉の内部にまでなかなか熱が入らず温度調整に苦労しました。

高温過ぎればただの叉焼になってしまうし、低いと食中毒の原因になるので、慎重に調整します。









トータル10時間程度燻して、ようやく完成。

先程の写真より、全体的に肉の水分が失われているのが分かるでしょうか?









モモ肉燻製のカット写真。

しっかり中まで加熱出来ました。

いや、ちょっと怖くて最後の1時間くらいは120℃近い温度にしてたからかも知れませんが。


ご覧のように脂身の少ない部位なので、噛めば噛むほど赤身のうま味が出てきます。








そしてこちらが牛バラ肉。

牛肉は、豚ほどには内部まで焼けているか?を気にする必要はありませんが、やはり長時間野外で調理する物なので、火が通っていた方が安心です。


ただ、見ての通り脂肪の層が厚いのですが、ここがしっかりと溶けだしていなかったので、若干食べにくかったです。

これは更なるリベンジが必要ですね。

もう少し高い温度、60℃~80℃で、脂を溶かし筋も柔らかくし、そのうえで燻製するのが良いのかも・・・?






ハム・ベーコンはもちろん、サバや牛肉など、まだまだ課題は山積みなんですが、とりあえず毎回美味しくは出来ています。

最近はすっかり冷え込んできたので、そろそろ牛肉に関してはビーフジャーキーにしようかなぁとも考えていますが。


まだ暫くはハムベーコン作りに励みそうです。

あとは鶏胸肉かササミの塩漬け燻製も良さそうだなぁ!























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進誠産業 株式会社 ホームスモーカー くんちゃん

2023-10-26 11:36:24 | 焚火 アウトドア






アウトドアブームも、一時の急激な新規参画増加は落ち着いたように見えますが、まだまだ人気は高い水準を維持しています。

昔はガスや液体燃料での調理器具など無かったので、かまどや薪焚きで調理するのが普通でしたが、昨今のキャンプでは「焚き火をする事」が一つの目的になっているのも特徴ではないかと思います。

80年代に自分が子供の時、学校行事で行ったキャンプではカマドを使い、焚き火でカレー作りと飯盒炊爨を行いました。

その後、90年代くらいにはバーナーやコンロでの調理に流行が移って来ました。

2000年代くらいでも、2バーナーコンロはキャンプアイテムとして定番で人気があった記憶があります。


そして、時代は巡り、令和の現在。

ソロキャンプやブッシュクラフトが人気となり、調理熱源を焚き火に頼る人も増え始めました。


そんな中、自分のアウトドア、BBQ、焚き火料理で絶対に欠かす事の出来ない道具があります。

それが今回紹介する、進誠産業株式会社のホームスモーカー「くんちゃん」です。



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ホームスモーカー くんちゃんII 進誠産業 FS-55
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いわゆる燻製器なのですが、10年以上使い込んでボロボロになって来たので、新しい物を購入しました。

見れば分かると思いますが、右側が10年以上使った状態で、左が今回購入した新品です。











本来はスモークウッドなどを利用した「温燻(おんくん)」や、スモークサーモンなどの「冷燻(れいくん)」での使用を想定された商品なのですが、自分はこの燻製器の中に手製の焚き火台を突っ込んで使っています。









このパスタ鍋改造の手製の焚き火台が、ちょうど燻製器に入る大きさだったんですよ。








こうすると、内部の温度は最大で300℃くらいまで上がります。

メーカー側としては100℃を超えるような使い方は想定していないハズなので、完全に自己責任での使用方法ですね。









このスタイルで使っている理由はシンプルで、とにかく食材が美味しく手軽に焼けるから。

お肉を焼く時も、いわゆる「遠火の強火」がカンタンに出来るうえ、鉄板で囲われた中なのでオーブン効果が発生し、食品全体から熱が入っていくようになります。








本場アメリカでのBBQは「ロー&スモーク」と呼ばれる製法で、低温調理と燻製を同時にこなす調理法です。

しかし、焼き始めてから完成まで8時間とかも当たり前で、なかなか日本での住宅事情、生活リズムでの実行は難しいです。

その点、この燻製器オーブンでの調理方法なら、時間を短縮しつつ低温調理に近い状態で食材を焼く事が出来ます。

まあ、それでも牛肉でも1時間近く、豚肉なら2~3時間じっくり焼く必要がありますが・・・








また、焚き火スクリーンとしての風よけ効果ももちろんあるので、焼き物だけでなく、風の強い日の湯沸かしなどでもくんちゃんが活躍します。


思い付きで始めた調理方法でしたが、一度やってみるととにかく便利で、手放せなくなりました。

このブログでもNERFイベントの一環としてBBQの様子を記事にしていますが、すべてのBBQイベントでも、このくんちゃんを持ち込んでお肉を焼いています。








こちらの写真は、さらに変則的な使い方。

くんちゃん付属の網を使い、焚き火台の下にホイルで覆ったスキレットを差し入れています。

これはアメリカ料理のピーチコブラーを焼いている所です。

オーブンという言葉は、日本語表記に直すと「天火」と表現されます。

これなんかはまさに「天(上)からの火」で調理をしている訳です。











もちろん、焚き火料理だけでなく、ちゃんと燻製器としても使っています。

ご覧のように我が家は住宅地なので、裏手が空き地で煙の抜けが良いとはいえ、近所迷惑にならないよう、早朝や深夜に燻すことが多いです。








こちらは以前にも記事にした「ビーフジャーキー作り」の様子。

手製の竹串に牛モモ肉を刺してぶら下げ、スモークしています。







こっちは手製のベーコン

塩豚作りと同じく、肉重量の3%の塩と、その半分の量の砂糖で3日間漬け込み、10時間燻製を掛けています。

熱源には成形備長炭(オガ炭)を使い、庫内の温度が60℃~80℃になるように調整。

燻製材も、チップや圧縮ウッドではなく、桜の薪を炭の上に投入し、燻しています。








この簡易ベーコンはそのまま食べても美味いし、パスタに入れても激うまでした。

最近は豚肩ロースが安売りしていれば簡易ハム、豚バラ肉が安売りしていると簡易ベーコン、と繰り返し作っています。





そんなわけで、この「くんちゃん」が無いと、もう生活に困るレベルで使っています。

毎日飲むコーヒーの豆焙煎も、くんちゃんのオーブン効果で焙煎していますしね。



長年の過酷な直火と、雨風の影響で腐食の進んだ「くんちゃん」。

もう流石に買い替えだなぁと思っていたのですが・・・


実は普通に買うと、電熱器やらオプションパーツやら、いろんなのが付いてきちゃうんですよ。

欲しいのは本体だけなので、思い切って進誠産業(株)様にメールしてみたら・・・

「バラ売りは対応していないけど、イベント展示品での開封品があるから、それでよければ」と、まさかのお返事を頂きました。

この「くんちゃん」、材質は塗装済みの鋼板で出来ているのですが、最近モデルチェンジして新しい物はステンレス板製になっています。

名前も「くんちゃんⅡ」になっているんですよね。

当然、ステンレス製の方が耐熱性能は上がっているはずなので、最初はそちらを希望したのですが、進誠産業様にも在庫が無く、メーカーの次回生産も未定との事でした。

しかし、鋼板製でも10年近く使えた訳ですから、今買い替えればまた10年以上は使えるだろうと思い、鋼板製を譲っていただきました。





いやー、我ながらよくここまで酷使したなぁ。

今回、新しい「くんちゃん」を譲っていただくにあたり、埼玉県越生町にある進誠産業(株)様へ伺ったのですが、その際に営業担当の方にも見て頂きましたが・・・

「こういう使い方は想定していないなぁ」と、ちょっと呆れられていましたw









特に腐食がヤバかったのが、この上下の箱を組み合わせるためのジョイント部分。

そもそも、ホームスモーカーももっとデカくて使い勝手の良い物もたくさんあるんですよ。

進誠産業(株)様の製品でも、「ビーバー」という大型モデルもあるのですが、この「くんちゃん」の分割式は、野外でのBBQなどで持ち出すときに便利なんですよね。

この携帯性はとても重要な要素です。

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ホームスモーカービーバー 【業務用】【送料無料】価格:32,043円(税込、送料無料) (2023/10/24時点)











ついでに、焼き網も新しい物を譲って頂きました。

これはちょっと大事に使わねば・・・



さて、進誠産業(株)様にお伺いし、お話を伺ったところ、いろいろと貴重なお話を伺う事が出来ました。

進誠産業(株)様で取り扱っている金属製のホームスモーカーは、新潟県の燕三条で作られているとの事。

どおりで品質が良いはずですね!

また、昨今のアウトドアブームで、売れてるんじゃないの?というツッコんだ質問にもご回答いただきました。

コロナ禍での外出自粛からのアウトドアブームで、一時は割と売れたそうですが、今はもうその盛り上がりも終わってしまったそうです。

「ホームスモーカー」とは謳っていますが、なかなか個人需要で買う方は少なく、わりとレストランなどの業務用で使われる事も多いのだとか。

で、進誠産業(株)様は燻製器具以外に燻製材であるチップやウッドも販売していますが、業務用の売り上げが好調なのだとか。

「自分で作ろうという人は減っているかも知れないが、皆さんに燻製がおいしいというのは浸透して、燻製食品を買って召し上がっているみたいですね」との事。

まあ、確かにマンション暮らしの方ではなかなか自宅で燻製は作れないし、昨今の混雑したキャンプ場でも燻煙をモクモク出すのは迷惑になりますからね・・・

しかし、やはりみんなもっと焚き火料理とか燻製料理を作るべきだと思いますけどね。


NERF仲間のヒデオさんが「物作りが好きな人や凝り性の人こそ、料理をするべきだと思うんだよね。工作だと、どんどん作品が溜まっちゃうけど、料理なら食べれば消えるし、消えればまた作る口実になるからね」とおっしゃっていましたが、自分も同感です。

あと、これも自分の性格の部分なんですが、「焚き火を楽しむ」と言うのも分かるんですが、発揮される熱=エネルギーが、ただただ空中に逃げていくってもったいなくないですか?

自分は、焚き火の熱を何か生産的なモノに展開できないか?と考えて焚き火料理を始め、より効率よく熱を利用する方法を考え、この「くんちゃん」での簡易オーブン料理に行きつきました。





今までは野外でのBBQでも、くんちゃんをそのまま車に積み込んでいましたが、丁度良いキャリーバッグを発見しました。

ワークマンのパラフィン帆布ラージトート!

使い勝手の良いデカトートで、キャンパーにも人気の品ですが、試してみたらくんちゃんがピッタリ入りました。

進誠産業(株)様もキャリーバックは検討していたとの事でしたが、ただでさえフルセットで2万5千円近い商品なのに、さらにオプションではなかなか消費者も手を出しにくいだろう、と見送ったそうです・・・

また、ホームスモーカーにセットされている電熱器については、コードの強度見直しに伴い、製品を変える可能性があるとの事。

それにより、今後は電熱器セット版と電熱器無し版の2種類での展開になる予定との事でした。

自分のように熱源は焚き火や炭に頼る人間には嬉しいニュースです。



さて、これであと10年は焚き火料理が続けられるぞ!!

来年の「極寒BBQ」はこの新たな「くんちゃん」が活躍すると思います!!























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塩漬け豚肉 自作のススメ

2023-07-27 16:35:32 | 焚火 アウトドア






先日の水鉄砲BBQで、個人的に最も美味しく出来たお肉が「豚の塩漬け」。




これほどシンプルで、大昔からある技法なのに、安価な豚肉がごちそうに代わるし、少ない手間で帰ってくる効果は絶大というお得感で一気にハマり、また自宅で作ってみました。




さて、毎度前置きが長くなりますが・・・

自分がアウトドア趣味を始めてから、大きく影響を受けた方が二人いまして。

そのうちのお一人が、ネイチャークラフト作家の長野修平さん。

今までネットや各メディアで拝見していたのですが、先日、たまたま自宅から行ける範囲でのワークショップを発見し、参加しました。

ワークショップの内容自体は、氏がアンバサダーを務めるモーラナイフを使いバターナイフを作るというワークショップでしたが、ご本人に会えてお話しできた事はもちろん、インスタグラムにも良く載せている焚き火ベーコンについても教えてもらえたのがとても感動しました。


自分の独学で試した焚き火ベーコンは、冬のBBQで失敗していたので、長野修平さんのレシピ、工程を聞いて感銘を受けました。

そうした過去の反省と、新たに得た知識で試したのが前回の塩豚でした。













そこで、前回の成功の感覚を失わないうちに、再度作ってみようと思い、チャレンジ。

前回と同じように、肉の重量の3%の塩で3日間漬けこもうと思い、週末の燻製に向け平日の仕事終わりに近所のスーパーに行くと・・・

タイミングが悪かったのか、豚バラブロックが売っていない・・・

しかし、代わりに肩ロースブロックが特売されていたので「ならショルダーベーコンだな!」とそちらを購入。


全体をフォークで差して、塩、砂糖、香辛料色々で漬け込むのは前回と同じ。

さらに今回は水につけ、2時間程度の塩抜きもしてみました。










燻製の熱源は、もちろん焚き火!!

・・・なのですが、流石に何時間も燃えさせることは難しいです。

更に言えば、自分が使っている焚き火台は、そもそも二次燃焼で煙を少なくする「ウッドガスストーブ式」なのです。

燻製には向いていないです。


そこで、オガ備長炭を使い、熱源は炭火、その上に薪を置き強制的に煙を出す方法にしてみました。











この方法、前回の記事で「DCMのプライベートブランドのオガ備長炭は火力が低くて使いにくい!」と書いたんですが、今回の燻製には非常に適していました。

高温燃焼している炭に、薪を乗せて煙を上げていると、しばらくすると薪が燃えて炎が立ってしまいます。

薪が燃えてしまうと、温度が上昇しすぎて豚肉も「叉焼」になってしまいます。

おまけに、炎が上がるという事は、煙が少なくなるという事なので、燻製効果も減少します。


なので、燃焼温度が低いこのオガ備長炭は、薪の炎上防止にも適していたという、「無駄にならなくてよかった」な効果を生んでくれました。








燻製している場所は自宅の庭ですが、さすがにこれだけの量の煙を出すと、いくら風通りが良い場所とはいえ近所迷惑になってしまいます。

なので、燻し始めたのは深夜0時過ぎ。

そこから、ちょっと仮眠を取りつつ、明け方まで燻製を続けました。

なるべく低温で燻したかったので、気温の上がらない夜中にやるのは温度管理面でもメリットがありましたね。











朝6時ころに様子をチェック。

やはり、全体的に理想の状態よりは熱が入りすぎています。

冷燻できる環境があればいいのでしょうけど、自分の環境ではどうしても温燻になってしまいます。

まあ、今の異常気象とも言える猛暑続きを考えると、安全面でもこのくらい火が入っていた方が良いんでしょうね。


肉の加熱に関するガイドラインは、厚生労働省や食品安全委員会のHPが参考になります。

豚肉の場合、基本は「肉の中心部分温度が63℃以上で30分以上の加熱」とされており、同程度の加熱目安として75℃1分間以上でも良しとされています。

より生に近い状態で塩豚を仕上げるなら、食べる際に加熱する必要があります。

今回は中心部分まで火が通ってしまったので、ベーコンよりはハムに近い仕上がりです。








そこから炭を追加し、薪も足してもう一段、燻製を掛けます。

最終的に、お昼前に薪が燃え尽きたので、そこで仕上げとしました。

トータルの燻製時間としては10時間くらい。

低温でじっくりと火が通ったので、アメリカンBBQの「ロー&スロー」に近い仕上がりです。

ただ、燻製がメインのため、表面の保湿がされていないのが大きな違いですね。









さっそくスライスしてみました。

今回も、まだ塩抜きが足りなかったかも知れません。

塩辛さを感じます。

しかし、低温調理と燻製により、食感と香りは前回を上回る美味しさ!

なんというか、ベーコンよりは、やはりハムとかサラミに近い味と食感に仕上がりました。


手間はそこまで掛からないのに、漬け込む調味料の分量や、燻製の温度、時間で大きく味が変化するのが面白いですね。

安定して同じ味に仕上げるには、相当な修練が必要になると思います。


以前にブログ記事に挙げたビーフジャーキーと合わせ、食肉加工は冬のビーフジャーキーと夏のベーコン作りでしばらく楽しめそうです!!























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アウトドア番外編 クラフトコーラのお酒を漬けてみた

2023-06-26 19:24:50 | 焚火 アウトドア



この時期、地域差もあると思うのですが、梅の実が収穫される季節になると近所のスーパーにはどこも「果実酒コーナー」が出来ます。

広口瓶や氷砂糖、ホワイトリカーの紙パックなんかが並び「自宅で梅酒作りませんか?」と通り過ぎる方たちにアピールしています。


自分は普段はあまりお酒は飲まないので、毎年ただ眺めては通り過ぎるだけのコーナーだったんですが・・・

料理も含め、いろいろな「ものづくり」を趣味にしてから、なんとなく気になり始めまして・・・

自分でお酒を造ってみるというのは、面白そうな半面、酒税法などの規制もあるので、ある程度下調べが必要です。


昔は自宅でビールを作るキットとかも流行ったなあ、と思い、調べてみると今でもちゃんと売られていました。


しかし、酒税法上、アルコールは1%未満でしか作れないですし、作るにも割と場所もお金もそれなりに掛かる事が分かり、一旦は諦めました。


やはり家庭で気軽に作れる、となると果実酒が現実的・・・でも、普通に梅を漬けるだけじゃ面白くない・・・






そこで、これまたここ数年で話題になっている「クラフトコーラ」をお酒で作ってみる事にしました。

コカ・コーラ、ペプシなどの既製品のコーラではなく、スパイスや甘味料の組み合わせで自作するコーラ「クラフトコーラ」ですが、普通は煮詰めてシロップを作り、それを炭酸で割って飲むのが主流です。

しかし、気になって調べてみると、それをお酒にしている商品もありました。


それなら、果実酒と同じように自分で漬け込んだら「コーラ酒」を作れるんじゃないか?と思ったわけです。


で、上の写真は買い集めた材料。

これらを使ってクラフトコーラ酒を作っていきます。









始めて作るお酒なので、いきなり沢山の量はちょっと不安があります。

しかし、スーパーで見かける広口瓶は5リットルサイズ、ホワイトリカーも1.8リットル容量が多く、少量だけ作るには、ちょっと量が多すぎます・・・

オマケに瓶はダイソーで買っても550円しますし、普通に買うと1000円前後。

さらにホワイトリカー1.8リットルで1300円程度と、それなりに初期費用が掛かります。

お試しで作るのにあまり費用はかけたくないなぁと思っていたら、たまたま店頭で見つけたこちらの商品。


宝酒造から発売されている「ホワイトタカラ 果実酒の季節」という商品で、見ての通り、最初から広口瓶にホワイトリカーが入っており、後は自分で果実と砂糖を入れるだけ、という初心者には非常に優しい商品です。

オマケに入っているお酒の量は900ml!

お試しで作るのにも丁度良いサイズです。










あと、何気に便利なポイントが、この内蓋。

引き出し式の注ぎ口が付いています。

完成した後、わざわざ大きな蓋を開けなくても、これを使うとうまく中身が注げます。

また、漬ける物によってはお酒に入れると「ガス」が出る場合があります。

このガスを抜くのにも、この注ぎ口があれば便利ですね。









さて、クラフトコーラの材料ですが、調べると様々なレシピが出てきます。

そりゃ、作る人ごとの味の違いを楽しむのがクラフトコーラなんだから当たり前ですね。

ただ、「コーラらしさ」として味の基本となるのは「シナモン+バニラ+柑橘類」の組み合わせ。

これを外さず、あとはどのスパイスを入れるかは人それぞれの好みになります。

まあ、漫画「Dr.ストーン」ではライムとパクチーという組み合わせもやっていましたが・・・





様々なサイトを参考に自分が用意したスパイスがこちら!

上から時計回りに
・バニラビーンズ
・ナツメグ
・カルダモン
・クローブ
・シナモンスティック

まずはこの5種類のスパイスでチャレンジしてみます。










カルダモンとナツメグはスパイスグラインダーで潰して使います。

特にナツメグは種子なので、非常に硬いので飛び散らせたり、ケガなどしないように気を付けなければいけません。

ちなみに、このスパイスグラインダーも自作の品です。









シナモンはスティックのまま漬け込みますが、より味が染み出しやすいように手でボキボキと折ります。









バニラビーンズは、基本的な使い方としては半分に切れ目を入れ、サヤの中の種子を取り出すのですが・・・

クラフトコーラ作りでは、サヤもタネも入れる事が多いみたいなので、これもエキスが出やすいように切れ目だけ入れてカットします。


しかし、バニラビーンズって生まれて初めて買いましたが、想像以上に高いんですね・・・

本当は900mlに5本使いたかったんですが、とてもそこまで入れられないので2本だけです。









クローブはそのまま使うので、これで使うスパイスの準備は完了です。

まだ柑橘系と合わせていませんが、カルダモンがさわやかな柑橘系の匂いなので、もうこの時点でコーラ風の香りが漂います。









これをホワイトリカーに投入します。

スパイスを漬け込むお酒というのは世の中に結構ありますが、どれだけの期間を漬け込むべきなのかよく分かりません。









次に、果実酒作りの基本である砂糖を投入します。

これも定番は氷砂糖を使うのですが、コーラとして考えると本来はカラメルを使うのが正しいハズ。

ちなみにDr.ストーンのコーラは蜂蜜を炙ったカラメルを使っていましたね。


しかし、実際に砂糖を焦がして作るカラメルでは、お酒に長時間入れても苦味が強調されそうな気がします・・・

そこで、黒砂糖を使う事にしました。

これなら普通の砂糖よりコクや深みも期待できますし、色もよりコーラらしくなるのではないかと期待しています。










そして、最後はレモン3個。

果実酒として割とレモン酒はポピュラーみたいで、参考になるレシピ、サイトもいろいろありました。

が、

レモンの皮は「苦味が出るから入れないor風味のために入れる」という反対の意見が見受けられ・・・


悩みましたが、皮ごと入れる事にしました。

まあ、気休め程度に、ヘタは切り取ってあります。










これで全ての材料を投入しました。

ちなみに瓶の容量に余裕があったので、家に有った泡盛を100㏄継ぎ足しています。


あとは熟成(正確には浸透?)させて完成!

砂糖が全て溶けきる頃が飲み頃とされていますが、黒砂糖なので溶けるのは早いはず。


さて、どんな味に仕上がる事か・・・








こちら、漬け込んでから2週間が経過しました。

当初、1か月ほど漬ける予定でしたが、知人のシェフより「スパイス類はアルコールやオイルなどでは香りが出やすく、あまり長く漬けると苦味が出てくる。10日程度でちょうど良い」とアドバイスを頂きました。

なるほど、確かに蓋を開けてみると部屋中にコーラの香りが!

いや、正確にはコーラそのものより、コーラ味のグミに近い香りがします。










瓶の底の方には、まだ溶けきっていない黒砂糖が残っています。









充分に味が出ていたので、ここで中身を全て取り出します。

鍋に瓶の中身を全て取り出し、液体だけをボトルに戻します。

溶けていない砂糖の量は、瓶の外側からの見た目以上に残っていませんでした。








取り出したレモン&スパイスの「出涸らし」を使って、ノンアルコールのクラフトコーラシロップを作ってみます。

お酒から取り出したレモン&スパイスに、お水400㏄と、砂糖を400gを入れ、火にかけます。

三温糖を買ってきましたが、270gだったのでグラニュー糖130gを足しています。










沸騰しすぎないように火加減に注意し、15分程度混ぜながら加熱します。

液体に少しトロミが出てきたら、火から降ろし粗熱を取ります。









あとは濾して細かいスパイス類を取り除けば完成!

とりあえず手軽に濾せる物として、コーヒードリッパー&ペーパーフィルターを使っています。

・・・写真がなぜかボケボケだな。








最初は順調に濾していたんですが、液体の温度が下がると、急に出が悪くなりました。

フィルターを見てみると、スパイスの細かい粉が目詰まりの原因かと思ったんですが、どうやらフィルター全体が温度が下がって飴状になり、穴が塞がれてしまった様子。

しかし、もうドリッパーにシロップ液を注いでしまった後なので、結局、このまま長時間放置して、どうにかシロップを溜めました。










ペーパーフィルターでシロップを濾すだけで、結局日が暮れてしまいました。

この状態で、ノンアルコールのシロップが約500㏄、クラフトコーラ酒が約750㏄(試飲でだいぶ減りました)が出来上がりました。








この「出涸らしスパイスのクラフトコーラシロップ」、ちょっと500㏄は多かったかも・・・

やはり出涸らしだからか味は薄めなので、炭酸で割ってガブガブ飲むのには良いかも知れません。

試飲でシロップ1:お水2の比率で割って飲んでみると・・・なんとなく昔に飲んだ物に似ている・・・

これは・・・

関西の夏の風物詩「ひやしあめ」だ!

ニッキで風味付けした「ひやしあめ」に似た味わいです。









肝心のクラフトコーラ酒ですが・・・

やはり1回目からそんな簡単には出来ないですね。

香りだけ嗅ぐとバッチリでしたが、実際に飲んでみると、どうやらバニラが弱くてシナモンが強かったみたいです。

飲み終わった後味はシナモンが強く感じられます。


また、アルコール度数35度のお酒で漬けているので、実際に飲むときには炭酸類で割って飲むことになります。

が、炭酸を足すと、圧倒的に甘味が足りていません。

そりゃ同じように炭酸で割るシロップは水と砂糖を1:1で作るんですから、比率3:1じゃ砂糖が全然足りないですよね。


という訳で、更に黒糖300gを追加投入しました。

さて、あとはバニラオイルかバニラエッセンスを追加してみて、さらに様子見て・・・

まだまだ納得の完成形には程遠いですね。

という訳で、今のところのレシピです。

【クラフトコーラ酒:FTSオリジナルレシピ】
・ホワイトリカー …900ml
・泡盛 …100ml
・黒砂糖 …300g(追加で更に300gを投入)
・レモン …3個
・バニラビーンズ … 2本(足りないので可能なら5本)
・ナツメグ … 3個(5g)
・カルダモン(粒) … 10個(10g)
・クローブ(粒) … 25個(15g)
・シナモンスティック … 5本(香りが強く出るので3~4本が良い)









ーーーーーー備忘録ーーーーーーー
以下、今回のクラフトコーラ酒を漬けるにあたり、自分の疑問点とそれについて調べて解った事。

Q1.なんで果実酒には35度のホワイトリカーを使っているの?
A1.果実酒を漬ける場合は「アルコール度数が20度以上のお酒を使わなければいけない」と酒税法で決められています。
それ以下の場合、漬け込むものによっては発酵して新たにアルコールが生成される可能性があります。
アルコールが生成される=酒造になるので法律上アウトです。
また、ホワイトリカーには35度より低いものもありますが、度数が高い方がカビや細菌の発生を予防する事が出来ます。
果実酒の場合、漬け込むものから発生する水分で仕上がりは35度より低い度数になります。

Q2.そもそも「ホワイトリカー」ってどういう酒なの?
A2.一言で言えば、ホワイトリカーは「焼酎」です。焼酎には「甲類焼酎」と「乙類焼酎」の2種類あります。
何度も蒸留するのが甲類、単式蒸留というシンプルな方式で作られるのが乙類で、ホワイトリカーは甲類になります。
甲類焼酎はクセの無い味わいが特徴なので、果実などの味や香りを楽しむ果実酒作りに向いています。
ちなみに、酒税法上、甲類焼酎はアルコール度数が36度以下と決められているので、果実酒用のホワイトリカーは35度になっています。

Q3.酒は分かった。じゃあ、大量に入れる砂糖は何のためなの?
A3.腐敗を防ぐためと、浸透圧を利用して果実エキスを出しやすくするためです。
食品類の腐敗とは、雑菌が繁殖する状態です。砂糖や塩分などが極端に高い物は雑菌繁殖がしにくいため、腐りにくくなります。大昔の保存食=塩漬けなのも、この理由です。
ちなみに砂糖も塩もJAS法で賞味期限を表示する必要のない食品に定められています。
また、液体には「中の成分濃度を均一にしようとする」という特性があります。果実酒でいうと、糖分濃度の高いお酒側と、糖分濃度の低い果実があると、濃いお酒がじわじわと果実に入り込みます。果実の中身という同じ空間に糖分が入ってくると、それまでいた果汁が押し出される事になり、お酒側に果実のエキスが染み出していきます。
(個人的解釈:肉や魚に振り塩して、水分を抜く事でうま味をあげるのも浸透圧だから、それと同じことか)

Q4.じゃあ、粉末の砂糖の方が早く溶けるし便利じゃない?なんでみんな氷砂糖使ってんの?
A4.氷砂糖を使い、わざと溶けにくくする=全体の糖分濃度の上昇を緩やかにするためです。糖分濃度が最初から高いお酒に果実を入れると、表面近くの果汁だけが急激に浸透圧で抜かれ、表面が収縮してシワシワになってしまいます。
この状態では、内部の果汁が出るときの「通り道」が塞がれてしまいます。
糖分濃度の上昇をゆっくりにする事で、果実の中までしっかり浸透させる事が出来、果実が皴にならないので見た目の向上にも役立ちます。大量の塩で急激に浸透させる梅干しはシワシワですが、梅酒の中の梅はぷっくりツルツルなのも、氷砂糖でゆっくり浸透させるおかげです。
(個人的解釈:焚き火でも、大きな薪を高火力に突っ込むと、表面だけが先に燃えて炭化するせいで、内部の燃焼ガスが出にくくなって急激に火力が下がる事があるけど、それと一緒か)

※お酒を作るのには法律上の規制があります。
「酒税法」と言われるもので、第五十九条まである法律です。

すべてを確認するには大変な時間を労しますが、こちらの「日本蒸留酒酒造組合」さんのHPが分かりやすく書いてあります。
https://www.shochu.or.jp/kajitsushu/index.html





~~オマケ~~



今回、トータルで掛かった金額は、ちゃんと計算していませんが5000円程度。

普通の果実酒よりも、コーラのためのスパイスが高くつきました・・・

特に、スパイスは粉末状の物を使うのではなく、ホールと呼ばれる元の粒状のものを使うのですが、まず、スーパーなどでは取り扱っている種類が少ないです。

シナモンなんかは割とスティックで売られていますが、それ以外は普通は粉末状の物しか取り扱いされていません。

ネットで買おうかとも思ったのですが、使う量が少量なので、丁度良い量り売りも無く・・・結局、大型のスーパーやオシャレ食材店などを数店舗回り集めました。









ホール状のスパイスを求めてお店を回り、ナツメグのホールがなかなか見つけることが出来ず、たまたま寄った大型イオンスーパーの食材売り場に行くと・・・ナツメグありました!!

喜んで手に取り、ふと目線をあげると・・・

「クラフトコーラメイキングセット」!!

最初から必要なスパイスホールがセットになってる!!

しかもニッチすぎてどこにも売ってなかった「コーラナッツ」も入っている!!
(コーラナッツは名前の通り、コーラの味のスパイスみたいなもので、この実が入っているからコーラという名の飲料になりました。)

という訳で、もしクラフトコーラ酒、もしくはクラフトコーラシロップ作りを気軽にチャレンジしたい方は、こういうセットのスパイス買った方が安上がりですよ!





















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ビーフジャーキー 自作のススメ

2023-03-06 18:30:31 | 焚火 アウトドア
前回の「極寒BBQ」の記事で出した、自作ベーコンの話から・・・





世間的に「男の料理」と言えば、一点集中の豪華主義で、やたらと材料に拘り、ウンチク垂れながら作って・・・完成したら後片付けせず。 
というイメージでは無いでしょうか・・・

そんなこだわりの男の料理、スパイスから作るカレーなんかが定番ですが、他にも年齢と共にそば作りなども手を出す人が多いですね。



で、一定層は燻製にハマり、そこからベーコン、ソーセージ、さらに凝る人は生ハム作りに目覚めたりします。


しかし、こうした肉の加工に手を出すと、材料保存や熟成のための貯蔵スペース、そして器具類などにかかる経済的負担が問題となって来ます。


そこで、お勧めしたいのがビーフジャーキー作り!

特別な器具も材料も必要としないし、冬の時期なら1日~2日で簡単に作る事が出来ます。


手軽な割に「自分で作った感」があり、「自分のこだわり」を詰め込むことが出来ます。

自作のオリジナルビーフジャーキーをつまみに、ハイボールを頂くなんて最高じゃないですか?



また、最近はLARP(Live Action Role Playing)ラープと呼ばれる、リアルにファンタジーRPGを楽しむジャンルが盛り上がっていますが、そんなファンタジー装備の一環に自作の「干し肉」を入れてみるのはいかがでしょうか?

かの有名なRPGの元祖「ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)」には、舞台となるファンタジー世界の料理を現実に再現するためのレシピ本「ヒーローズ・フィースト」という書籍が出ています。

このヒーローズ・フィーストでも冒険者の保存食として「ジャーキー」が取り上げられています。









前置きが長くなりましたが、早速作り方を紹介していきます。

※自作の食品なので、くれぐれも衛生面にはお気を付けを!!

まずは牛モモ肉を用意。

他の部位でもいいのですが、脂が多い部位は乾燥に時間がかかるのでお勧めしません。

写真の量でおよそ600g程度。









このモモ肉を2~3mmの厚さにカットしていきます。

肉の繊維に対して垂直にカットする事で、乾燥して固くなった後でも歯切れのよいジャーキーにする事が出来ます。

生肉がブルブルして切りにくい場合、冷凍庫に数時間入れて、半分凍らせるとキレイにカットできます。
もちろん凍らせすぎると包丁が入らなくなるので注意です。









ここからが「The男の料理」の腕の見せ所!

ジップロックにカットしたもも肉を入れ、味付けをしていきます。

ソミュール液とかピックル液で調べると、基本的な漬け込み液の作り方は出てきますが、どんな味にするかはお好み次第。

自分は牛肉にはお醤油が合うと思っているので、割と和風の漬け込み液を作る事が多いです。

お醤油、味醂、日本酒をベースにする事が多いのですが、今回はお醤油と赤ワインをベースにしました。

そのほか、岩塩、砂糖、スパイス類いろいろを混ぜて味付けしています。

あまり塩分濃度の高い液を作ると、肉が固くなるので、お水で調整します。

とりあえず「こうしなければいけない!」という決まりは無いので、思うがままに味付けすればよいと思います。

唯一の注意点は、お肉全体が浸かる量の調味液を入れてあげる事くらいですね。

自分も試したことが無いのですが、大昔の干し肉の作り方だと塩だけで味付けしたりしてますね。


漬け込みする時間も様々ですが、自分の場合、夜に仕込みして「一晩」です。

ジップロックを冷蔵庫に入れて味が浸み込むのを待ちます。









後は、乾燥と燻製の工程です。

ジップロックから出したお肉を温風にかけて水分を抜いていきます。

写真のように竹串に差してぶら下げると、1枚1枚を広げて並べるより多くのお肉を一気に調理出来ます。

燻製器に引っ掛け、炭火から発せられる温風に2時間ほど晒します。

温度が高すぎるとジャーキーではなく焼肉になってしまうので、目安として60度から80度程度の温風にします。

ドライヤーのような風量のある物なら、もっと低い温度で大丈夫です。








2時間ほどで、表面が乾き水分が抜けてお肉が縮まります。

コショウ味を強くしたい方は、この生乾き状態のときにコショウをまぶしてあげると良いと思います。

自分のは食べるのは娘がメインなので、このまま仕上げていきます。








お次は燻製。

ここも、どんなチップで燻すかで味も変わるので、こだわりの発揮しどころですね。

今回はベタな桜のウッドチャンクで1時間程度燻しました。

温度は先ほどと同じ程度なので、いわゆる「温燻」になります。










燻製まで終わると、程よく水分も抜け、全体的に透明感が出てくるはずです。

ご覧のように竹串をサカサマにしても肉が垂れません。

端っこの方のお肉は、この段階で食べてもしっかり水分が抜けてジャーキーになっています。









最後の仕上げとして、しっかり水分を抜いていきます。

干物用の網籠に肉を並べ、野外で干します。

12月や1月の関東は、湿度が極端に低く冷たい風が吹くので、一晩放置するだけでカラカラになるので、冬は非常に作りやすいです。

夏は気温は高いですが湿度も高いので、野外干しでは腐敗が心配です。

その場合、冷蔵庫の中に干すのがベストです。

・・・肉を吊るすだけの空間を冷蔵庫内に作れるか?という問題はありますが。







今回は気温も温かく湿度もそこそこだったので、一晩放置しても水分が抜けきりませんでした。

写真右奥の方のお肉を見ると分かりやすいですが、お肉の周辺部分は乾燥して色が濃くなっているのに、真ん中あたりは水分が残っていてくすんだ色になっています。

日中は晴天だったので、そのまま直射日光で干しました。









夕方に日が暮れる前に乾燥チェック。

色、固さ、ともに問題ありません。

これで完全に完成です!!


今回は夜に仕込んで一晩味付け⇒翌日に燻製して24時間程度の乾燥なので2日間くらいかかりましたが、実際にはほぼ放置しているだけなので、作業的には半日程度。

割と簡単に作れます。

おそらく賃貸や集合住宅に住んでいる方の最大の壁は「燻製」だと思いますが、燻さなくとも干しさえすればジャーキーにはなります。

この燻製も、味付けの為の「こだわり」の1つに過ぎません。



「肉を切って、味付けし、腐らせないように乾燥させる」

たったこれだけでビーフジャーキーは作れてしまいます。

出来上がったビーフジャーキーは、もちろんそのまま齧ってもいいですし、スープの具材として湯に入れても美味しいです。

季節的にはそろそろ干すのに時間がかかる季節になって来ましたが、それでも土日のお休みで充分に作る事が出来ます。

お試しに作ってみてはいかがでしょうか?
























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極寒BBQを開催しました

2023-02-25 10:36:51 | 焚火 アウトドア






さて、NERFなどのブラスター玩具のイベントで、毎年夏には「水鉄砲BBQ」というイベントを開催しているのですが、不定期で「極寒BBQ」というイベントも行っています。

夏は明確に「水鉄砲で遊ぶ」というテーマがあるのに対し、冬の極寒BBQは、おもちゃ好きNERF好きが集まり、思い思いにおしゃべりしたり食べたり飲んだり・・・というまったり系のイベントです。



コロナの影響もあり、数年振りの開催となった極寒BBQですが、2023年2月11日(土)に開催いたしました。







記憶に残っている方も多いと思いますが、なんと前日は全国的にも大雪の日。

首都圏でも雪が短時間で積もるほどの天候でした。

当日、会場となる府中市の郷土の森公園につくと、多摩川の川沿いは一面の雪景色・・・











前夜に雪から雨に変わり、道路などはほとんど雪が溶けていたのですが、人が立ち入らなかった河原はしっかり雪が残っていたんですね。

ところどころ、雪が溶けている場所もあったので、地面が見えている所に陣地を作り、バーベキューの準備を行いました。








幸いにも当日は非常に好天に恵まれ、朝から遠方に富士山がはっきり見える青空。

この府中市の郷土の森公園バーベキュー場は、比較的都心からも行きやすい場所で、予約など不要なフリーサイト。

会場も無料な上に隣接する駐車場も無料で使えるという、すばらしい環境です。

一方で、ゴミの集積所は無いので全て持ち帰り必須、炭や灰の捨て場も無い、公衆トイレも正直・・・というネガティブな部分もあります。

しかし、お手軽さとロケーションは最高で、何より夜9時まで使えるというのが嬉しいです。









夏の水鉄砲BBQも含め、数回参加頂いた方や、もともとアウトドアに慣れている方の参加も多く、人によってはご覧のように自前でデイキャンプセット一式を持ち込まれる方も。








8時に駐車場オープンと同時に車を止め、ひいひい言いながら荷物を大量に運び、設置をしてようやく火起こし。

この時点で10時近くになっており、徐々に参加者のみなさんが集まって来ました。










今回も、基本的には食事は主催である自分からの提供で、参加頂く方は飲み物のみ持ち込んでいただきました。

作ったメニュー全ての写真は無いのですが、出来る限り紹介していきたいと思います。

まずは合挽500gを鉄フライパンで炒めます。

こちらはタコス&タコスサラダに使う挽肉。

市販のタコスシーズニングスパイスを入れて仕上げます。

ざく切りのレタスに、お菓子のドリトスを荒く砕いたチップス、サルサソースを入れ、こちらの挽肉と仕上げにチーズをたっぷり入れ、混ぜ合わせます。

最初の1品目のタコスサラダの完成です。


サラダには挽肉を半分ほど使い、残り半分は参加者がお持ち頂いたトルティーヤでベーシックなタコスを作り頂きました。









お次は自分が得意な豚肩ロース。

2㎏オーバーの塊を切り分け、塩を振って焚き火でローストします。






じっくり火を入れ、塊を大きく切り分けてご提供。

味付けは、最近個人的にハマっているウスターソースで召し上がって頂きました。

衣の無いトンカツの味なのですが、なんでかトンカツソースよりウスターソースの方が合うんですよね。









この会場は夜9時まで使えるので、いつも以上に時間のかかる料理にも挑戦できます。

木枝のトライポッドに吊るしているのは豚バラ肉。

これも2㎏オーバーだったはず。

前日の夜にスパイスと塩を刷り込み、塩を落とすことなくそのまま焚き火に当て、簡易ベーコン作りにチャレンジ。

一緒にぶら下げているのはコストコで売られている生ソーセージです。


こうしたビジュアル面でのワイルドさは、参加者にも受けが良く「家庭では出来ないバーベキューならではの料理」を楽しんでもらえるポイントになります。

ちなみに結果から言うと、思ったほどには成功しませんでした・・・

敗因(?)は、まず塩の漬け込み時間が短すぎた事。

普通のベーコンは3日~1週間程度、もっと大量の塩に漬け込み、肉自体の水分を抜きながら熟成させます。

今回は一晩だけなので、内部の水分が大量に残ってしまいました。

もう一つの要因が、煙の当て方が不十分だったこと。

焚き火ベーコンはアウトドアでも人気の料理ですが、今回は4、5時間燻しましたが、薪の量が少なかった事と、風で煙が流されてしまい、上手く燻す事が出来ませんでした。

あまり火に近いと、熱で焼けてしまいただのチャーシューになってしまうので、BBQの基本でもある「ロー&スロー(低温で長時間)」で調理したのですが、流石に熱量が少なすぎたようです。


これは次回リベンジせねば!










そのトライポッドに、以前の記事でも書いた大鍋をぶら下げます。

肝心の鍋の中身の写真が無いのですが・・・

今回はもつ鍋にしました。

でも、ただのもつ鍋ではなく、洋風もつ鍋です。

1・大鍋に豚白モツ、豚軟骨など1.5キロを入れ、水3リットル入れてニンニク、ショウガで煮る。
2・野菜ジュース2リットルを入れる。
3・液味噌を1本投入しキャベツ1玉を手でちぎって入れる。
4・牛乳500ml入れる。

最近、汁物をやるとき、ベースとして野菜を炒めて入れる事が多いです。

使う野菜は、玉ねぎ、にんじん、セロリ、ピーマン。

でも、BBQの現場でこれらをみじん切りにして炒めて・・・となると、結構な手間がかかります。

どうせ野菜も煮込んで汁に溶け込ませるなら、最初から溶け込んでいる野菜ジュースを使えば早いのでは?と思いついて作ってみました。

もちろん、使う野菜ジュースは果汁100%(野菜でも果汁でいいのか?)の物です。

で、そもそも何で洋風なのか?ってとこなんですけど、調べてみるとモツ・ホルモンって世界中で食べられてて(当たり前ですが)割とどこも煮込み系なんですよね。

フィリピンのディヌグアン
メキシコのメヌード
スペインのカジョス
ブラジルのフェイジョアーダ

サイゼリヤの「イタリア風もつ煮込み」とかも人気ですよね。

で、トマト味で考え、上記の理由から野菜ジュースを使う事にしましたが・・・

極寒BBQには、様々な食の好みの方がいらっしゃいます。

始めて作るメニューでもあるので、最大公約数的に・・・もっと誰の口にも合うような・・・と考え、味噌を入れました。

で、更に自信のある得意料理「味噌牛乳鍋」のアレンジで考え牛乳も投入!



結果として、大成功だったと思っています!

・・・成功だったよね?

・・・・・・美味しかったよね?










その他にも、シンプルに焼いたお肉を沢山提供しました。

写真の牛肩ロースの塊のほか、イチボも1.5㎏ほど焼いています。

どれも大きな塊で、焚き火でじっくりと焼き上げています。











最近、お肉も高騰していますが、特に牛豚鶏以外のお肉は高くなった気がします。

でも、今回は参加者にラム好きな方もいたので、久しぶりにラムラックを焼きました。

ラムラックは、全体に火が通るように焼くと、細い骨だけ先に炭化してしまい、食べるときに掴みにくくなってしまう事があります。

そこで、2枚のラムラックを組み合わせ、合掌するように立てて焼くことで、肉厚の部分に先に火が通るようにします。







ラムは火を入れ過ぎても美味しくないので、程よい所で火から降ろし、あばら骨に沿ってカットします。

カットしたお肉の表面を、さらに炭火で炙り、肉汁を閉じ込めて完成です。


またサイゼリアの話ですが、人気メニューで「アロスティチーニ」というラム串があります。

それと一緒に提供されるスパイスが、クミンが効いてて抜群に美味いんですが、あの「やみつきスパイス」って単品で買えるんですよね。

しかも20グラム300円という激安!

今回はその「やみつきスパイス」に更に数種のスパイスをブレンドした香辛料で食べて頂きました。




そのほかにも、参加者の方からの提供料理もあり、餃子100個、広島風お好み焼き、ポトフなど、バリエーション豊富なメニューでBBQを楽しむことが出来ました。

ただ、やはり時間配分が難しく、デザートで出そうと思っていた「焼きパイナップル」や「自家焙煎コーヒー」を作る時間がありませんでした・・・

そんな中、唯一出せたデザートが「ピーチコブラー」

アメリカ南部の定番お菓子で、非常にシンプルな焼き菓子です。

まあ、写真は無いんですけどね。

コブラ―は、ホントに調べると各家庭ごとのレシピがあると言えるほど、多種多様な作り方が存在するメニュー。

今回も、自分の中では80点くらいの仕上がりだったので、もう少し腕を磨きたいです。

あとはアメリカンスタイルを追求したいので、コーンブレッドも野外で焼けるようになりたいですねぇ。




とりあえず、成功したとは思っていますが、新たな課題も色々と見つかったBBQでした。

まあ、一番の悩みは「どうしたら荷物を減らせるか?」なんですけどね。


また半年後の「水鉄砲BBQ」に向けて、腕を磨きます!!



























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ミニテーブル自作 と 吊り大鍋の改造

2023-02-09 13:38:08 | 焚火 アウトドア







さてさて、地味に続けているというか、すでに生活に馴染んでしまっているアウトドア趣味ですが・・・

BBQなどに出かける際、みなさんはどのようなコンテナ、道具箱をお使いでしょうか?


私の場合、最初は定番のリス社のトランクカーゴを使っていましたが、ここ数年は「リンゴ木箱」を使っています。

ずっと前から欲しかったのですが、なかなか入手する機会がありませんでした。

親戚が青森でリンゴ農家をやっているのですが、リンゴ木箱が欲しくて連絡したら「今はもう全部プラ箱だよ。木箱なんて使ってないよ」と言われてしまいました。

青森県内では、昔はホームセンターなんかでも取り扱いがあったのでのぞきに行ったら、今は贈答用の箱は段ボールが主流で、収穫用のプラ箱か段ボールばかりで木箱は扱っていないんですね・・・

で、諦めて忘れかけていた頃、埼玉のJA直売所に立ち寄ったら、中古ですが1箱300円で売っているではありませんか!
すぐに2箱購入し、サンダーで表面を馴らして道具箱にしました。

まさかリンゴの本場、青森県で手に入らなかった物が、埼玉県で格安で手に入るとは!





そんな経緯で手に入れた木箱なんですが、やはり使っているとちょっと不便に感じる事も。

一番の不便さは「蓋が無い」という事。





そこで、杉板を使って蓋を作る事にしました。

野地板と呼ばれる材ですが、近所の建築現場で職人さんに声を掛け、端材を貰ってきました。

これをカンナとサンダーで表面処理し、木箱の長さに切断。

幅的に杉板4枚分ほどだったのですが、色味が赤身3枚と白太1枚だったので、白太の板を半分に切り、両端に配置する事で見た目を良くしました。

並べた板同士を木工用ボンドで張り合わせるのですが、テンションを掛けて接着させるため、2×4材に全ネジボルトを差し込んだ簡易な治具で挟み込みます。

さらに、そのままだと左右から押し込むテンションで跳ね上がってしまうので、抑えとしてレンガを乗せて接着します。








これで、リンゴ木箱と同サイズの板が出来上がりました。

板接合の段差が気になる部分は、カンナとサンダーで慣らしてあります。










このまま木蓋だけというのも、なんだか味気ない・・・

という訳で、これをテーブルにする事を思い付きました。

まずは、あまりの杉材で枠を作ります。

テーブルの脚を収める場所であり、リンゴ木箱に蓋をした際のズレ止めになる部分です。

木箱の内径を計り、ピッタリに収まる寸法で作ります。


ここでも枠材同士の接着に簡易治具が活躍しています。








釘で補強した枠に、今度はテーブルの脚をつけていきます。

この工作は「テーブル作り」で検索するといくらでも作例や図面が出てくるので、そうした物を参考にしています。

オリジナルの要素としては、通常金属部品や金属ボルトを使う脚の軸を「木タボ」で作っている事。

強度や耐荷重を考えると、もちろん金属製の方がいいのですが、食事くらいの利用前提なのでこれでも充分です。








脚の位置を確認しながら、広げる角度が問題ないかチェックします。

直角にL字にするより、ハの字型に末広がりになっていた方が強度が出るようです。








脚の折り畳みが出来るよう、天板側の脚の端を半円に切り出します。

さらに、左右の足を繋ぐ渡りを作り、脚を補強しつつ取り付けます。








天板となる木蓋を取り付けたところで問題発生。

左右の脚を繋ぐ渡し部分が、強度が足りず折り畳みの際に歪んでしまいます。

そこで、家に残っていた1×4材を縦二つに切り、渡しに使う事にします。








取付方法も、当初は釘で打ち付けていましたが、強度アップのため木タボ&接着剤に変更。

木脚に木タボ用の下穴を開けます。

上下に小さい穴が2か所あるのは最初に取り付けた板材をくっつけていた釘穴です。








木タボの端は、穴に入れやすいように面取りされているので、そのまま全部を埋め込んでしまうとちょっと見た目が悪くなります。

なので、木タボ全長の1/3程度の穴を開け、接着剤を塗った後にゴムハンマーで叩き込み、穴の底まで木タボを入れます。

写真のように頭が飛び出していると思うので、この出っ張った部分だけノコギリでカットすると、きれいな平面に仕上げる事が出来ます。












これでようやく完成です!

リンゴ木箱に蓋をした状態です。

車載する事を考え、シンプルに仕上げています。






この木蓋を取ると、ミニテーブルになっています。

テーブルの脚収納枠は木箱の内径ぴったりにしているので、蓋がズレたり簡単に開いたりしないようになっています。








折り畳み脚の構造も、よくあるポピュラーな方式で、脚を広げるだけで使えるようにしています。

脚の長さは、木箱に収まるサイズにしか出来ないので、ローテーブルになっています。








普通なら金属部品を使うところも、全て木製にしてあるので、耐荷重は高くはありません。

でも、BBQやキャンプで実際に使う事を考えると、食事ができる程度の強度があれば充分かな、と思います。

大きさ的には問題ないのですが、強度的には道具箱スタンドやクーラーバックスタンドには使えないです。


既に実践で使ってみましたが、なかなか使い勝手は良いですね。

蓋がある事で、車載時にも上にさらに荷物が置けますし、現場についた時もサッとテーブルを広げ、リンゴ木箱の中身をテーブルの上に出し、順次設置していく、というスムーズな流れが生まれます。

また、大人数でBBQをやる機会が多いのですが、ピットマスター(焼き役)をしていると、とにかく物の置き場が足りない!

焼き上がった肉を切り分け、盛り付けしつつ、次の肉にスパイスを振り、調理の終わったフライパンを火から降ろし、スープ用の野菜を刻む・・・

こんな感じになるので、テーブルは作業目的ごとに沢山あった方が効率が上がります。






この木箱が次に活躍するのがNERF仲間と開催する通称「極寒BBQ」。

名前の通り、寒い時期にあえてのBBQです。








そんな極寒でのBBQに欠かせないメニューと言えば「汁物」

今までは10インチダッチオーブンや、4リットル程度の調理ができるDUGの焚き火缶Lなど使っていましたが、もう少し大きいサイズの鍋が欲しくなりました。

出来れば10リットル・・・いや7、8リットル程度の大きさで、焚き火で料理しやすいように吊り下げ金具が付いているタイプ・・・

と、いろいろ探しましたが、デザインと価格のバランスでなかなか納得できる物に出会えませんでした・・・


そこで、よくある家庭用の大鍋をアウトドア仕様に自分で改造してしまおうと思い立ちました。



よくある、と書きましたが、この大鍋選びもなかなか苦戦しました。

炊き出しなどで見かけるアルミシュウ酸鍋は、直径が大きく底が浅いので、火にかける際にも鍋底より炎が極端に小さいとムラが出来てしまいます。

プロ料理人が使うような寸胴鍋では、今度は高さがありすぎるので、火にかけても下側はすぐ温まりますが、野外では上側が冷めてしまい熱効率が下がる事が懸念されます。


程よい直径、高さ、そして焚き火でガンガン雑に使える材質・・・で写真のステンレス大鍋を購入しました。

ちなみに写っていませんが、蒸し器にするための底網も付属していました。









まずは見た目でヨロシクナイ印象を与えているのが、黒い耐熱樹脂部分。

これがあると途端に安っぽく見えるんですよね。

蓋のツマミ部分は裏からネジ止めだったので、ドライバーで簡単に分解できました。

これを鹿の角に交換します。

家に転がっていた鹿角の中から、どう使うか悩んでいた枝分かれの根本部分の角を使います。

サンダーでカットし、ヤスリで整え、ドリルでビス用の穴を開けます。









蓋にビスで角を取り付け、さらに鍋両端の把手の樹脂も取り外します。

把手の樹脂は、サンダーで切り込みを入れた後、チゼルとハンマーで少しづつ破壊して剥がしています。

鍋の加工でもっとも大変だった工程です。

この耐熱樹脂、サンダーで削ると、ものすごく臭いんですよ!

なんか、石油系やプラ系と違う不思議なニオイ・・・

ついでに、鹿角もサンダーなど電動工具でカットすると、めちゃくちゃ臭いんですよね・・・

こちらは動物のカルシウムやたんぱく質が摩擦熱で焦げているニオイなので、臭いけど我慢できなくはないニオイでした。







ツマミは真っすぐじゃない鹿角を使っているので、いびつですが中々味があって良いかな?と自分では満足しています。




さて、これで見た目はどうにか納得できる物が出来たので、次は機能面です。

とは言え、焚き火のトライポッドで吊るせるように金具を付けるだけなのですが。






当初に考えたのは、このように鎖でぶら下げる仕組み。

普通に鎖を付けただけでは鍋のバランスが取れず、全体が斜めになり、最悪の場合はひっくり返ってしまいます。

そこで、把手と本体を繋ぐ横棒部分にS字フックを掛け、それぞれ左右のバランスが取れるようにしてみました。

テストしてみても、8㎏以上の過重でもバランスを崩す事なく使えます。

でも、これだと火にかけている最中は鎖が邪魔で蓋の開閉が難しかったり、平置きすると鎖が邪魔になるので、結局取り外しをしなければなりません。

これではストレスなく調理できるとは言い難いです。








色々考えたのですが、やはり「使われ続けている物には意味がある」という言葉通り、この手の吊り下げ鍋でよくある円弧状の金具二本で吊るスタイルにしました。

すき焼き用の和鍋や、ダッチオーブンでも使われている方式ですね。

3㎜のスチール針金を曲げて作ったので、荷重には耐えられそうですが耐久性はあまり高くないと思います。

たぶん、何度も火にかけていると錆びでボロボロになるんでしょうね・・・







下に垂らしても鍋底の位置までは来ないので、机やテーブルに置く際にも邪魔になる事はありません。

鍋本体への取り付けは、見ての通り針金の端を丸め、もともとの把手に巻き付けるようにしています。

この巻いた端の部分はわざと緩めに隙間を設けているので、いざとなれば簡単に吊り金具を外すことが出来ます。











これでBBQに使う大鍋が完成しました!

通常の味噌汁なら40人前くらい作れる鍋です。


テーブルと共に大人数BBQで活躍してくれると思います。

週末、極寒BBQ楽しみだなぁ!





















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木工キャンプ用具 自作のススメ

2022-11-15 15:45:41 | 焚火 アウトドア
先日、家族の買い物付き合いで、ユザワヤさんに行きました。

ミニチュア用の材料とか、UVレジンとか、自分用にいろいろ物色していたら・・・





こんな試験管のような細長いガラス瓶を見つけました。

2本で110円という安さ。







で、フと昔に憧れた「試験管スパイスラック」に出来るかなぁ、と思いまして・・・


こんなヤツ。

30年くらい前に見た時には「めちゃオシャレだなぁ」と思ったんですが、実用性を考えると・・・

消費するスパイスのバラつきを考えると、塩と胡椒は入る量が足りず、他のスパイスがなかなか減らない・・・という状況が想像でき、買う事はありませんでした。

しかし、最近ハマっているBBQで利用する分には気にならない!肉を焼くにも、汁物を作るにもスパイスは多用するから、実用性もありそう!

ここはこのガラス瓶を買ってラックを自作だ!

と計10本を購入。







ラックの製作は、木材に試験管が入る穴を開ければ良い、と思って作り始めたのですが・・・

自宅に置いてある木材は、基本的には薪にするための木材なので、雨ざらし&天日干しされた木材ばかり・・・

思っていた以上に木割れがひどく、とても使い物になりません。










そこで、無垢材で家具を作っている工場にお願いし、廃棄する端材を譲って頂きました。

譲ってもらった木種は、オーク、チェリー、ウォルナットがメイン。

こうして並べてみると、木の種類による色の違いが非常に美しいですね。







この木種による色合いを活かすため、ただ穴を開けるだけのラックではなく、端材を張り合わせて寄木細工みたいにする事を思い付きました。

箱根の寄木細工のような複雑な文様は無理なので、横に貼り合わせるだけのデザインですが・・・







貼り合わせた板をカンナ掛けし、やすりで整えた状態。

レーシングストライプを意識していますが、あまりそれっぽく見えないですね・・・

板の厚みは1センチほどになりました。






主材となる板が完成したので、ドリルで穴開け・・・と実行したら・・・

ご覧のように木材がバラバラになってしまいました。






普段使っている木工用ドリルは、掘り進む力が強くかかる構造のため、穴を開けたい場所以外にも電動工具の強い力が掛かってしまいます。

今回のような薄い貼り合わせの材料では、その負荷に耐えられず、全体が割れてしまいます。

大きな木材に穴を開けるなら、パワフルなこうしたドリルが適しているんですけどね。








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そこで、木工用のボアビットドリルに取り換えてみました。

こちらの通称「座ぐりドリル」は、刃先の構造が、リング状に掘り進めるフチ部分のノコギリパートと、穴の内部をカンナのように削り取っていく刃パートとの二組構造のため、木材にかかる負担が少なくなります。







ドリルを変えたことで、ようやく試験管を通せる穴を開けることが出来ました。

真鍮線で土台と穴空きパーツをつないでラックの形にします。









さらに、キャリーハンドルを作ります。

グリップをウォルナット材から削り出し、真鍮線でバーを作って完成です。







試験管ガラス瓶を支える貫通穴の開いた板と、ガラス瓶が動かないように凹みだけ付けた土台板を組み合わせています。

さらに、ビンからスパイスを取り出す用のミニスプーンもつけています。







こうしたガラス瓶にスパイスや調味料を入れていると、瓶を傾けて食材に振りかけようとした時に、大量にドバーっと出て失敗するときがあります。

しかし、スプーンでしっかり量を計って使えば、そういう事故が防げます。

特に底の方に溜まっているのを振りかけようとすると失敗するんですよねぇ・・・








試験管ガラス瓶が10本入る仕様なのですが、作り終わってから「BBQでこんなにスパイス使うかな・・・?」と思い始めたりしているんですが・・・

塩、コショウ、砂糖、ガーリック粉末、ジンジャー粉末、バジル、クミン、パプリカ、コリアンダー、チリペッパー・・・

あ、使用量の差はあれど、意外と使うか!

あとは割とガラスむき出しになるので、BBQに持っていく際の運搬だけ気を付けないとダメですね。








続いてコチラ。


※画像クリックで詳細出ます。

まったく未チェックだったのですが、なんとニトリから鉄フライパンが発売されていました!

しかも26センチサイズで千円台という超リーズナブル商品!

こちらはキャンプ好きな友人が購入し、教えてくれたのですが・・・

その友人が、この樹脂製のハンドルがキャンプではカッコ悪いので、木工で作って欲しい、と依頼を頂きました。

なるほど、YouTubeなでどでもハンドル自作の動画なんかが出ていますね。








ならば作りましょう!という事で、友人希望のウォールナット材でハンドルを製作。

フライパン本体との取り付けは、長いネジ切した鉄棒でつなげる構造なので、鉄棒が貫通するように加工します。

ウォールナット材をハンドルの大きさに粗削りした後、縦半分にカットし、断面に鉄棒を通す溝を掘ります。

その後、再び貼り合わせることで、貫通穴の開いたハンドル材にする事が出来ます。









実際にフライパン本体に取り付けながら、大きさ、角度、握り心地を確かめながら削っていきます。








ハンドルのエンド部分を訳あって別で作る事になったので、そこだけチェリー材で付け足しています。

うまくツートンカラーになって、見た目も向上しました。






ハンドル取り付けの構造自体は変更していないので、もとの樹脂製ハンドルと交換する事も出来ます。







最初に紹介したスパイスラックのキャリーハンドルもそうなんですが、今回ウォールナットを横木取りで使ってみました。

完成後に亜麻仁油を塗って仕上がりです。

強度面では縦木取りより劣りますが、実用には耐えられます。

何より、この独特の木目を出せるのが最大の利点かと思いますね。







実際にキャンプやBBQなどに持っていく際には、このように簡単にハンドルを取り外してコンパクトに運搬できます。

ちなみに、ハンドル取り付けには鉄棒だけでなく、座金も使うようになっていて、これがあるおかげでハンドル端を面で押さえつけることが出来ます。

エンドの部分だけチェリー材で作り直したのも、この座金をきれいに収納できるようにするためです。











さらに、今回手に入れた端材の木種を活かすべく、カッティングボードも作ってみました。





今度は、スパイスラックと色を反転させ、真ん中に濃いウォールナット。

対比として隣はオーク材、さらに外側にはチェリー材を並べました。

ただ木工用ボンドで接着しても、まな板として使う時の水分や油分が浸透すると剝がれてしまう可能性が高いので、それぞれの木片は木タボでつないでいます。






こちらも仕上げはアマニ油によるオイルフィニッシュ。

上下端のチェリー材は色合いが全然違いますね。

こうして出来上がりを見てみると、スパイスラック同様に両脇に濃い色が来るようにした方が見栄えは良かったかも知れません。








どれもこれも、本職の方はもちろん、趣味で木工をやっている方々からすると、簡単すぎて加工と言うほどにも思えないかも知れません。

でも、個人でDIYして楽しむ分には、これくらいの加工でも十分だと思います。



うーん、色合いのバランスも良いし、鉄フライパンを友人に引き渡すのがもったいないなぁ

ニトリの鉄フライパン、自分でも買おうかな?














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木質バイオマス燃料のススメ

2022-09-03 09:14:11 | 焚火 アウトドア





最近、なかなか焚火とかアウトドアについての記事をアップ出来ていないのですが・・・

ほぼ毎週末、家でのんびり焚火しながらコーヒーを焙煎したり、お肉を焼いたりしています。

もう自分にとっては日常なので、わざわざブログ記事にするような面白い事も無いんですよね。



そこで、前々から記事にしようかなぁ、と思っていた「木質バイオマス燃料」について書いてみたいと思います。








焚火を楽しむにあたり、もっとも重要なのは「燃料」です。

当たり前ですが、これが無ければ何も始まりません。

自分が使っている燃料はもちろん「薪」です。

不要な伐採木を譲っていただき、チェンソーと斧で割って使っています。

労力は掛かりますが、タダで手に入ります。


今まで快く不要な木を譲っていただいた方々には感謝しております。



しかし、この入手方法では安定して手に入る保証はありません。

そうなると、市販の物を購入する事になるんですが、出来合いの薪を直接買うより、もっと効率のいい、それでいて焚火遊びはしっかりできる燃料があるんです。

それが「木質バイオマス燃料」。


「木質バイオマス燃料」というと、薪も含めた様々な自然燃料を指します。

今回紹介するのは、木材を生成する際に発生した「おが屑」を圧縮した燃料で、焚火にも使いやすく、比較的入手しやすい物です。












こちらは「オガライト」と呼ばれる種類。

見た目は麩菓子か竹輪か?というような外観。

おが屑の圧縮率が高く、ずっしりとしています。

圧縮率が高いという事は、それだけ良質な薪に匹敵する火力と火持ちの良さを持っているという事です。

ただ、なかなか店頭で売っている所が無いんですよね。

自分も買うときはほぼネットで買っています。

相場としては1キロ100円~200円と、販売所によってバラつきがあります。









こちらも似た木質バイオマス燃料で「ブリケット」

オガライトと同じ人工成型薪ですが、オガライトより太さがあり、圧縮率もそこまで高くないので手でボロボロと崩すことが出来ます。

オガライトは40センチ程度の長さがあり、割って使う際も割と固く、力を籠めなければ折る事が出来ません。

それに対し、このブリケットは10センチ程度ごとに切れ目があるので、任意の量を調整しやすいメリットがあります。

また、圧縮率が低い=火力が柔らかいので、焚火料理のメニューによってはこちらの方がうまく焼ける物もあります。

どちらかというと薪ストーブとの相性が良さそうです。

ちなみに自分がいつも買っている物はこの量(約10キロ)で500円程度という破格!






そして、もう一つ。

自分が最も多用しているのが「木質ペレット」

オガライトやブリケットと同じ、おが屑圧縮の人工燃料ですが、名前の通り粒状になっています。

こちらは自分が買っているタイプがだいたい10キロで600円から700円くらいですね。

薪ストーブと似た「ペレットストーブ」という、これを専用燃料とした暖房器具もあります。

ペレットストーブはメンテナンスのしやすさや、排出される煙の量が少ない事から、都内で薪ストーブを楽しみたい方が選択する事も多いようです。







自分はこのペレットに燃料用アルコールをかけたものを着火剤代わりに愛用しています。

小さい粒なのにヘタな小枝よりはるかに熱量・火力があるので、焚火の最初にありがちな「全体の温度が低下して立ち消えになる」という失敗を防ぐことが出来ます。








木質ペレットの良い所は、量の調節がしやすい事です。

使うコツとして、ペレットのみで焚火を行う際、燃料追加でいきなり大量に入れない事です。

ペレットが粒状のため、空気の通り穴を塞ぎ、すぐに火が立ち消えてしまいます。

ほんの一掴み程度をちょっとずつ追加するのがコツです。

また、通常の薪を使った焚火の際、たとえば誤って湿った薪を投入し火が立ち消えになりそうな時に、ペレットを一掴み投入し、ファイアーブラスターで空気を送り込めば炎が復活します。





ちなみにホームセンターなどでも売っている事もありますが、ペットショップに行けば猫砂用として売っています。

ただし、猫砂用の物は製品によって消臭剤などが混ぜられている場合もあるので注意が必要です。

オガライト、ブリケット、ペレットのどれも、本来は添加物など一切入っておらず、天然木を砕いて圧縮しただけで作られている物になります。



自分がブリケットやペレットを買っているのは、関越自動車道の所沢インター近くの「ペレットマン所沢」。

株式会社リプロが運営しているショップで、木質バイオマス燃料だけでなく、薪も格安で販売しています。







どれが一番使いやすいか?と言われると、一長一短、人による、としか言えないのですが、火力、火持ちで言えば「オガライト」が良いと思います。

実は、木の質量に対する燃費、エネルギーってどんな木の種類でもほぼ同じなんです。

よく「針葉樹は燃えやすいが火持ちが悪い、広葉樹は付きが悪いが火持ちが良い」と言われますが、これは針葉樹は密度が低いため、酸素と結合がしやすいが、そもそも質量が低い(内包されているエネルギー量が少ない)のですぐ燃え尽きる、広葉樹は密度が高いから酸素と結びついて燃焼するのに時間がかかるけど、質量分の燃費を発揮する、という訳です。

杉の木だろうと樫の木だろうと、同じ密度にしてしまえば、火持ちも火力も違いはほぼありません。

つまり「水分を抜いた質量が最も重い物が一番火力、火持ちの良い燃料」という事になるわけです。

上記三種の木質バイオマス燃料で言うと、このオガライトが最も「重い」燃料となります。









もちろん、質量がある分、酸素との結びつきは表面でしか行われないので、いわゆる「火付が悪い」燃料です。

オガライト単体で使うより、普通の薪や小枝などと併用するのが良いと思います。


また、木材から発揮される可燃ガスが非常に多いので、燃焼の温度が低かったり、酸素供給量が少なかったりすると、可燃ガスが燃焼することなく排出されてしまうので「煙ばかりモクモク出る」状態となります。

個人の経験から、木質バイオマス燃料はウッドガス式の焚火台と相性が良いです。

愛用しているパスタ鍋改造のウッドガスストーブでオガライトを燃焼させると、火柱が立つほどの火力となります。

オガライトから噴出される可燃ガスが効率よく酸素と結びつくので、無駄なく燃焼させることが出来ます。








また、オガライトは密度が高いので、熾火の状態でも強い火力と持続性を発揮します。

よく、ホームセンターなどで売られている「成形備長炭」「オガ炭」と呼ばれているものは、まさしくオガライトを炭化させたもの。

オガライトほどの高密度だと、備長炭に匹敵するほどの火力と持続性になるわけですね。

通常、焚火料理を楽しむ人は、この熾火の状態で料理する事が多いと思うので、オガライトはそうした楽しみ方をされる方にもおすすめです。



通常の薪は、購入する際にも水分量など分からず、買ったはいいが全然燃えなかったり、煙ばかりモクモク出たりすることがありますが、木質バイオマス燃料であれば、必ず「乾いた薪」の状態なので、ベストな燃焼が出来ます。

おが屑という産業廃棄物を有効活用しているので、エコやSDGs的な観点や、林業、木材業の経済効果的な観点からも、有効な燃料です。

また、薪を自宅で保存していると、避けられないのが虫やカビの問題。

人工燃料である木質バイオマス燃料なら、虫が付くこともカビやキノコが生えることもありません。

何より、首都圏在住なら薪を買うより安い!



木質バイオマス燃料をうまく使えば、自宅での焚火もより快適になります。

庭やベランダで薪割りは出来ないけど、ちょっとしたBBQや焚火を楽しみたい、という方には実はおススメです。

唯一の弱点は、水に弱い事。

どの燃料も、水に浸してしまうと、もとのボロボロのおが屑に戻ってしまいます。

しかも、オガライトやペレットはめちゃくちゃ圧縮しているので、水でおが屑に戻ると、とんでもない量に膨れ上がります。

保管する際は雨などの当たらない室内などに置くと良いです。










自分は自宅の庭で、手製の焚火台を燻製器の中に入れ「焚火オーブン」として焚火料理を楽しんでいます。







最近は娘がお気に入りのスペアリブの漬け込みを焼くことが多いです。

炭火や熾火ではなく、立ち上がる炎でグリル&ローストして焼くと、また違う味わいに仕上がります。








魚や干物なども、このスタイルで直火焼きしますが、こちらは「遠火の強火」という魚焼きの基本に従い、あまり炎を立ち上げずに焼きます。

こういう時にはオガライトよりもブリケットの方が活躍しますね。

身の中の水分が飛び過ぎないよう、ふっくらとした仕上がりを意識して焼き上げます。








メイン料理であるお肉を焼いた際、副菜も焚火でよく焼きます。

スーパーなどで売られている既製品のハッシュポテトも焚火で表面をカリカリに焼き上げると美味しいです。






同じく、スーパーで安く売られている冷凍枝豆。

これも焚火で蒸し焼きにし、少し燻製をかけてあげると抜群に美味くなります。

肉を焼き終わった後の熾火で作るとちょうどいいです。

燻製は、熾火に水で濡らした木片を投入し、煙を発生させて燻します。




最近のアウトドアブームで、キャンプ場やBBQ場なども非常ににぎわっていますが、見ている限り、まだまだ焚火料理をしている方は少ないですね。

美味しい焚火料理を楽しむためにも、薪だけでなく木質バイオマス燃料もおススメです!!














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薪割り斧 ヘルコ ヘリテイジ HR-1スプリッティングアックス

2021-11-01 13:55:34 | 焚火 アウトドア




ここ数年、アウトドアにハマり、自宅でも焚き火を楽しむ生活を続けております。

当初は購入した薪を使っていましたが、アウトドアショップやホームセンターで購入する薪は割高なので、自分で薪作りもするようになりました。

そんな薪割り焚き火生活で、ついに新たな斧を購入しました。




それがコチラ、ドイツのヘルコ社「ヘリテイジ HR-1 スプリッティングアックス」です。





ドイツ・Helko(ヘルコ)社は160年以上の歴史を誇る老舗斧メーカーで、世界的にもトップクラスの品質。

他の海外メーカー品の多くがスウェーデン鋼を材料にしていますが、ヘルコ社ではルール工業地帯の上質な鋼を原料に、ゾーリンゲンの刃物技術を活かして斧を製造しています。








この無骨なスタイルがたまりません。

ヘルコ社の斧では「スプリッティングマスター DT-6 」という製品が薪ストーブユーザーからも高評価で、初心者が最初に持つべき1本として有名です。

しかし、DTシリーズはカラーリングが実用向き過ぎて・・・

鮮やかなブルーのヘッドと、柄の握りのレッドは、薪割り作業や森林内でも見つけやすく、安全面を考えると最高なのですが・・・

私のように趣味レベルでの薪割りなら「所有する喜び」を優先したいので、こちらのクラシカルな「ヘリテイジ(遺産とか伝統)」シリーズにしました。







斧は用途に合わせて様々な形状と名称がついていますが、西洋斧を大きく分けると「スプリッティングアックス」と「キンドリングアックス」に分類できます。

スプリッティングアックスは「スプリット(split)=分割する」の意味で、簡単に言えば「丸太を薪割りする斧」です。

大体は刃先が鈍角で、クサビ状の斧頭をしているのが特徴です。








今までメインにしていたハスクバーナ社の斧と比較。

ハスクバーナ万能斧は、名前の通りあらゆる作業を想定した作りになっていますが、基本は「キンドリングアックス」。

「キンドル(kindle)=焚き付け」を意味しており、枝を切ったり細い焚き付け作りに向いた斧を指します。











ヘルコとハスクバーナ、一番の違いは、この刃の厚み。

切り裂く事を主としたハスクバーナと、叩き割る事を主としたヘルコで、これだけ作りが違います。

ヘルコは、振り下ろした際に横向きに割く力を発生させるため、斧頭の側面にクサビ状の突起がついています。

薪割り用の斧でも、デザインは様々で、たとえばハスクバーナでも薪割り用を出していますが、そちらは側面が三角状に盛り上がっています。

最高級の斧と言われるグレンスフォシュ・ブルークは逆に側面に出っ張りのないスマートな形になっていたりします。






さらに焚き付け作りや作業用に愛用しているアストロプロダクツの手斧と並べてみました。

手斧については過去の記事を参考して頂ければと思います。

三本も斧を所有する事になりましたが、それぞれ用途が違います。

どれが良い、どれが優れている、という事では無く、適材適所で使う事が大事です。








「薪を割る」という、言葉にすると一言で済む作業ですが、実際にやってみると様々な状況に遭遇します。

状況により使い分ける事を考えると、スプリッティングアックス、キンドリングアックス、ハンドアックス、さらに薪割りクサビと、これくらい揃っていれば、おおよそどんな丸太でも薪割りする事ができます。

後は原木を玉切するチェンソーがあれば完璧ですね。






ヘルコのパワーはすさまじく、今までハスクバーナ万能斧で苦労していた丸太も、バッキバキに割ってくれます。

ただ、振り下ろした感触は「割っている」感覚はあまりなく、「叩いている」という感覚に近いです。

刃が鈍角なので、たまに木に刺さらずバイーンと弾き返される事もあります。







丸太を半分に割ってしまえば、2キロ以上もある薪割り斧を振り回す事なく、ハスクバーナの万能斧でサクサク割っていけます。

こちらは斧頭が約850gなので、身体の負担も少なく作業が出来ます。






斧の耐久度の話ですが、ほとんどの斧は、使い続けていると柄の首の部分がダメになり使う事が出来なくなります。

その理由は・・・



刃の薄いキンドリングアックスの場合、斧頭部分は木を割って行きますが、刃が薄いのでできる隙間も狭い物になります。

斧を下まで振り下ろして推し進めると、柄の部分が割れ目で引っ掛かり、結果的に柄の方が削られていきます。

そのため、最終的には柄の首がボロボロになり折れてしまいます。

自分のハスクバーナは対策として首にパラコードを巻き付けています。

針金を巻き付けている方とか、皮のネックカバーを付けている方も多いですね。






一方、スプリッティングアックスで良く起こるのが「首打ち」

つまり斧が狙った場所の前側に振り下ろされてしまうため、柄の首を強打する現象です。

これは、重さのある薪割り斧は、自身の想像以上に遠心力が掛かり、肩腕が引っ張られてしまうために発生します。

写真はわざとその状況を生みだすため、途中で止めていますが、これが通常通りに振り下ろしていたなら、柄の部分を思い切り叩いてしまう訳ですね。






首打ちをしないよう、しっかりグリップし、振り下ろす際は力まず、斧の重さに任せるようにすると狙った所に当たりやすくなります。







ちなみに写真ではハンマーも写っていますが、普段、クサビを打ったりする際には、ホームセンターで買った安いゴムハンマーを使っています。

金属ハンマーの方がパワーはありますが、叩いた時の音が半端ない・・・

いくら昼間しか作業しないとはいえ、近所迷惑になるほどの音が響くのでゴムハンマーにしています。

ハンマーもドイツのゲドレー社製品で、それなりに高かったんですけどね・・・




ヘルコのスプリッティングアックスが手に入り、かなり快適に薪割りが出来る環境になりました。

・・・次はチェンソーも買い替えたいなぁ。






動画でも紹介しています。





















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防災グッズのススメ

2021-03-11 15:00:00 | 焚火 アウトドア
東日本大震災から10年。

その後も台風や大雨、別地域でも地震などの天災が日本を襲い、さらには世界的にコロナウイルス感染症という病害まで広がっています。

いつ何が起きてもおかしくない状況でも、生活は続きます。


そこで今回はちょっと趣向を変え「防災グッズ」について取り上げたいと思います。

個人的に使ってみたり、気になっている商品などを紹介します。




まず、緊急時の明かりに関してはLEDライト一択ですね。

価格、コストパフォーマンス、製品寿命、どれをとってもLED以外の選択がありません。

我が家には、東日本大震災からの影響で購入したLEDフラッシュライトが数本あります。
参考:フラッシュライトのススメ



普段カバンに入れて持ち歩いているのがジェントスのドミネーター。



↑こちらは自分の物とは違うモデルでリチウム電池使用型。

2011年に購入した物ですが、今も問題無く使えています。


他にも何本かフラッシュライトを家に置いていますが、持っている物はことごとく生産終了してます・・・


LEDライトについては日進月歩で新しいモデルも次々と登場しています。

もちろん新しい方が基本的には性能が高いです。


しばらく買い替えるつもりは無いのですが、もし新しいのを買うとすれば、以下のポイントで選びます。
・製品の頑丈さ
・電池式である事
・ランタイム(持続時間)が長い事。

明るさは選択のポイントには入りません。

今は100ルーメン以下のライトの方が少ないほど、高照度のライトが増えたので、明るさはさほど迷うポイントではありません。

災害時に、充電できる環境とは限らない事や、充電の為の器具を本体と別で持ち歩く必要がある事を考えると、充電式のライトも選択から外します。

あとは値段とのバランスなんですが、今は安くても良いのが沢山あって迷いますね・・・



まあ、やっぱり安定のジェントス製かなぁ。



でもオーム電機も安くてよさげなの出してるなぁ。






次に取り上げるのは「ランタン」

フラッシュライト(懐中電灯)が前方や遠くを照らすのに対し、部屋の中や手元を明るくするためにはランタンが有効です。

これまたLEDランタンも、この数年でものすごい種類が発売されました。

現在、自分が愛用しているのはモンベルのミニランタン。
参考:Mont-bell ミニランタン シルバー

単三電池一本で使える気軽さと、コンパクトで持ち運びしやすい点が気に入っています。




そしてもう一つが、ジェントスのエクスプローラーEX-777。


単一電池使用型なんですが、最大72時間使えるランタイムの長さがお気に入りです。

割とアウトドアでも定番なので、使っている人は多いと思います。

ランタンも、現在のアウトドアでは1000ルーメン以上が推奨されていますが、防災という面から考えると、避難所などでの集団生活で1000ルーメンの明るさなんて迷惑以外の何物でもないです!

300ルーメン前後で十分だと思います。

もちろん、調光機能が付いていれば、それがベストですね!



ファミリー層なら、これまた定番のコールマンのクアッドパネルランタンが良いんじゃないかと思いますね。


それぞれのパネルを外して使えるので、家族人数分のライトを用意する必要が無いですし。

弱点は・・・価格ですかね?








明かりの次は「保存食」

今はローリングストックという方式が推奨されていますね。

農林水産省のHPで詳しく取り上げられています。



とは言え、ガジェット好きな方には、もっと「保存食らしい」商品をお勧めします。

それが「サバイバルフーズ



なんと25年保存可能なフリーズドライ缶詰!

もともとはアメリカで販売されていたものですが、なんと国内では1970年代から輸入販売されているロングセラー商品。

しかも、2018年からは完全国内生産品になっているので、安全面もばっちりです。



他にも、昔からの定番品なら萬有栄養の「非常食ER」なんかもあります。



ただ、こちらはもともとが船舶用救難食糧なので、助けを待ってじっとしている状況での食料です。

5年半もの賞味期限がありますが、これだけを防災に備えるのはちょっと心もとないですね。





そして、肝心な「火」。

過去の災害時にもカセットコンロが非常に役に立ったという記事を目にします。

アウトドア好きな人なら、シングルバーナーの一つや二つ・・・いや、人によってはそれ以上を持っているという人も多いと思いますが、キャンプやアウトドアを楽しまない方でも、防災面で考えるとカセットコンロは持っていた方が良いと思います。


今はカセットコンロもガジェット感あふれるデザインに進化しています。





こちらのスノーピークのバーナーは、使わないときは折り畳んでコンパクトに収納することが出来ます。






これなら防災袋のスペースも圧迫しませんね。



同じような折り畳みカセットコンロは、カセットガスの有名メーカー、イワタニからも発売されました。





後発だけあって、遮熱版が付いていたりと機能面も充実しています。






こちらは折り畳んだ姿が四角柱っぽいデザインです。

もっとコンパクトな物が良い方には、SOTOのレギュレーターストーブST-310とか、イワタニのカセットジュニアバーナーとかもお勧めですが、まあ、その辺はアウトドア系のページでさんざん紹介されているので、気になる方はご自身でお調べ下さい。




防災はとても大事だと思いますし、「大袈裟だな」と考える人だって、備えないより備えた方が良いのは理解できるはず。

せかっくならカッコいい、面白いアイテムで防災グッズを揃えるのも良いのではないでしょうか。
























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ナカモト ロッキーライター オリジナルカスタム

2021-03-07 09:02:08 | 焚火 アウトドア






2018年の記事で、ちょっとだけ取り上げた着火ライター。
「焚火の周辺ギア」

コマゴマした焚き火道具を入れているケースに収納したら、いちいち出すのが面倒になって・・・

しばらく使っていませんでした。



で、まったく別の話で、昔に愛用していたイムコのライターを玩具部屋から発掘したんですよ。

「やっぱりシンプルながら機能的でいいライターだなぁ」と暫く使ってたんですがフリント(火打石)が切れてしまいました。

「そういえばダイソーでフリント売ってたな」と、110円で10個も入ったライター用フリントを買ってきてイムコに入れたのですが・・・着火しない!!

イムコにはジッポー用のフリントだと硬くてホイールが痛むとネットで読み、むしろ安物のほうが良いのかと思ったんですが・・・相性が悪かったみたいで、ダイソーフリントだと火が付きません。



残ったフリント、捨てるのももったいないなぁ・・・と考えていた時に思い出したのが、このナカモトのロッキーライター。



もともとは、ガス溶接を行う際、着火用として作られライターです。

ライターと名付けられていますが、本体に燃料やガスを入れる部分は無く、フリントを使って火花を飛ばすだけ、という非常にニッチなシロモノです。

しかも、この形のライターは色々なメーカーから発売されており、どこの製品がもともとのオリジナルなのかはっきりしません。

ざっと調べた限りではメーカーHPでもきちんと取り上げている正英産業のロックライターが一番有名なようです。

見た目の違いは、本体側面のロゴが「ROCK」か「ROCKY」かの違いくらいしか分かりません。

一応、バリエーションとしては、他に「S.K」のロゴ、本体上部にガス抜けの穴がアリナシの違いなどがあるようです。


で、このロッキーライターにダイソーのフリントを入れてみたら、面白いように着火するんですよ。

理由や仕組みはよく分かりませんが「相性がいい」という事なんでしょうか?







それなりに使って、そのまま放置していたので割と汚れています・・・

アルコールストーブを野外で使う方や、電圧着火が壊れやすいシングルバーナーを使っているアウトドアマンでも一部の方には知れ渡った品なんですが、何よりピストル型で、サッと取り出してガチンッと着火する面白カッコよさは琴線に触れる方にはたまらないガジェットです。

これでガンスピン決めたらカッコイイよなぁ、とバカな思い付きをしまして・・・






廃材のステンレス板を曲げて、トリガーガードを作ってみました。

たまたま余ってたステン板が、表面が梨地っぽく細かいデコボコになっていたので、本体の金属素地に馴染むかな、とそれを使ってみました。

で、このライター、火花が出るまでにトリガーをスゴイ後ろまで引かなければいけないんですよ。

なので、思った以上にトリガーガードを大きくしないと使えないことが分かり、ソレっぽく見える角度を色々と試行錯誤し・・・ステン板の幅が本体と合わず、ディスクグラインダーでゴリゴリ削り、接着剤のハミ出しをふき取ろうと石油系溶剤を掛けたら余計に黒くなったり・・・と、金属板を一枚貼るだけの作業にアレコレと苦戦しました。

接着剤が乾いたら、試しにガンスピンをやってみたのですが、トリガーガードの形の悪さに加え、本体が軽量過ぎて遠心力が付かず、うまく回すことが出来ませんでした。







そこで、やはり手元に余っていたチェリーウッドの板を使い、ウッドグリップにする事で少し回しやすい重心バランスにしてみました。

一回り大きく切り出した板をエポキシ系接着剤で本体に貼り付け、乾いたら本体とのバランスを見ながらヤスリで削って形を作っていきます。

さすがにチェッカリングまでやる技術も根気もありませんでした。









それでも♯400までヤスリ掛けし、蜜蠟ワックスで磨いたらいい雰囲気になったと思っています。

もちろん握りやすさも向上しました。

性能的にはなんの変化も無いのでタダの自己満足ですけどね。





ウッドグリップを作っている最中に、ストラップ用の穴を開けるのを忘れていた事に気付き、慌てて作業したのですが、こうして完成形を見ると、別に要らなかった気がします・・・

いっそのこと、もう少し穴を大きくしてメダルを埋め込むのも良いかもしれませんね。




実際の作業と使い勝手は動画をご覧ください。

ピストル型着火ライターをオリジナルにカスタムする











もともとは100均のフリントを無駄にしないように考えた事から、こんなカスタムを思いついた訳ですが、個人的にはとても気に入っています。

もし自分に革細工のスキルがあればホルスターも作りたい所です。
























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ククサ 自作のススメ その3 ~三度目の正直編~

2021-02-25 07:00:00 | 焚火 アウトドア







前回の記事で作ったククサ。

ククサ 自作のススメ その1 ~失敗編~
ククサ 自作のススメ その2 ~どうにか完成編~


問題無く使えているのですが、やっぱり容量180mlだと少し物足りない。

もう一回り大きいの作りたいけど、面倒だなぁ、などと考えていたのですが。






庭に積んだ薪を整理していたら、まだ桜の玉切が残っていました。

前回のククサが2019年1月に作ったので、ちょうど二年くらい乾燥させていた事になります。

せっかくなので、再度ククサ作りにチャレンジです。

まずは玉切された丸太を半割にします。

ど真ん中の芯の部分は木割れが発生しやすいので、数センチ削って使用します。







基本の作り方は、前回と変わらず。

木工ドリルで下穴を開け、チゼルでコツコツと掘り進めます。

テクニックもコツもありません。

ここは忍耐と持久力で進めるしかありません。







どうにか広さと深さを確保し、大きなククサにしたいのですが、なかなかうまく行きません。

ある程度の深さになると、フチの部分が邪魔になり工具で底部分を削るのが非常に難しくなります。

こういう作業はやっぱりフックナイフなどあると楽なんでしょうね。


ちなみに今回は2×4を全ネジでつないだ固定器具に材料を挟み込んで作業します。

木工に限らず、切削作業を上手くやるコツは、材料をしっかり固定する事です。

材料がグラグラ動くと、工具から伝わるべき力が分散され、効率が各段に落ちてしまいます。








ボウルの部分がある程度掘れてきたので、周囲の不要部分をノコギリで切り落としていきます。

一気に大きく切ってしまうと、もし割れや欠けが発生した時のリカバリーが効かなくなります。

これも地味ですが、様子を見て何回にも分けて切り出していきます。


その木割れを避けるために芯の部分を外して材料を取ったのに、やはり中心部分に亀裂が出てしまいました。

そこまで深くないので、このまま作業を進めてみます。







木のボウル部分は電動ドリルに研磨工具を付けてちょっとずつ仕上げて行きます。

外側部分も、ディスクグラインダーを使って少しづつ削っていきます。

前回のククサは側面も厚かったので、今回は5㎜程度を目標として削ります。















順調に作業をしていたら・・・

やってしまいました。

取っ手部分がバキっと。


元の木材から使う部分を切り出す事を「木取り」と言います。

基本的に取っ手部分など力が掛かる部分に、今回の様に「木目が横に入る」やり方はNGです。

見ての通り、木は繊維方向には簡単に折れたり剝がれたりします。

・・・今回はククサを横から見た時に年輪がはっきり分かるようにこの木取りをしたんですが・・・見事に失敗でしたね。








しかし、修復すれば問題ない場所でもあるので、タイトボンドⅢで修復して作業を続けます。

でも、これで乾燥時間で丸一日潰すことに・・・






ちなみに今回使った電動ドリルに装着する工具。

左から鬼目ヤスリ、回転カッター、ヤスリ番手違いのフラップホイル、そして硬さ違いの研磨用「アフロ君」。

あとは木工用ドリルがあれば、時間は掛かりますが電動工具だけでもボウル部分は作れます。





ちょっと本題から外れますが・・・

もし、スプーンやククサのような物を作りたいと思っている方には、インパクトドライバーとディスクグラインダーの用意をお勧めします。

電動ドリルやインパクトドライバーに取り付け可能な先端工具は非常に種類が多く、いろいろな掘削作業が出来ます。

ディスクグラインダーも同じく取り付ける砥石ディスクを変えるだけで、金属切断から表面研磨まで様々に使えます。

特に自分が多用しているのは「マジックパッド」という、ベルクロで紙ヤスリを取り付けられるオプションです。



ただ、掘削の粉塵がスゴイので、作業環境が確保できないマンション住まいの方などはお風呂場などでの作業が良いかもしれません。

ベランダなんかでやったら、騒音に加え物凄い量の木粉が飛び散り、ご近所の洗濯物が大変な事になりますので・・・









取っ手部分にドリルで指通しの穴をあけ、持ちやすい形に整えて行きます。

細かい部分はミニリューターがあると便利ですね。

自分はドレメル社のフィーノというエントリーモデルを使っています。



これ1本で木工をするにはパワー不足ですが、トルクやパワーが必要な箇所は電動ドリルで作業するので、細工や表面処理にパワー不足を感じる事はありません。

むしろこれも電動ドリルなどと同じで、効果的な先端工具をチョイスする事の方が大切な気がします。

こればかりは買って試すしかないのですが、結構高額なのでポンポン買って気軽に試せないのがネックですね。









電動工具での削り込みもほぼ終わり、形になってきました。

ここからは紙ヤスリによる手作業に変えます。

写真を見ると、ディスクグラインダーを使った後が面で残っており、ククサの表面が亀甲状になっているのが分かると思います。

もちろん、カクカクしたデザインでも良いのですが、今回は年輪が綺麗に見えるよう、なめらかな表面を目指します。







手作業で修正した後です。

紙ヤスリは♯120で成形、♯240で表面のキズを消し、♯400から艶出しと細かい部分の研磨をします。

特に♯400は全体を磨き終わった後、一度流水で削りカスの微粉を落とし表面をケバ立たせてから再度♯400で研磨します。

この「水洗い⇒研ぎ直し」をすると、表面が綺麗に仕上がります。

気になってた芯の部分の木割れも、深く進行していませんし、表面を綺麗に整えたのでそのままにしています。

ここを割れの無い位置まで削ってしまうとフチ全体が低くなり、容量が減ってしまいます。







仕上げはオイルフィニッシュにします。

使うのは乾性油の荏胡麻油です。

よく、木工のオイルフィニッシュについて、「乾性油」と「非乾性油」の説明をしているサイトを見ます。

例えばオリーブオイルは非乾性油だから木工には向いていないというのが通説の様ですが、乾性油も酸化反応で完全に乾く(加熱などでも液状に変化しない状態)には数年かかるらしいのです。

つまり、何年も使い続けていれば差が出るかも知れないが、完成してしばらくは非乾性油だろうと状態は同じじゃないかと思うんですよね。

実際、今までの木工で非乾性油で仕上げた作品もありますが、しっかり木に染み込んでいる状態で表面が乾いているものは、使っていても全く不具合はありません。

だから、乾性油か非乾性油かは、素人木工レベルなら実はあまりこだわる必要は無いのではないか?と思うわけです。






今回、取っ手の上側部分は不格好に大きく角ばっています。

本場の北欧のククサを見ていると、この取っ手部分のエンドに鹿角の飾りがついたモデルがあります。

それを真似て飾りを作ろうと思っていたのですが、作業に時間が掛かるとモチベーションが低下するので、一旦後から加工できる余地を残して完成させる事にしました。


また、今までは仕上げ前に水で煮てアク抜きを行っていましたが、今回はそれも省きました。

前回、煮込んだ後の乾燥作業で木割れが発生した事と、元の木材自体、2年近く風雨に晒して乾燥させたので、ある程度はアクも抜けているんじゃないかと思ったからです。

暫くは入れた飲み物が木の味になってしまうかも知れませんが、まあ、割れて使い物にならなくなるよりは良いと思ってます。









更に最後の一押し!

オイルを浸透させた後、♯1000の紙ヤスリで磨きます。

そして、フエルトバフに、蜜蝋と荏胡麻油をMIXしたワックスを塗り、ポリッシングして完成です。

蜜蝋ワックスが、極僅かな傷を埋める事で、より手触りの良い仕上がりになります。


今回、指通し穴も一つだけにしたのは、この横からのアングルで年輪をハッキリ見せたかったからです。

まあまあ成功したんじゃないでしょうか?








同じ桜の木から作った作品を並べてみました。

他にも人に贈ったり、すぐに取り出せなかった細かい作品があるのですが・・・

特にククサは前回の作成と今回で、作る条件の違いで見た目の違いもはっきりしています。


そして、肝心のククサの容量ですが・・・

実用200ml

あれだけ苦労して削ったのに、なかなか容量が増えません!

開口部の直径はこれ以上開けてしまうとマグカップとしては飲み難くなってしまうし、何よりコーヒーが冷めるのが早くなってしまいます。

やっぱり、深さか・・・


またいい材料があったらククサ作りにはチャレンジしてみたいです。

最近「グリーンウッドワーク」という物も気になっています。

掘りやすい生木なら、もっと深さのあるククサが作れるかなぁ?






















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ククサ 自作のススメ その2 ~どうにか完成編~

2021-02-24 07:00:00 | 焚火 アウトドア


最初のククサ作りの失敗を活かし、再度ククサ作りにチャレンジしました。
※ククサ 自作のススメ その1 ~失敗編~



今度は材料の大きさも余裕を持って作っていきます。

桜の丸太を輪切りにした物(玉切)を、更に半分に割ってから風雨にさらした材を使っています。

作る作業自体は、前回と変わりありません。

ドリルで下穴を掘り、チゼルで広げながら掘っていきます。






穴がある程度の大きさになったら、のこぎりで周囲の余分な部分を切り落とします。

ディスクサンダーに木工用のヤスリディスクを付け、様子を見ながら周囲を削っていきます。






桜は乾燥してくると、かなり硬くなるのでなかなか削る作業が進みません・・・

もっとフチの近くまでノコギリで切り落としてから作業するべきでした。

が、この当時はノコギリ作業も全部手作業だったので、いちいち切るのは大変でした。






切っては削り、削っては切る・・・

地味な作業が続きますが、今回はちゃんと握りの部分の幅も確保しています。






取っ手部分にドリルで指を通す穴を開けます。

この写真では上の穴が大きく、下の穴が一回り小さくしていますが、別に意味はありません。

ちゃんと計算しないで穴を開けるから、同じ大きさを二つ作れなかっただけです。







全体の形が出来たら、あとは電動ドリルに様々な研磨用工具を付けて、磨き倒します。

ククサ作りと言えばフックナイフで手作業で!とこだわる方も多いですが、自分は電動工具をバリバリに使います。

ククサ作りに限らず、自分の木工は電動ドリルとディスクグラインダーでほぼ行っています。







形が出来上がったら、アク抜きのために煮込みます。

今回も塩は入れず水だけです。

・・・塩って何か効果あるのかなぁ?







1時間以上煮込んで、鍋から引き上げた所です。

野外に置いて乾燥させます。







が、しかし!

乾燥した木材を煮込んだからか、はたまたもともとの木材の含水率が高かったためか、それとも急激に乾燥させたためか・・・

大きな亀裂が!





取っ手の周辺にも割れが発生しています・・・

幸い、内側まで貫通していない割れだったので、容器としての使用に問題はありません。






対処法として、まずは割れが消えるまで周辺を削ります。

削っても消えないほどの深い割れには、前回のククサ作りでも行った「コクソ」を塗ります。

その際に使う木工用ボンドですが、いろいろ調べて、こちらの「タイトボンドⅢ」を使いました。

このボンド、接着力が強力なのはもちろん、なんと食品の間接接触についてFDA(米国食品医薬品局)に承認されており、食器類に使っても安心だとの事!







ボンドが乾いたら、余分な部分を削り取り、仕上げに荏胡麻油を塗ります。

たっぷりと塗ったら一晩おいて、染み出してきた余計な油をふき取ります。






これでククサの完成です!







今回は形もそれっぽく、中身も漏れ出さず実用できる物になりました!






頑張って削ったんですが、それでも容量は実用180ml。

なかなか大きく深く削るのは難しいですね。

こちらは作って1年以上使っていますが、いまだに不具合は出ていません。



そして、今年になって久しぶりにまたククサを作ったのですが・・・



次回に続きます。
ククサ 自作のススメ その3 ~三度目の正直編~























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ククサ 自作のススメ その1 ~失敗編~

2021-02-23 14:38:02 | 焚火 アウトドア

趣味に使えるお金が減った自分にとって、比較的材料がタダで手に入る木工(とも呼べない稚拙なレベルですが)はありがたい遊びです。

まあ、結局は工具にお金使ってるんですが・・・


近年のアウトドアブームで、ククサが人気となり、自作する方も増えてきております。

ククサ ーWikipediaー

自分も作ってみたのですが、これがなかなか難しい・・・




今回は最初に作ったククサとも呼べない失敗作をあえて公開します。




薪集めの際に手に入った桜の丸太。

よく見ると小さな瘤がありました。

ククサが「白樺の瘤から作る木のカップ」というのは知っていたので、これを加工してククサを作ってみようと思い立ちました。

で、瘤の部分だけを切り出し、カップ部分を掘る基準となる穴をドリルで開けます。

当時は知識が無かったので、本物のククサを作る瘤がもっとバカデカい物だとは知らず、こんな握り拳にも満たない大きさでチャレンジした訳ですね。







フックナイフなんて洒落た物は持っていない(今でも持ってませんが)ので、チゼル(洋ノミ)で穴を掘り広げます。






チゼルで穴を広げたら、電ドリにヤスリを付けて中を削り、大きさを確かめまた削り・・・と地味な作業を繰り返します。






穴の直径が小さいと、削る工具も浅い位置にしか届かないため、深さを出すには穴をどんどん広げるしかありません。

考えなしに掘っていったため、当初の予定よりかなり大きな穴になってしまいました。

収拾がつかなくなったので、「ここまでの大きさにしよう」と後から墨付けをして掘っていきます。






結局、持ち手部分を作る材料の幅がなくなり、よくわからない出っ張りを無理やり持ち手にするしか無くなってしまいました。





この時点で「・・・失敗だな」と思っていました。





が、とりあえずコップ替わりに使えればヨシ!と、まずは器として形にしてみようと作業を続けました。

早くもあちこちに木割れが発生してきています。







ある程度コップ状にはなったので、アク抜きと消毒のため水で煮込みました。

本物の北欧のククサは塩水で煮ると聞いていましたが、塩を入れる事には懐疑的だったので、水のみで茹でています。





1時間近く煮た後。

もう水はまっ茶色で、まるでほうじ茶の様です。





さて、この木の瘤ですが、幹に傷などがついた所を、樹液でカバーするために膨らむのだとか。

で、普通の木の瘤というのは「入り皮」とか「節」とか、場合によっては中が腐って空洞になっていたりとか、正直、あまり材料としての条件は良くありません。

今回の瘤も、掘っていったら一番底の部分に節があり、小さな穴が開いてしまいました。







そこで、思い切って悪くなっている底の部分をドリルで削り取り、同じ大きさに加工した別の木片をはめ込むようにして見ました。

完全に無駄な作業ですね・・・






カップの底部分以外にも、目立つ節穴の隙間を埋めました。

使ったのは「コクソ」と呼ばれる木工修理法で、ヤスリ掛けなどで出たオガクズや微粉に木工用ボンドを混ぜ、パテの様に粘度を上げた物を塗り込んでます。



まあ、結局、これだけ隙間埋めをしても、液体入れると漏れちゃうんですけどね・・・






「それでもせっかく苦労したんだからどうにか形にしよう」と表面をヤスリ掛けして、一応の完成としました。

仕上げには、余っていたココナッツオイルを塗っています。





木の瘤は成長が複雑になるおかげで、木目も複雑に入り組み、独特の模様になります。

これを「杢(もく)」と呼び、希少価値・審美的価値のポイントとなっています。

よく田舎の家にこんなウニャウニャした模様の木工とか飾ってたりしますよね。


ちなみに杢は英語でフィギュアと呼ぶそうですよ。





このコップにならないコップは、今現在、職場のペン立てになっています・・・

技術や道具は無くても、工夫と熱意でカバーできますが、基本的な知識だけはどうにもならないですね。

この反省を踏まえ、次のククサ作りにチャレンジします。


続きます。

ククサ 自作のススメ その2 ~どうにか完成編~
ククサ 自作のススメ その3 ~三度目の正直編~























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