ここ数年のガチャガチャブームですが、この四半世紀で状況は大きく変わりました。
何より影響が大きいのは物価高騰。
今は各社が、手ごろな値段をキープしたまま、いかに高品質で、かつ消費者に刺さる物を出せるか?が勝負のキモとなっています。
その中で、やはり強いのは大手の会社。
日本のガチャガチャの元祖「ペニイ商会」の流れを汲む「タカラトミーアーツ」からニッチで素敵なガチャが発売されました。
それが「スター・ウォーズ デジャリック ホロチェス」
ってカプセルだけ見せられてもSWファン以外は何のことか分かりませんよね。
「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」の劇中で、ミレニアムファルコン内でチェス盤の上でホログラム表示されたモンスターを戦わせるゲームが行われていた場面を覚えていますでしょうか?
あのゲームこそ「デジャリック」です。
スター・ウォーズ世界では、銀河中で最も親しまれているゲームという設定です。
盤上にホログラムで表示されてる8体のモンスターが、立体フィギュアとしてガチャガチャでリリースされたんです。
こんなニッチでマニア心をくすぐる一品、買わずにはいられないでしょう!!
商品は、デジャリックモンスター8種でカラーが彩色版とホロカラー版の2パターン、計16種になっています。
という訳で、デジャリックに使われる8種のホロモンスターをご紹介。

こちらは「ギック」の彩色版です。
スター・ウォーズ版のウィキペディア「ウーキーペディア」によると、ギックは惑星ビスのジャングルに生息した昆虫型生物で、ビスの恐ろしいジャングルで頂点に立つ捕食動物との事。
デジャリックのホロモンスターは、設定上「実在した」とされる伝説の生き物や、神話、伝説のモンスターをコマにしているそうです。
ノミのような体型とユーモラスな顔は、そんなに恐ろし気な生物には見えないですね。

続いては「ヌゴック」の彩色版。
ヌゴックは詳細な設定がされておらず、スター・ウォーズ世界でも文献しか残っていない伝説のモンスターのようです。
しかし、もう見た目から恐ろし気ですね。
きっと凶悪なモンスターなんでしょう。
他のデジャリックホロモンスターもそうですが、彩色版は最近のガチャ製品では非常に珍しいくらいに彩色が細かくなっています。

こちらは「モノック」
惑星ソッコーロに起源を持つ知性ある砂漠種族で、槍を使って敵と戦う原始的なハンターだそうです。
動物的な恐ろしさを持つホロモンスターが多い中、数少ない技巧派のコマなんでしょうね。
このガチャシリーズ、素材のPVCがかなり柔らかいため、細かい造形のコマは立たせるのも難しかったりします。
モノックも、特徴である槍をしっかり構えさせるのが難しいですね。
これだけ柔らかいと、可塑剤の染み出しとか経年劣化が気になるなぁ・・・

続いては「キンタン・ストライダー」
惑星キンタン原住のケイ素系生物で、簡素な道具なら扱うことができる種族との事。
雪男とかを彷彿とさせる愛嬌ある姿です。
モノック同様に武器を持ったテクニカルキャラですね。
ガチャのフィギュアは、両腕が別パーツになっていますが、嵌合軸が太い丸軸のため、腕の角度を変える事が出来ます。

こちらは「マンデリアン・セイヴリップ」のホロカラー版。
このデジャリック ホロチェスのガチャ、彩色版のアソート率が非常に低いんですよ。
筐体に補充される出荷パッケージは、ガチャ玉30個で構成されています。
そのうち、彩色版は8種1セットのみ、ホロカラー版が8種2セット、彩色版のバラ3個、ホロカラーのバラ3個、という決まった割合になっているそうです。
なので、彩色版をコンプリートしたい場合、基本的には筐体をカラにする(400円カプセル×30個で12000円!)必要があるそうで・・・
自分はもちろん、そんな予算は避けないので『今のところ』17個回した分で、どうにかトレードし集めたコレクションです。
なので、彩色版は4種、残りはホロカラー版でのレビューとなります。
話を戻して「マンデリアン・セイヴリップ」ですが、今回のラインナップの中では一番デカいです!
惑星オード・マンテルに起源を持つ原始的な爬虫類型種族。巨体と腕力で知られ、成長すると4mを超える個体もいる、という設定。
エイリアンとして分かりやすい見た目の影響なのか、デジャリックでの活躍シーンも多く、種族設定も細かく作られています。

こちらは「クロアスラッグ」のホロカラー版。
クロアスラッグはアウターリムと呼ばれる銀河の外側領域の未開惑星に住む生物で、詳しい生態は知られておらず湿地帯の生物である事しか設定されていません。
しかしこのナメクジ風というか長いボディに凶悪な口、というデザインはスター・ウォーズでは「あるある」のデザインですね。
スペース・スラッグとかサルラックとか。

続いて「フージックス」のホロカラー版。
一見すると犬のような生物に見えますが、左右の手足は背中から伸びた一本ずつの器官から二股に分かれています。
フージックスは惑星キニエンでは人気のペットであると設定されています。
ものすごく大きな口に対して、胴体部分が小さく、どうやって食物を消化しているのかが気になります。
尻尾にトゲがあり、獲物を捕らえるときには電気ショックを流すそうです。
そんな生き物をペットにするの・・・?

最後は「グリンタッシュのモレイトア」
オルデラン人の神話に登場する魔法生物だそうで、単にグリンタッシュと呼ばれる事もあるとか。
非常に複雑な形状の手足ですが、右手は肘から下の部分を床に這わせているポーズが正しいようです。
そもそも、このデジャリック ホロチェスが映画に登場し注目を集めたのは、エピソード4/新たなる希望が公開された70年代では、ホログラムを表現する半透明な映像というのはまだまだ珍しかったんですね。
そのボウっと透き通った感じの再現としては、この半透明のホロカラー版というのは良く出来ていると思います。
さて、ここまでガチャのホロチェス8種をレビューしましたが・・・
記事を書くにあたり、ウーキーペディア等をいろいろ見ましたが、肝心のデジャリックの遊び方が分かりません!
ルールとして分かっているのは、4対4、もしくは5対5で盤上でモンスターを戦わせ、相手側のホロモンスターを全滅させたら勝利、という事。
今回はミレニアムファルコンに搭載されたデジャリックで使える8種のホロモンスターが立体化されましたが、設定では8種以上に様々なホロモンスターが居るとの事。
判明しているのはスクリンプ、バルボス、カルカスという3体。
スクリンプ、バルボスの2体は「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」で確認できます。
カルカスはスピンオフの小説「ラスト・ショット」に出ているそうですが、どんな姿をしているのかは不明です。
こちらはガチャの台紙の画像一部。
まさにミレニアムファルコンにあるデジャリックの本編画像です。
白黒にで円形に分かれたチェス盤に、テーブルのフチには操作装置風の物が見えます。
赤と青のランプが並び、いくつかのトグルスイッチ、そして下側には記号が掛かれた押しボタンが無数に並んでいるのが見えます。
ウーキーペディアによると「各ホロモンスターにはそれぞれ固有の動き方と攻撃方法が設定されており、相手の駒がいるマスに自分の駒を移動させることで、相手モンスターを殺すことができた。」とあるので、このボタンで攻撃方法を入力していると思われます。
我々の世界のチェスのような、決まった動きで駒を取り合うゲームではなく、対戦の要素が強いゲームなんですね。
設定では「銀河系でもっとも親しまれているゲーム」となっているので、ゲームとしての戦略性があり、基本的にはどのホロモンスターでも公平に勝てるチャンスがあるルールのはずですね。
また、デジャリックはホロチェスボードを使わず、実体の駒とサイコロでもプレイする事が出来るそうです。
恐らく、公式なルールは作られないまま、あくまで「劇中内のゲーム」とされる一方、世界中のスター・ウォーズファンがオリジナルルールを考えているんでしょうね。
しかし、こうして8種類が集まると、やはりデジャリックボードが欲しくなりますね。
出来れば安く手に入れたい!
・・・となれば、もう自作するしかない!
で、いろいろダイソー店内を探して買ってきたのがこちら。
そう、お蕎麦を盛る皿です。
水切りの網もついて110円(税込み)
これを選んだ理由は、手頃な大きさであったことに加え、材質がポリエスチレンであった事。
この手のプラ皿はポリプロピレンが使われていることが多いのですが、ポリプロピレンは塗装も接着も出来ないため、加工に向いていません。
皿をひっくり返すと、裏面には商品の説明刻印があったので、やすり掛けして刻印を消します。
この皿、裏のフチからフチの直径がちょうど20センチ。
デジャリックは三重の円になっているので、コンパスカッターを使い、ケガキ線を入れていきます。
中心の円は直径4センチになるように、半径2センチでケガキ。
中間の円は直径12センチになるように半径6センチでケガキます。
その後は、分度器と定規を使い、12分割の線を引いていきます。
ケガキ線が終わったら、タミヤスプレーのアルミシルバーで塗装。
で、見ての通り野外でスプレーしたんですが・・・乾燥時に放置してたらメチャクチャ埃だらけに・・・
何か覆いをかけて乾燥させれば良かった。
銀スプレーが乾燥したら、ケガキ線に合わせてマスキングし、アクリル塗料の黒を筆塗りしていきます。
しかし、これまた広い面積を筆塗りするのが苦手なため、ムラは出来るし筆跡も残りまくるし・・・失敗の連続ですね。
操作パネルまで作るとなると、かなりハードルが上がるので諦めましたが、せめて赤青のランプは再現したい!
と、またもダイソーにラインストーンシールを求めに行きましたが、丁度良い大きさの商品を発見できませんでした。
で、どうせ発光ギミックとかも仕込む予定は無いので、このようなパールのシールを購入し、クリアーレッドとクリアーブルーで塗装しました。
それぞれ12個を塗装しましたが、後から本物(?)はランプが13個付いている事に気が付きます。
でも、もうここまで来たら「俺オリジナルのデジャリック!!」として完成まで進める事にします。
全体にトップコートをスプレーし、パールシールを貼って、デジャリック ホロチェスボードの完成です!
実は最後の工程も失敗がありまして・・・
このパールのシール、接着部分の余白は自分で切らなきゃいけないんですよね。
デザインナイフで一個一個を切るんですが、切ったそばから端部分がパールにくっついたり、粘着シートが柔らかすぎて上手に切れなかったり・・・これまた地味に大変でした。
ホロモンスターのガチャフィギュアを並べ、ようやく完成!!
決してキレイな作品では無いですが、自分ではなかなか満足しています。
俺の脳内設定
「辺境の貧しい惑星の職人が手作業で作っている、廉価版のデジャリックボード。ラカン・インダストリーズ社製のような高性能ではないが、その安さから子供たちの入門編としてそこそこに売れ続けている定番玩具。1人プレイ用の対戦プログラムも、大手の製品に使われている銀河デジャリック協会公認の物はコスト的に使えないため、独自に開発したプログラムを使っている。1人プレイではCPU側モンスターを単色表示する事で子供にも自モンスターが分かりやすくなるように工夫されている。」
ちょっとボードについての記事が長くなりましたが、肝心のガチャフィギュア、めちゃくちゃ良いですよ。
彩色版がなかなか出ないのはアレですが、スター・ウォーズの世界の中でも、種族としてのエイリアンじゃないモンスターは独特のデザインで、マニアにもおススメ出来ます。
何より、今まで出たデジャリック関連商品は高額な物がおおいので、1個400円というお手頃価格で手に入るのは、もうおそらく最後のチャンスですね!
Xで見ても「なかなか売っているのが見つからない!」「あったけど既に空っぽだった!」など、人気のほどが伺えるポストが多数ですが・・・
見かけたら回しまくる事をおススメします!