綿内克幸FSP BLOG

シンガー/ソングライター綿内日記

The New Orleans Social Club

2006-10-04 22:43:21 | MUSIC SELECTION
 手にする量は減ったけど、それでもCDは果てしなく増えていく。自分で買う以外に時々、「綿内君が好きそうなものを」と、まとめて頂いたりもする。
 今回、その中で真っ先にCDプレイヤーに乗せたのがこれ、「The New Orleans Social Club / Sing Me Back Home」。昨夏のハリケーン(カトリーナ)で大打撃を受けた音楽の町・ニュー・オーリンズのミュージシャン達による「わが町を鼓舞する応援アルバム」だ。
 ネヴィル兄弟、Dr.ジョン、盲目のファンキー・ピアニスト~ヘンリー・バトラー等が参加した、カジュアルさが何とも心地良くて癖になる一枚。またあの町へ行きたくなる。

 ニュー・オーリンズ独特のビート‘セカンドライン’は、確か元々埋葬行進曲の発展形だったはず。人が死んだってのに、弾んだビートで送り出すなんてちょっと素敵ではないか・・・・・。

 話はニュー・オーリンズから長野市へと思いっきりそれるが、あれは5年半前の親父の葬式でのこと。葬儀センターだったので、それはそれは何から何までスムースにことが運んだ。商売だから回転率上げてナンボなんだなぁと、坊さんのお経を聴きながらぼんやり思った。高校生の時、結婚式場でアルバイトをしていて、新郎新婦が「お父さん、お母さん、今まで育ててくれてありがとう・・・」と涙ながらに語るクライマックスの扉の裏で、残飯を片付ける為に僕らアルバイトボーイはポリバケツを持って待ち構えていた。それを思い出した。

 葬儀が始まる時、いかにも悲しげな音楽が流れていた。あまりにいかにもなので腹立たしくなって、「これは故人の意に沿わないだろう」と思い、進行役の女性に「止めてくれ」と言い、遺品として飾られていた親父の好きだった哀愁のトランペッター「ニニ・ロッソ」のテープに変えてもらった。「どうだ?これなら少しは気分良くあの世に行けるだろ?」と、僕は心の中で呟いた。

B.G.M. Somewhere / Henry Butler