夕日を遠く蹴とばして 夜がやってきた 木々の梢が 夜の肌深く爪をたてて 流れをとめて凍...

『宇宙戦争』を観た。 僕の中では、観る前から話題作だった。 スピルバーグの監督作品、トム...

張りつめることもなく 淋しい音をたてて弦が切れると ひとつ梢に残った柿のような色をして...

思い起こしたような 数日の暑さが去ると 野の花に触れた 日差しのなかに 少し大人びた顔を...

緑深い山路を ゆっくりと歩く わたしは 一枚の吸い取り紙になりたくて 塚原将『消せない時...

傘をつぼめる 歯切れの良い音をたてて 梢を通ってくる雨を防げるのは 勿体なさすぎる 雨は...

全国的に雨だというので なんとなく気がやすまった 塚原将『消せない時間』より

雨の先端から 雨が地面に着く直前に とびたっていったものが 群れをなして 塗れ切った木の幹...

あなたの過去を 虫ピンで止めて 酒を飲んでいると 冷え冷えとした銃声が いちばん暗い部分を...

ポケットの中に 思いきり放りこんで そのくせ諦めることの出来なかった 二枚の使わなかった切...