Frifot fan in JAPAN

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アレ・メッレルのマンドーラ

2006-08-17 11:13:59 | フリーフォート
最近フリーフォートのメンバー、特にアレが使う楽器について興味をお持ちの方が多数いらっしゃることがわかりましたので、ボクのわかる範囲で説明することにしました。

まず写真をご覧ください。
アレが2004年ジャパンツアーに持ち込んだ、特製マンドーラです。
元となった楽器はブズーキです。
しかしこのヘッドを見るだけで、通常のギリシアやアイリッシュのものとはまるで異なったものであることがわかります。

通常ブズーキは複弦で4コース、計8本の弦が張られています。しかしこのマンドーラは複弦5コース、計10本の弦が張ってあります。つまり1コース(写真で見る限りおそらく低音側)多い。
しかもただ弦が増えているだけではなく、4コース目が1音半、5コース目はさらに半音ほど低くチューニングが出来るように、0フレット位置を変えてあります。
(わかりやすくするために写真に0のマークを入れてあります)
こうすることによってより幅広い音域を確保することが出来、またより低い音を出すことが可能となります。

そしてCのマークを付けたところには、ピンポイントで音程が変えられるように、ねじ式のカポタストがついています。
これによって低音弦側の音程を瞬時に変えることが出来ます。
複弦のチューニングには時間がかかるののと、何音もの音程差を同じ長さの弦で作るわけにはいかないので、こういう方法を取ったのだと思われます。
写真では二箇所にしかカポはねじこまれていませんが、低音側3コースの数箇所所にメスねじが埋め込まれていました。
アレは曲によってねじを移動し、演奏していました。
しかも使わない時のために、ネックの根元にねじ収納穴まで開いてました。

次にFマークを付けた場所、ここには1フレットを2分割するための補助のフレットが打ち込まれています。
これは半音のさらに半音、つまり1/4音を出すための仕掛けです。
これによってトラッドで必要な微分音を演奏することが出来ます。
面白いことにそれが1弦分や4弦分だけだったりして、指板全部をカバーしてないのがわかります。
写真はローポジション部分しか写ってないのでよくわかりませんが、この部分フレット、結構ハイポジションの方まで打ってありました。

調弦についてですが、アレに確認しなかったのでどうなっているのか不明です。
通常ブズーキの正調調弦は高いほうからD/A/F/Cという風になっているようで、要はギター高音部4弦をそれぞれ1音づつ低くしたもの。
しかしアイリッシュ・ブズーキなどではまた違う調弦をするらしく、このことに関しては申し訳ありませんが、よくわかりません。
実はこのマンドーラ、ちょっと弾かせてもらいました。
最初に開放で音を出した時、通常ギターで聴きなれた響きではありませんでした。
さらにとりあえずギターコードの押さえ方をしてみたのですが、きれいな和音になりませんでした。
おそらく独自のチューニングを施しているのでしょう。
また曲によって時間をかけて調弦しなおしてる現場も目撃してます。

以上がボクのわかる範囲でのアレのマンドーラに関するレポートですが、実はまだ書きもれていることもあるので、それは証拠写真とともに、あらためてアップすることにします。

尚、この楽器、アレ・メッレルのためにつくられたカスタムモデルだそうで、販売はされてないそうです。



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