平準化という病。 - カトカト日記 ~霊園・墓石の株式会社加登 公式ブログ~

平準化という病。


とあるドライブスルーにて。

僕: 「単品で、○○ひとつ下さい」
店員さん: 「○○がおひとつですね」

僕: 「はい、以上で」

店員さん: 「かしこまりました、ご注文は以上でよろしいでしょうか?」

・・・・・・・・・・・・え?  僕のアタマはひそやかに、しかし猛烈なスピードで回転をはじめる。

「以上で」って、言ったよね?(0.04秒)
店員さんの真意やいかに。

(1)早くも今年のレコード大賞の行方が気になり、僕の言葉を聞き逃してしまった。(0.36秒)
(2)○○ひとつしか頼んでない時点で既に気後れしている僕に、追加オーダーを促している。(0.94秒)

・・・・・はい、そこまで。
正解は76番の「マニュアルにそう書いてあるから、そう聞いた」でした。

思いがけず、気まずい沈黙が流れる。
店員さんは店員さんで僕が「以上で」って言ったのを承知している。

降参。勇気ある撤退。
僕: 「・・・・・い、以上で」

店員さんの、心なしか弾んだ声がスピーカーから飛んでくる。
「ご注文繰り返します、○○がおひとつ、以上でお会計○○円になります」

ノックダウンされた相手に殴りかかる荒くれボクサーの勢い。
もう、好きにして下さい。
レフェリーよ、もうこの人を止めないで下さい。


こういうことって、結構ありませんか?
全国展開って、そういうことなのかなあ。

どの地域のどの店舗に行っても、安定したサービスを享受できる。
期待以上でも期待以下でもない接客と商品。
この「期待以下でない」っていう安心感で国中を埋め尽くさんとする情熱こそが、敗戦に打ちひしがれたはずの戦後日本が成し遂げた、近代史上でも稀に見る驚異的な経済成長の原動力だったのは否めないところです。

しかし、しかしですよ。

まあ、業態も業種も全く違うので単純に比較はできませんが、お墓というデリケートな商材を扱う我々としては、そういうのどうなんだろ?
と思わずにはいられません。

お墓を買いに来られる方々には、それぞれに物語があります。
その多くは、当然ながら悲しい物語です。

ひとつひとつ異なる質を持った内なる悲しみの声に耳を傾け、お客様の家族構成やお住まい、もちろんご予算なども考慮に入れつつ、最適なお墓をご提案すること。
スロウフードの域すら越えた、もはや薬膳料理の世界と言っても過言ではありません。

時に謝った処方を施し、お客様の意に沿わぬこともありましょうが、我々加登の目指す境地はそこにあります。






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