いわゆるヒッツキムシの一種としてよく知られるヒナタイノコズチ。クサビのように鋭い鉤が生えそろったまがまがしい実が生えそろっている。この草の近くを通った野良猫は災難だ。毛についたイノコズチを舐めて取らなければならない。かわいそうに。それでも根は生薬として使われるらしい。「和名の由来は、茎の節のふくらんだところを猪の膝頭に見立てたところからきている」という。
(2019-09 川崎市 道端)
ヒナタイノコヅチ(日向猪子槌、学名: Achyranthes bidentata var. fauriei)は、ヒユ科イノコヅチ属の多年生草本。日当たりのよい道端や原野に生える雑草である。
和名は、イノコヅチ(ヒカゲイノコヅチ)よりも日当たりのよい場所に生えることから。
特徴
根は地中深くに伸び、引き抜きにくい。
茎は節で枝分かれする。
葉は対生。
花期は8-9月で、緑色の小花を咲かせる。果実は人の衣服や獣の体に付着し運ばれる。
分布・生育地
中国および日本に分布する。日本では、北海道の一部、本州、四国、九州に生える。
利用
本種または A. bidentata(本種の基本種)の根を乾燥させるとゴシツ(牛膝)という生薬になり、月経不順、利尿、腹痛、関節痛、強壮などに利用される。牛膝は牛膝散、折衝飲などの漢方方剤に使われる。