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フクジュソウの野生の変種「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)

2023年02月16日 07時37分57秒 | 

フクジュソウの野生の変種「ミチノクフクジュソウ」。絶滅危惧種である。神代植物公園では三種類のフクジュソウを大切に育てている。

(2023年春 東京)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)

「ミチノクフクジュソウ」

ミチノクフクジュソウ AdonismultifloraNishikawaetKo.Ito 絶滅危惧I類
(環境省:絶滅危惧II類) 離弁花植物キンポウゲ科
選定理由 既知のすべての生育地で生育条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。また、既知のすべての個体群がその再生産能力を上回る採取圧にさらされている。 写真を拡大表示します
形態の特徴 高さ20cm前後になる多年草であるが、開花時の高さは4cm程度と小さい。花は黄色で径3cm程度。フクジュソウに非常によく似ているが、茎につく花は必ず一つで、茎が中空であること、開花時期が遅いことなどから区別できる。
生育環境 山地帯の落葉広葉樹林下や草地に生育。疎林を好み下層植生が密生した樹林には見られない。
生活史 開花は4月頃で、開花時は背丈が低いが開花後に茎が伸びて葉が広がる。また、5月下旬頃には結実して初夏には地上部分は枯れる。
分布状況 本州、九州に分布。県内では飛騨地方に確認記録がある。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 過度の採取及び生育環境となる落葉広葉樹林の減少。フクジュソウ類は山野草として非常に人気が高く採取により急激に減少している。また、本種はどちらかといえば"里山"的な環境に生育するが、里山の落葉広葉樹林や草地は、かつて燃料材・かやなどの供給源として維持管理されてきた二次林である。しかし、現在では利用価値がなくなったため伐採されたり、現存する林も放置され植生の遷移により林の環境が急激に悪化している。
保全対策 調査などで確認された場合、確認場所の特定できないような公表のしかたが必要。本種の生育環境となる二次林は、そのまま手をつけずに保全するよりもむしろ除伐や草刈りなど積極的な環境管理が必要である。