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マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

加害者であり被害者でもあり・・・

2009-11-14 20:07:31 | パレスチナかイスラエルか
本日は、イスラエル軍の元兵士の団体(the Disabled IDF Veterans Association:ארגון נכי צה"ל)とイスラエル軍の丁々発止を紹介。

先攻(?)は、今週月曜に Tel Aviv で行われた元兵士達の団体による抗議デモ。
正確には、別の場所で先週から抗議デモを行っていたらしいが・・。
・Disabled IDF vets block TA junction to demand benefits(2009年11月9日 jpost.com)
・מסיבת עיתונאים – ארגון נכי צה"ל
(2009年11月11日 inz.org.il;ヘブライ語)

これに続いて、水曜日には国会(Knneset)の前で抗議デモを行った。
・Disabled IDF veterans protest outside Knesset (2009年11月11日 yentnews.com)

ま、イスラエル軍に限らず、任務中に負傷して障碍が残る人達の社会復帰をどう進めるかってのは、世界中の国々が軍隊を抱えてる以上避けて通れないんだよな。
(当然日本の自衛隊も例外ではない。つーか、そろそろ「自衛隊」を自称するのを止めたら?)
とはいえ、それへの対策ってのは遅れがち(米国がいい例だ)。
遺憾(?)ながら、イスラエル軍も例外でなかった模様。
爆弾を買う金を出しても、負傷した兵士達への支援をする金は出さな(略


話を戻す。
今月11日に Knneset の労働・福祉・健康委員会では、イスラエル軍が一応設立したリハビリ施設が機能してないという非難が出た。
これに関連して、Knneset のメンバーが色々語っていたのだが・・・。
以下、2009年11月11日分 ynetnews.com『Disabled IDF veterans~』から、その部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
MK Ruhama Avraham (Kadima) criticized the Defense Ministry for taking care of budgets but failing to transfer them to its people. "I feel a great sense of shame as a citizen facing soldiers who have taken part in battles. When they ask for a security budget they receive it. It's a disgrace that these people are fighting over a catheter, while the defense minister goes abroad with a budget of millions."

MK Moshe Matalon (Yisrael Beiteinu), who has served as chairman of the Disabled IDF Veterans Association, spoke about the difficulties in working with the rehabilitation departments.
"There is no choice. You have to talk with the rehabilitation department, and the rehabilitation department is a monopoly. At the end of the day, we have to sit down and talk."
(以下略)
---- 引用以上 ----

防衛相が何百万シェケルも使って国外に行くのはともかく。
イスラエル軍のリハビリ施設が機能してないという非難については、任務中の兵士を怪我させて後遺症を残すくらい危険な状況をつくってるイスラエル政府や軍上層部は深刻に受け止めるべきでは?
Disabled IDF Veterans Association の主張に幾分誇張があるにしろ、ね・・・。


で、後攻(?)のイスラエル軍。
こっちの対応がまたぶっ飛んでいた。
今月10日にも行われた抗議デモの傍ら、負傷した元兵士達に感謝の意を示す式典を行ったのだが・・・。
・בלי מחאה, עם חיבוקים
(2009年11月12日 dover.idf.il;ヘブライ語)

当然のように、式典にはイスラエル軍総司令官 Ashkenazi 氏が出席し、負傷した元兵士達に感謝の意を示していた。
が、その発言が見事なものだった。
以下、2009年11月12日分 dover.idf.il『בלי מחאה, עם חיבוקים』から、Ashkenazi 氏の発言部分を引用する。
ただし、下に適当日本語訳をあてておく。

---- 以下引用 ----
(中略)
מעל דוכן הנאומים, הרמטכ"ל לא נשמע אחרת: "צה"ל כולו עומד אחריכם, לכל אורך השנה. אתם לא לבד, זאת אתם חייבים לדעת. כשאתם נאבקים על הפעולה הפשוטה ביותר במהלך השיקום, דעו לכם שהצבא כולו מחזיק לכם אצבעות. אתם מגלמים סמל לגבורה והקרבה, שהם המענה הטוב ביותר להשתמטות. כיוון שכך, מחויבות צה"ל לפצועיו היא בעינינו ערך מקודש".

הרמטכ"ל אשכנזי הוסיף ואמר כי "צה"ל נדרש לפעול גם השנה. רק לפני פחות משנה חזרנו מסמטאות עזה. מי שליווה את הלוחמים ראה שלא היה צורך לשאול למעשיהם. הם נכנסו אל השטח בלילה, בעלטה גמורה. מאחריהם השאירו את אורות הקיבוצים והמושבים שבעוטף עזה והאורות הלכו והתרחקו מהם. הם ידעו לאן נשלחו ועל כן מהווים בהחלט מקור לגאווה. אני גאה לעמוד בצבא שאלו חייליו ומפקדיו".
(以下略)

[以下適当日本語訳]
(中略)

[式典に参加した負傷した兵士の1人が演説した後]
演台の上で、総司令官は異を唱えなかった:「いつだってイスラエル軍は君を守る。一人じゃないんだってことを覚えておこう。リハビリという単調な任務と戦う時も、仲間に守られてることを忘れるな。勇気と犠牲の象徴が君の体に刻み込まれ、死を(最高の答え?)防ぐ。そのように、傷ついた兵士達の貢献は、私達にとって神聖な価値がある」

Ashkenazi 総司令官はこう付け加えた:「イスラエル軍は今年中に行動を起こさなければならなかった。約1年前に Gaza 地区に出兵したのはそのためだ。作戦に加わった兵士達には、出撃を命じる必要は無かった。夜になって完全な闇の中を Gaza 地区に入った。Gaza 地区周辺にあるキブツの住居から出る光は遠く離れ、光は届かなかった。兵士達は、出兵された場所がどのような場所なのかを理解していたし、そのことを誇りにしている。こうした(あなた方のような)兵士達が軍にいることを誇りにする」
(以下略)
---- 引用以上 ----

・・・わけわかんね~(日本語訳が)。

つーか、負傷した元兵士達が抗議デモをしてるさなかにこういう式典を行ったことを喧伝するのは、自称「モラルが世界一」のイスラエル軍の面目躍如・・・なのか?
いずれにしろ、Disabled IDF Veterans Association の突っ込みにありえないボケで返した感が否めない。


それはそうと。
今回ネタにした負傷した元兵士達ってのは、ある面で加害者でありながらある面では被害者だったりするんだよな。
イスラエル国内・パレスチナの人達・周辺諸国の人達に危害を加えたかもしれない、という意味で加害者・・・。
しかしその裏で、イスラエル政府の政策で危険にさらされる任務に就かされた、という意味で被害者、って所だが
そんなもんだから、俺としても扱いに困るわけで(苦笑)。

一体どうなってるのやら・・・。


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