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どうやって教訓を学ぶんだよ

2008-12-30 21:33:48 | パレスチナかイスラエルか
先週土曜日から始まった、イスラエル軍による Gaza 地区への空爆によるテロ。
この件について、2008年12月29日分朝日新聞4面で、駐日イスラエル大使と駐日パレスチナ代表が、それぞれの見解を述べてた記事が掲載されていたのだが・・・。


この記事を書いたのは、石合 力氏。
空爆開始翌日のインタビューだけに、双方の主張は見事に食い違っていた。
まずは、駐日パレスチナ代表ことワリード・アリ・シアム氏のコメントを書き起こしておく。

---- 以下書き写し ----
シアム・パレスチナ駐日代表

攻撃は、2月の総選挙で支持を得たいイスラエル与党の党利党略だ。
ほとんど死者の出ていないロケット弾攻撃の報復として一般民衆を含む200人以上が殺害された今回の攻撃を強く非難する。
武力行使は、過激派の行動を更に過激にし、暴力の連鎖を招くだけだ。
ハマスを弱める最善の手段は、イスラエルが全占領地から撤退することだ。
一方でハマスは、ガザ住民150万人を人質に取り、民衆を危険にさらしている。
こんな「抵抗」は、受け入れられない。
パレスチナ民衆は、イスラエル、ハマス双方の犠牲者だ。
日本には医薬品などの緊急支援を求めたい。

---- 書き写し以上 ----

ハマスの「抵抗」を非難できる資格がイスラエルの機嫌ばかりとってきた暫定政府にあるのやら、と思えるがね。
シアム氏の発言は、Gaza 地区をこういう状況に追い込んだ原因が暫定政府のこうした態度にある、ってのを無視してるぞ。


だが、シアム氏のコメントがが全然マシに思える発言をしたのが駐日イスラエル大使ことペンシトリット氏。
あまりのイカレっぷりに、怒りを通り越して大爆笑してしまうほどの発言をしていた。
実は、↓でも謎発言をしていたのだが・・・。
・【ガザ空爆】「堪えうる限界を超えていた」駐日イスラエル大使(2008年12月29日 MSN産経ニュース)

以下、ペンシトリット氏のコメントを2008年12月29日分朝日新聞の記事から書き写しておく。

---- 以下書き写し ----

ペンシトリット・イスラエル駐日大使

日本の都市に隣国から毎日ミサイルが飛んでくる状況を考えて欲しい。
ハマスによるガザからのロケット弾攻撃は、イスラエル市民の死傷者の数にかかわらず、止めさせなければならない。
もはや我慢の限界というのが政府の立場だ。
その意味で、ロケット弾の製造工場や発射場所を狙った攻撃は正しい決定だ。
各党とも支持しており、総選挙目当てとの指摘は当たらない。
パレスチナ民衆の犠牲は残念だが、責任は人口密集地で作戦を行うハマス側にある。
ガザの民衆には、ハマスによるガザ支配を変えるべきという教訓を学んで欲しい。

---- 書き写し以上 ----

もう最初からトンデモ発言と来たもんだ。
弾道ミサイルと高々射程数km のロケット弾を[安全保障の]比較対象にするとは、イスラエルの外交官は随分面白い考え方をするもんだな。
意味がわからない。

また、「我慢の限界云々」と言ってるが、その後の「ロケット弾の製造工場~」という発言とかを踏まえると、最初からイスラエル政府は Gaza 地区への空爆を狙っていたように思える。
「我慢の限界云々」というより、「空爆をやりたくてしょうがなかったんだ」と言い換えたほうが正解だ・・・。

だが、ペンシトリット氏の発言で一番問題なのは最後の行。
ペンシトリット氏の発言が正しいと認めるのならば、ジンバブェの Mugabe 大統領[俺としては退陣して欲しいけどな]を大統領の座から追い出す際、[Mugabe 大統領に投票させられた]ジンバブェの人達を犠牲にしても構わないということになる。

ってのはともかく。
そんな理由で多くの犠牲を生んだ挙句、「教訓を学んで欲しい」なんてのはとんでもない話だ。
ペンシトリット氏は、散々空爆(多分イスラエル軍が侵攻すると見た)を受けた後 Gaza 地区の住民が Hamas 支配を終えて欲しいなんて言い出すと思ってんのか?
イスラエルは、5年半前米軍がやらかしたイラクでの失敗を全然活かして無いわ。


無論、イスラエル政府が過去の失敗に何も学んで無いってわけじゃない。
特に、国外へのメディア対応は、2006年の第2次レバノン侵攻の反省から相当力を入れていたらしい・・・。
・'Coordination is putting Israel ahead in the media war'(2008年12月30日 jpost.com)

過去の事例から教訓を学ぶ際、イスラエル政府が学んだ内容が間違ってる気がするのは俺だけか?


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