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終身刑設置を求める人達

2008-05-05 18:18:16 | 時事ネタ(国内)
なんか、終身刑の設置を求める議連が発足したらしいが・・・。
・死刑賛成派も反対派も「終身刑を」 超党派で議連発足へ(2008年5月3日 asahi.com;web魚拓)

この議連の名前は、「裁判員制度の導入の中で量刑制度(死刑と無期懲役のギャップ)を考える会」(仮称)。
asahi.com から、議連発足の理由に関して述べてる部分を引用しておく。
---- 以下引用 ----
(中略)
現行法では、死刑に次ぐ重い刑は無期懲役。
しかし、法務省によると、平均25年程度で仮釈放されており、死刑より軽く無期懲役よりは重い刑として、終身刑の創設を求める声が少なくなかった。

 平沢議員は議連の意義について「死刑廃止論とは相いれないが、終身刑の創設の部分では一致している。平行線の存廃論議と切り離し、裁判員制度で市民が悩むことになる前に解決しなければいけない」と強調する。
参加予定者の中には、山口県光市で起きた母子殺害事件の死刑判決をめぐり、「終身刑の必要性を考えるきっかけになった」と話す議員もいるという。

 裁判員裁判にあわせた終身刑の創設をめぐっては、「死刑廃止議員連盟」(会長=亀井静香・国民新党代表代行)が先月、死刑判決に関しては裁判員6人と裁判官3人の全員一致を条件とする特例法案とあわせた形で「死刑慎重化法案」をとりまとめている。(市川美亜子)
---- 引用以上 ----

刑期が平均25年ね・・・。
実は、この平均25年ってのは、2006年度年間統計のうち「矯正統計」によるもの。
(↓のファイルは2007年度矯正統計がでたら消える可能性があるので注意)
・2006年度 矯正統計(www.moj.go.jp; .pdfファイル)

この「矯正統計」によると、平成18年度(2006年度)に仮出所した無期懲役受刑者は3人(・・・)。
仮釈放者3人の平均受刑在所期間は約25年1ヶ月で、仮釈放までの期間は全員20年以上かかっている。
これだけ服役期間が長いと、仮釈放された元受刑囚の社会復帰は相当厳しいと思ふ。
いや、本当の話。

ただ、無期懲役刑で服役した人達の仮釈放までの平均刑期(?)は、実は長くなりつつあるんだよな。
裏には、平成10年(1998年)6月に最高検察庁が出した通達が効いてるらしいが・・・。
・特に犯情悪質等の無期懲役刑確定者に対する刑の執行指揮及びそれらの者の仮出獄に対する検察官の意見をより適正にする方策について(依命通達)(2002年1月31日 jca.apc.org)
・「悪質事件」の無期懲役囚、検察が仮釈放を「制限」(2002年1月31日 jca.apc.org)

一応、jca.apc.org から(jca.apc.org の記事自体2002年1月8日朝日新聞夕刊記事の引用だけど)、最高検察庁が通達を出した理由と無期懲役囚が仮釈放されるまでの平均服役期間の推移について述べてる部分を引用する。
---- 以下引用 ----
(中略)
具体的には、地検や高検は最高検と協議。
指定事件に決まると判決確定直後にまず、刑務所側に「安易に仮釈放を認めるべきではなく、仮釈放申請時は特に慎重に検討してほしい」「(将来)申請する際は、事前に必ず検察官の意見を求めてほしい」と文書で伝え、関連資料を保管する。

 その後、刑務所や同委員会から仮釈放について意見照会があった際に、こうした経緯や保管資料などを踏まえて地検が意見書を作成する。

 これまでは、意見を聴かれても、事件の捜査や公判を担当した検事が異動などで地検におらず、「お任せする、というケースが少なくなかった」(検察関係者)という。通達は、こうした状況を改めることで仮釈放の時期を適正なものにする、としている。

「死刑と無期懲役の差が大きすぎる」との指摘に加え、当時、検察内部で「無期懲役刑が実質的に軽くなりすぎている」などの議論があったといい、通達は「終身か、それに近い期間、服役させるべき受刑者がいると考えられる」と明記したうえで、手続きを指示している。

 法務省によると、2000年の1年間に仮釈放された無期懲役受刑者の平均服役期間は21年2カ月。
77年から88年までは約15~16年だったが、89年には18年10カ月となり、95年以降は20~21年で推移している。
また、00年夏時点で、無期懲役刑確定者のうち40年以上になる受刑者は17人。
うち2人は50年を超えていた。

(元ネタは2002年1月8日朝日新聞夕刊記事)
---- 引用以上 ----

この調子でいくと、2020年には無期懲役囚が仮釈放されるまでの刑期が30年になるのかな、と適当なことを思ってみた。
じゃなくて。
4半世紀以上も社会から隔離された上、仮釈放後も社会復帰が困難な状況が元服役囚に待ち受けると考えれば、無期懲役の方が死刑よりキツい刑罰という見方もできなくもないんだよな。
一方、終身刑ってのは服役囚に別の苦しみを与えるらしいし。
それについては今回は触れないけど・・・。


今回発足した終身刑を求める議連が、無期懲役や終身刑の問題点をきちんと議論してくれればありがたいところだ。
単に、厳罰化を求める世論に従うだけだと議連の存在する意味も無くなるしね・・・。


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1 コメント

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終身刑は誰のため (民主党は日教組と在日の政党)
2009-08-08 14:33:55
民主党は死刑を廃止して「仮釈放のない終身刑」にすることを主張している。
民主党は、被害者の遺族らも納めている税金で、殺人者に対して終生、食事と医療を保証したいのだろう。
死刑の持つ殺人抑止効果は無くならないのだろうか。
被害者の遺族への配慮より、犯罪者への配慮を優先するのだろうか。
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