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マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

Theatre of boycott Israel vs anti-boycott Israel

2010-11-16 20:31:36 | パレスチナかイスラエルか
昨日のことになるが、Tel-Aviv にある Tel-Aviv Performing Center という劇場前で、イスラエル政府に対し『アパルトヘイト政策を終わらせる』ことを求める抗議デモが行われた。
・Activists call for 'end to apartheid' outside of TA center(2010年11月15日 jpost.com)
・Leftists chant 'stop Apartheid' outside Tel Aviv opera(2010年11月15日 ynetnews.com)
・טונים צורמים: "די לאפרטהייד" באופרה בת"א
(2010年11月15日 ynet.co.il;ヘブライ語)

つか、なんで劇場前で抗議デモが行われたのか?
そもそも、今月12日~今月27日までこの劇場では、南アフリカのケープタウンオペラ団(?:the Cape Town Opera)による『ポーギーとベス(Porgy & Bess)』の公演が行われる予定らしい。
以下は、Tel-Aviv Performing Center の公式サイトに掲載されていた公演スケジュールの魚拓。
・Porgy & Bess(israel-opera.co.il;web魚拓)

ただ、このオペラ団が Tel-Aviv で公演する件については、Desmond Tutu 主教が公演中止を呼びかけてたんだよな。
・Desmond Tutu calls on South African opera company to boycott Israel(2010年10月27日 guardian.co.uk)

もっとも、オペラ団の団長はこの呼びかけを豪快に無視したけど・・・。


話を戻す。
昨日行われた抗議デモでは、『Porgy & Bess』で使われていた曲を使ってイスラエル政府の姿勢を非難していた模様。
以下、2010年11月15日 jpost.com『Activists call for 'end to apartheid'~』から前半部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
Shortly before the premier of the opera "Porgy and Bess," at the Center for the Performing Arts in Tel Aviv, which was set to be performed by actors from the Capetown Opera House in South Africa, left-wing activists waved signs and shouted: "Palestine, life there is not easy," and "Fascism is at the door."

The activists, creating their own version of a song featured in opera, chanted: "Today you came to hear a story from long ago, a quite painful story, that touches the heart, oh, that reminds me of here. Stop the apartheid, enough, it's time."
(以下略)
---- 引用以上 ----

『Porgy & Bess』で扱ってるテーマを考えると、こういう主張になるのも止むなしか。


一方、この抗議デモのすぐ近くでは、右曲りの方々によるデモが行われていたのだが・・・。
以下、2010年11月15日分 jpost.com『Activists call for 'end to apartheid'~』から中盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
Across from the left-wing activists, a right-wing group waved Israeli flags and held signs reading "We are all Israel, we are all Ariel[入植地の1つ]" in reference to recent calls by Israeli artists to boycott a new cultural center in the West Bank settlement of Ariel.
The right-wing activists also chanted: "Ariel residents serve in the Army and protect you so that you could go see plays, shame on you."
(以下略)
---- 引用以上 ----

Ariel 入植地での舞台上演支持、ね。
そもそも、Ariel 入植地での舞台上演については、米国の俳優達がボイコット運動に参加してるんだよな。
それと同時に、イスラエルの俳優や脚本家達の中にもボイコット運動に賛同する人が出ているのだが・・・。
・U.S. actors back Israeli boycott of West Bank theater(2010年9月6日 Haaretz.com)
・Israeli artists boycott new theater in settlement(2010年11月8日 businessweek.com;AP)

無論、イスラエル政府からボイコット運動に反発する意見が出たのは言うまでもない。
天下の Avigdor Liberman イスラエル外相は、ボイコットに参加した俳優や脚本家達にイスラエル政府が行っている活動資金援助を中止するべき、と言ってたし(手抜き)。
・Yisrael Beiteinu: Israel must not fund artists who boycott settlement arts center(2010年11月7日 Haaretz.com)

今日は今日で、Ariel 入植地での舞台上演に対するボイコット運動の仕掛け人達(?)と Limor Livnat イスラエル文化・スポーツ相が話し合いをするらしいし・・・。
・Culture minister to meet Ariel arts center boycott organizers(2010年11月15日 Haaretz.com)

まさに、ボイコット運動の舞台・・・。


にしても。
この手のボイコット運動に関する日本の俳優や演出家や音楽家達の関心の薄さってなんだろうな?



オマケ:LA Opera による、オペラ『ポーギーとベス』の本当に一部を紹介した動画。

Porgy and Bess



しかし、『Porgy & Bess』ってのは、古典であると同時に様々な問いを投げかけるブツかもしれん。
というのも、原作の小説(1925年に Edwin DuBose Heyward 著)ってのが、米国の貧しい黒人街を舞台にした悲劇(と俺は感じた)なんだよな。
で、この小説やオペラに映画の背景には、米国における人種差別や貧困の構造なんてのが反映されてるのは当然の流れで。
そして、小説作成やオペラ制作において黒人文化の収奪なんてのが行われたらしいが・・・。
この作品の概要は↓(手抜き)
・ポーギーとベス(オペラマニア!)
・Porgy & Bess(Classical.net)

LA Opera の動画と上2つの記事をチラ見して感じたのは、白人を登場「させない」ことで黒人街の日常における白人の「不在」を表現したかったってこと。
裏を返せば、原作の小説が書かれた時代において白人と黒人の壁が(現在もそうかもしれんけど)想像以上に高かったことを示してるわけで・・・。


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