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マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

自分たち「が」共通番号(の数字の並び)を決められるはずないのだが

2012-02-14 20:49:26 | 時事ネタ(国内)
何か知らんが、日本国籍を持つ人に対し共通の番号を与える制度を設立するための法案が国会に提出されたらしい。
・国民の理解カギに=認知度向上が課題-共通番号法案を国会提出(2012年2月14日 時事ドットコム)

以前からこの制度の導入を望んでいた人達が喜びそうなこの話。
以下、2012年2月14日分時事ドットコム『国民の~』を全文(略

---- 以下引用 ----
政府は14日、社会保障と税の共通番号「マイナンバー」の関連法案を国会に提出した。
参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」の下では法案の行方は不透明だが、自民、公明両党なども導入を唱えており、実現に向けた環境は整いつつある。
ただ、国民一人ひとりに関わる問題にもかかわらず認知度は低い。
国民の理解を得るため、政府自身の一層の説明努力が欠かせない。

 共通番号は既に世界の主要国で普及しているが、日本では所得を把握されたくない自営業者らが抵抗し、導入が遅れていた。
この情勢が変わったのが2007年に発覚した年金記録問題。
古い年金情報が共通番号で管理されていなかったことが転職、改姓時などの記録ミスを招いたとされ、導入の機運が高まった。
 所得把握の精度が上がるため、脱税や社会保障の不正受給抑止につながる。
初期投資額は2000億円前後とみられるが、国や自治体間の個人情報のやりとりが効率化でき、年1000億円以上の経費削減が可能とされる。

 まず政府に求められるのは国民への周知だ。
政府は2014年6月に番号を交付、15年1月以降の利用開始を目指している。
内閣府が実施したアンケートでは共通番号が「必要」と答えた人は57.4%と過半数を占める一方、内容を知らない人は8割を超えた。
古川元久国家戦略・経済財政担当相は「周知していかないといけない」と話す。

 一方、個人情報の漏えいや不正利用を懸念する声もある。
法案には独立性が高い監視機関の設置や厳しい罰則を盛り込んだが、多くの行政機関などが情報を共有すれば流出の危険性も高まる。

 日本では1980年、個人番号を使って非課税少額貯蓄の架空口座開設を防ぐ「グリーンカード」の関連法が成立したが、預金流出に見舞われて導入が見送られた[おまけ参照]。
共通番号法が成立しても国民の理解が浅いままでは導入前に異論や不安の声が噴きだし、同じ轍(てつ)を踏む恐れもある。
---- 引用以上 ----

この共通番号制については、個人情報の流出とか民間企業の利用に伴うリスクを JCP も指摘してるのだが・・・。
・社会保障の給付減狙う共通番号法案 提出へ(2012年1月4日 jcp.or.jp)

俺はこの制度自体「ヤナカンジ」だけど、とってつけた感全開の「マイナンバー」は更にそれを強めてるとしか。
だって、「マイナンバー」を強引に英語表記すると "My Number" だし、「自分の」番号 って意味合いがあるし。
ついでに、自分「から」共通番号をつけられることを望んだって意味も含まれるし・・・。

そもそも、この制度で本当に誰が得をするのか?
正直俺には見当がつかないけど、少なくても共通番号を与えられた人達じゃないと思われる。
だいたい、誰が自分「から」共通番号をつけられることを望むのか?
俺には分からない。


つか、共通番号制度を「マイナンバー」制なんて言い出したのはどこの誰なのやら・・・(ため息)



おまけ:「グリーンカード」ってのは、正式には『少額貯蓄等利用者カード』というなんだか妙な名称だったりする。
時事ドットコムの記事における「グリーンカード」関連法の1つには、1980年に可決された所得税法を修正する法律がある。
・法律第八号(昭五五・三・三一):所得税法の一部を改正する法律(1980年3月31日公布;2012年2月14日最終アクセス shuginn.go.jp)

本来は、1984年1日1日から正式に「グリーンカード」制度を導入する予定だった。
しかし、この制度の導入を見越して、銀行の預金が郵便貯金に流れるという事態になってしまった。
この裏には、導入時期に関する「落とし穴」があったようで・・・。
・第2号 昭和55年1月29日:第91回 国会 大蔵委員会 第2号(1980年1月29日 kokkai.ndl.go.jp)

以下、1980年1月29日分 kokkai.ndl.go.jp『第2号 昭和55年1月29日~』から、坂口 力氏と 高橋 元大蔵省主税局長の答弁部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
○坂口委員
時間が迫っておりますので、もう一つだけお聞きしておきたいと思います。
 利子配当課税に絡みましてグリーンカードの問題が今度提示されました。
このグリーンカードの問題につきましては、金融界からもいろいろ意見が出ておりますことを私どもも知っておるわけであります。
私どものもとにも、各金融界からかなりいろいろの陳情みたいなものも実は来始めているわけでございますが、特にきょうの新聞等にも出ておりますけれども、このままでこのグリーンカードが導入をされれば郵便貯金の方にかなり流れるのじゃないか、そして郵便貯金の中で脱税の隠れみのになる可能性もある、こういう意見が出ていることも事実であります。
これに対して、いやそんなことはないのだという大蔵省の方針等がありましたら、ここでひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。

○高橋政府委員
近々所得税法の改正の案を当委員会にお出しをいたしまして御審議をいただくわけでございます。その中に、仰せのグリーンカードの新しい制度につきましても盛って御審議いただくわけでございます。
 グリーンカードの制度がどういう趣旨で導入が必要かということについていまさら改めて申し上げるまでもないと思うのでございますけれども、非課税貯蓄、この中には当然郵便貯金が入ります。
非課税貯蓄について統一的かつ簡明に本人確認を行う、それから非課税貯蓄の限度額の中で個々の預金の管理の適正化を図るというのが第一の目的でございますが、あわせて課税の対象になります貯蓄、これにつきましても本人の確認と支払い調書の名寄せができるような制度、これがその趣旨でございます。
 こういう趣旨の非課税貯蓄と利用者カード、俗称グリーンカードでございますが、そういうものを導入いたしますからには、税制上また税の執行上も課税の公平を期するということがその目的でございまして、預金の一つの種類から他の種類へのシフトを引き起こすというような副作用はできるだけ避けたい、これが私どもの基本的な考えであります。
 銀行がそういうことを言っておるようにいま坂口委員からお話がございましたけれども、たとえば郵便貯金は、預け入れてから十年間は、定額預金でございますと利払いがございません。
[昭和]五十八年十二月以前に預けました郵便貯金については十年間、総合課税移行後もそのままであって、それに対して銀行預金は五十九年一月以降必要な経過期間が過ぎますと全部グリーンカードに移行する、そこがアンフェアではないかということかと思います。
 しかし、グリーンカード制度によりまして国が非課税貯蓄について管理いたしますのは、非課税貯蓄の預入限度の個々の預金者ごとの管理であります。
いま多種類多店舗になっておりますので、一人三百万円まで非課税貯蓄の限度額を設定することができるわけでございますけれども、それが全金融機関の全店舗を通じて一人について三百万円という形になっておるかどうかということがグリーンカードで管理されるわけでございます。
個々の届け出られた限度の中でどれだけの預金に維持されておるかということは各金融機関がそれぞれ管理をされる、こういうたてまえでございますから、五十九年一月以降、総合課税に移りましてから非課税貯蓄については一本一本の預金の残高が洗えるということではないわけでございます。
そういう意味では、ある意味でお示しのような危惧というものはいわば誤解に基づく点もあろうかと思います。
(以下略)
---- 引用以上 ----

残念ながら、高橋主税局長の発言とは逆の事態になった。
そりゃ、1978年12月までに預けた郵便貯金について「グリーンカード」制度の適用外、なんて広められれば郵便貯金に「移し替える」人がたくさん出るわな・・・。


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