flagburner's blog(仮)

マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

Sports as (a) tool(s) to correct and punish(Jan 31, 3013)

2013-01-31 20:30:25 | 五輪招致ネタ
全日本女子柔道監督こと園田 隆二(Ryuji SONODA)氏が、監督を辞任するなんて言い出した。
理由は、選手に対して繰り返し行ってた暴力行為の責任を取るためらしいが・・・。
・女子柔道暴力:園田監督が辞任の意向 全柔連に進退伺い(2013年1月31日 毎日jp)

どうしてこうなった、と言いたいこの話。
以下、2013年1月31日分毎日jp『園田監督が~』を全文(略

---- 以下引用 ----
 ロンドン五輪代表選手らへの暴力や暴言が表面化した柔道全日本女子の園田 隆二監督(39)が31日、東京都文京区の講道館で記者会見し、一連の問題について事実関係を認めた上で謝罪し、引責辞任する意向を示した。
「これ以上、強化に携わっていくことは難しい」と述べ、全日本柔道連盟に進退伺いを出すことを明らかにした。

 全柔連や日本オリンピック委員会(JOC)の発表によると、園田監督は発覚しているだけでも10年8月~12年2月までに5回、選手が集合時間に遅れたり、試合で負けた時などに平手打ちや竹刀でたたくなどの暴力を振るったり、「死ね」などの暴言を吐いた。

 今回の問題は、柔道勢が男女とも不振に終わったロンドン五輪直後の昨年9月、全柔連への通報で発覚。
同12月には、五輪代表選手ら15人が連名でJOCへ告発文を提出し、実態解明と監督交代など体制刷新を求めた。
全柔連は内部調査に基づき、今月19日、園田監督や当時のコーチ計6人を文書による戒告処分とした。
全柔連は30日までは、本人の反省を理由に解任はしない意向を示していた。

 下村 博文文部科学相は31日、JOCの竹田 恒和会長らから一連の報告を受け、全容解明に向けて、再調査を指示。
全柔連も対応の見直しを迫られていた。
【藤野 智成】
---- 引用以上 ----

去年9月~12月まで全柔連が何をやってたのか、って疑問を抱いたのは俺だけ?
選手が JOC に園田氏の暴行を告発した時点で、全柔連がこの騒動を解決する気がなかったってのを示してるのは確かだけど・・・。

困ったことに、選手達の告発を問題視する人達がいるというね(呆)
↓はその一例。
・女子柔道の体罰 「愛のムチ」とはいえない(2013年1月31日 MSN産経ニュース)

上の論説では、五輪代表選手への暴力行為を正当化した上で、告発した選手達を dis っていた。
以下、2013年1月31日分MSN産経ニュース『女子柔道の体罰~』からその部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
昨年12月に日本オリンピック委員会(JOC)に届いた告発文は、ロンドン五輪代表を含む選手15人の連名によるもので、監督らによる「平手打ちや竹刀でたたく、足で蹴る」などの暴力行為を訴えていた。

 国の名誉を背負って五輪などで勝利を目指す代表選手の強化と、学校教育における体罰問題を同列に論じるわけにはいかない。
それでも園田監督らの行為は、とても「愛のムチ」とはいえない。

現実にスポーツの世界で、指導者による熱血指導で立ち直った、好成績に結びついたとの成功談を聞くことはある。

 「愛のムチ」の存在まで全否定することはない。
ただしそれは、師弟間に信頼関係があり、指導者の側にあふれる愛情があり、結果として事態が著しく好転した場合に限られる。

 ロンドン五輪で日本女子柔道の獲得したメダルは金銀銅各1個にとどまり、前回の北京大会を大きく下回った。
大会後にトップ選手が連名で監督を訴えるようなチームでは、勝利を目指す集団とは、ほど遠かったのだろう。
(以下略)
---- 引用以上 ----

・・・引用部分の最後って、一見すると園田氏の責任を指摘してるようだが、裏では選手側にも責任があると言ってるようなもんだよな。
どんだけ、3K新聞は内部告発が嫌いなんだって話だよ。

つか、3K新聞が擁護する「愛のムチ」を使ってる時点で、指導者としてアウトなんだが。
・女子柔道代表監督・園田 隆二さんが、暴力などで選手から告発されるも残りライフゼロで耐えている件。(2013年1月30日 フモフモコラム)

上の blog 記事では、今回の騒動をロンドン五輪の結果が原因と述べた上で、園田氏の指導力と「愛のムチ」について以下のように述べていた。
以下、2013年1月30日分 フモフモコラム『女子柔道代表監督~』からその部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
結局は、負けたからこういう話になったのでしょう。
そして、負けたことでこういう話が出る程度の指導力でしかなかったのです。
暴力と怒声による指導などそんなもの。
勝っているから肯定されるだけのアンフェアな反社会的手法です。
国内トップレベルの選手ともなれば今さら怒鳴られて強くなるとも思えません。
「世界最強の布陣」と豪語して臨んだ五輪の結果を踏まえるならば、園田監督の退任は避けられないのではないでしょうか。
もともと五輪後に退任しなかったことのほうが違和感満載でしたので、これをいい機会に指導法を勉強し直す時間を持つのもよいのではないでしょうか。
(以下略)
---- 引用以上 ----

で、上の記事が書かれた翌日、園田氏は監督辞任を表明したわけだが・・・。
この騒動、もっと根は深い所にあるのは否めない模様。
・セルジオ越後の一蹴両断! 第290回「大阪の体罰事件から日本のスポーツ教育の現実に目を向けよう!」(2013年1月24日 shueisha.co.jp)

上のコラムで、セルジオ越後氏は、去年12月に大阪の高校で発覚した教員→生徒への体罰(つか暴力)に絡めて、日本の社会自体が長年そういう「指導」を求めてると指摘してた。
以下、2013年1月24日分 shueisha.co.jp『セルジオ越後の~』から中盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
それにしても、この事件についての「こんなひどい体罰が行なわれていたのか」「許せませんね」という紋切り型の報道には違和感を覚える。

だって、以前よりもかなり減ったとはいえ、体罰自体は昔から日本の教育に存在してきたもの。
いきなりその学校だけで起きたわけじゃない。
今回は生徒の自殺でひどい体罰が明るみに出たわけだけど、もし全国すべての学校の部活を調査したら、もっとひどいケースもたくさん出てくるはず。
それをすべて処分するなら、あらゆる競技の、あらゆる強豪校の部活が成り立たなくなると思うよ。
サッカーではないけれど、プロスポーツの世界にも、いまだに“鉄拳制裁”をする名物監督がいるくらいだからね。
それを黙認しておきながら、今回の一件だけで体罰の問題を語るのは無理がある。

僕は日本に来て40年。
少年サッカーの指導で各地を回って、実際にそういう現場を目撃したこともある。
最近でこそ指導者の意識も変わってきて、練習中に水を飲むことも当たり前になったけど、それでも丸刈りや声出しの強制、フラフラになるまで追い込む練習なんて、ブラジル人の僕から見たら体罰と同じ。
世界的にもなかなか理解されにくい。
僕が知る限り、学校スポーツの現場でそんな指導が行なわれているのは日本と韓国など東アジアくらいだ。
ブラジルで先生が手を上げようものなら、生徒が殴り返すよ。

ただ、この問題が難しいのは、日本では体罰が長い歴史を持った文化になってしまっているということ。
熱血指導と紙一重で、時に美化され、評価され、社会や保護者もそれを求めてきた側面がある。
実際、生徒の自殺後、学校側がバスケ部のほかの生徒と保護者に行なったアンケート調査では「また顧問の指導を受けたい」という回答が並んでいたそうだ。
そのことからもわかるように、一時的に「体罰は何があっても許すな」と盛り上がったとしても、ゼロか100かでいきなり根絶するのは難しいと思う。
(以下略)
---- 引用以上 ----

体罰は日本の文化(の一部)(The use of corporal punishment is one of Japanese culture)、か。
今回柔道界で起きた騒動ってのは、結局の所日本においてスポーツがどのように受容・解釈されたのかってのを示してるんだろうな。
矯正と処罰(時々排除)としてのスポーツ(Sports as (a) tool(s) to correct and punish(often exclude))・・・。
果たして、これはスポーツと呼ぶべきなのか?


もっとも、2020年夏季五輪を東京に招致したい人達にとっては、今回の騒動の根本にある問題より自分達のイメージダウンが心配だった模様。
・五輪招致関係者、影響懸念「最悪のタイミング」…女子柔道暴力告発問題(2013年1月30日 スポーツ報知)

以下、2013年1月30日分 スポーツ報知『五輪招致関係者~』から後半部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
折しもこの日、東京招致委が今月10~20日に都内で行った支持率の調査結果を発表。
16年の招致に敗れて以降、支持率の低さが問題視されていた中で、都民の支持率が73%と初めて7割を突破した。
国際オリンピック委員会(IOC)の支持率調査は今月から2月の間に行われる見通しで、大きな追い風となったはずだった。
だが、日本のお家芸である柔道の不祥事がスポーツ界のイメージダウンにつながれば、支持率の低下は必至だ。

 また、柔道界の内情が世界に打電されることで、招致の投票権を持つIOC委員の心証を害する恐れもある。
日本オリンピック委員会(JOC)の橋本 聖子理事は「スポーツ界で早急に対応し、五輪招致にマイナスにならないようにしないといけない」と危機感をあらわにした。

 JOCの市原 則之専務理事は「(招致への)影響はないと思う」としたが、大阪市立桜宮高の男子生徒自殺問題に端を発して体罰の事例が次々と明るみになっており、今後も予断を許さない状況だ。
柔道界は、五輪金メダリストの内柴 正人被告が泥酔した教え子の女子部員に乱暴したとして準強姦(ごうかん)罪に問われるなど、不祥事が続いており、今後の対応を誤れば、招致活動にとっても致命傷にもなりかねない。
---- 引用以上 ----

2020年夏季五輪招致以前の問題として、スポーツって何なのかという所から考えないと色々まずいんじゃね?
いや、本当の話。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
明日 (Bill McCreary)
2013-01-31 21:09:55
判決の出る内柴の事件といい、日本のスポーツ界の影の部分が露骨に出たということでしょう。判決を見て、リンクさせた記事を拙ブログで発表するつもりです。

セルジオ越後氏の発言いろいろ示唆に富みますね。

それにしても園田氏が警視庁出身というのが何とも(呆れ)。
返信する
Bill McCreary さんへ (flagburner)
2013-02-01 20:21:31
コメントありがとうございます。


>判決の出る内柴の事件といい、日本のスポーツ界の影の部分が露骨に出たということでしょう。
そうですね。
とりわけ、園田氏が行った暴力沙汰に関する全柔連の対応は、その典型例と言えます。
なるべく事を身内で解決しようとしたつもりが、最終的にはこれだけ大きな騒動になってしまったのを理解できない辺り重症とも・・・。

>セルジオ越後氏の発言いろいろ示唆に富みますね。
最初は「週刊プレイボーイに掲載されたコラムだしな~」というノリだった(失礼)のですが、読むと日本のスポーツに関する非常に重い問題を指摘してて驚きました。
そして、私自身も体罰が身近にある環境で暮らしてきたんだと痛感した次第です。

>それにしても園田氏が警視庁出身というのが何とも(呆れ)。
なんというか、園田氏は自分の行った暴力が持つ意味を理解してない感が否めませんね。
警察官時代からそうだったのか、それとも警察官を辞めてからこうなったのか・・・。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。