flagburner's blog(仮)

マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

減らす時は減らさないと・・・

2009-09-09 20:10:22 | 時事ネタ(国内)
ちうわけで 、DPJ の鳩山(兄)代表が日本の温室効果ガス削減幅中期目標(2020年までの目標)を『1990年比25%減』と公表した。
・「朝日地球環境フォーラム2009」で気候変動対策へ取り組む決意を表明 鳩山代表(2009年9月7日 dpj.or.jp)
・民主・鳩山代表のスピーチ全文 地球環境フォーラム(1/4ページ)(2009年9月7日 asahi.com)

DPJ が先月の衆議院総選挙で掲げたマニフェスト(高速道路の無料化とか)を踏まえると色々突っ込みどころのある発言なのだが、正直なところ麻生首相の掲げた『1990年比8%減』という目標に比べると全然マシに思える不具合。
この辺については以下の記事も参照(手抜き)。
・Here comes George W. Aso(2009年6月11日 flagburner's blog(仮))
・温暖化対策に難アリのDPJマニフェスト(2009年版)(2009年7月28日 flagburner's blog(仮))
・取りあえず当面の経済効果はありそうですが(2009年9月7日 非国民通信)

要は、DPJ のマニフェストと鳩山(兄)氏の発言が全然噛み合ってないってことだが・・・。


ってのはともかく。
例の『朝日地球環境フォーラム 2009』で鳩山(兄)氏は、この政策が日本にとって大きな意味を持つとぶち上げていた。
正確には、「炭素に依存しない社会の構築(なんじゃそりゃ)」が日本にとって大きなチャンス、と述べた上での話だが・・・。
以下、asahi.com の『朝日地球(略)』から、3-4ページにまたがる発言部分を引用する。

---- 以下引用 ----
(中略)
炭素に依存しない社会の構築は、日本にとって大きなチャンスです。

 オバマ大統領のグリーン・ニュー・ディール構想を持ち出すまでもなく、気候変動問題への積極的な取り組みは、電気自動車、太陽光発電を含むクリーン・エネルギー技術など、日本経済に新しいフロンティアと新しい雇用を提供します。
慎重論を唱える方たちが言われているような、経済や国民生活が悪くなるのではなく、良くなるのだと私は信じています。

今から一世代ほど前、日本は石油ショックに対応するために能動的に省エネの技術革新に取り組み、それが後の日本企業の国際的競争力を支えることになりました。
21世紀の今を生きる私たちも、新たな挑戦に挑むべきです。

 わが国の企業、国民の能力の高さを私は信頼しています。
企業も国民も、そして、当然ながら私たち政治においても、産業革命以来続いてきた社会構造を転換し、持続可能な社会をつくるということは、次の世代に対する責務であると考えています。
(以下略)
---- 引用以上 ----

社会構造の転換、ね。
これを実行する 1つの手としては、『脱成長(De-growth:Décroisssance)』の概念に基づいた政策を取るってことになるか?
『脱成長』については以下の記事を参照。
・脱成長・社会発展と連帯経済(2009年2月?日 生活経済研究所)

実際にこいつをやろうとすると、経済界やら 3K新聞あたりから苦情が出そうだが・・・。


それ以前に、鳩山(兄)氏の発言に対しては、「具体性に欠ける」という批判が各紙から出ていた。
だが、その中で酷かったのは、天下のナベツネ機関紙。
・CO2削減目標 25%のハードルは高過ぎる(9月9日付・読売社説)(2009年9月9日 YOMIURI ONLINE)

すでに見出しでオチてる気がするこの社説。
しかし、この社説の中盤にさらに壮絶なオチを用意していただった。
以下、2009年9月9日分 YOMIURI ONLINE『CO2削減目標~』から中盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
それにしても、「90年比25%減」は妥当なのか。今後、国内議論が活発化するだろう。
05年比に直すと30%減の削減率に当たり、米国の14%減、欧州連合(EU)の13%減より大幅に高い。

 厳しい排出規制が必要になるため、産業界には「景気に悪影響を及ぼす」といった反発が強い。
「家計の負担が年36万円増加」といった麻生内閣の試算もある。

 国連で公言すれば、「ポスト京都」で日本に課せられる削減義務の最低線になる可能性が高い。
国内合意がないまま、国際公約とすることは避けるべきだ。
(以下略)
---- 引用以上 ----

米国と EU の削減目標も問題山積みなのに、そこと比較してどうするつもりだっぺよ?
ナベツネ機関紙の論説を書いた方々には、この件に関する検証をやって欲しいところだわ。
やんないだろうけど・・・。


と、ここまで散々鳩山(兄)氏の宣言+αをネタにしてきたけど、その宣言については根拠がないわけでもないんだよな。
つーのも、今年の G8 で日本の温室効果ガス排出量削減中期目標について修正を迫られてたとかなんとか。
・G8と主要経済国フォーラムの結果についてのコメント ~日本の中期目標と国内政策の見直しの必要性が明らかに~(2009年7月10日 気候ネットワーク)

以下、2009年7月10日分気候ネットワーク『G8と~』から、『4.日本に対して示唆すること』の一部を引用する。

---- 以下引用 ----
(中略)
まず、今回のG8宣言で、気温が2℃を超えるべきでないこと、2050年の目標を80%とすべきとの認識を日本も共有したことを歓迎する。
これは、6月10日に麻生首相が発表した「2005年比15%削減」の日本の中期目標策定における議論では前提とされていなかったことであり、さっそく、自らその見直しを求めることになるだろう。
世界で目指す温暖化抑制のレベルがどうであれ、日本の目標は変わらないということでは、2℃との整合性の説明として到底不十分であることはあきらかだ。
2℃のゴールが、EUを超えてG8のみならず新興国も含めた認識になった今、日本は、IPCCの示す「2020年に90年比25~40%削減」の数値と改めて照らし合わせ、速やかに、自らの中期目標を再検討すべき宿題を負った。
(以下略)
---- 引用以上 ----

この点を踏まえると、鳩山(兄)氏は麻生首相の二の舞を避けたかったとも言えなくもない・・・。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。