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Memorandum about ACSILs' mission?(Dec 21, 2014)

2014-12-21 21:12:13 | 時事ネタ(国内)
昨日と今日の2日間、琉球民族独立総合研究学会(the Association of Comprehensive Studies for Independence of the Lew Chewans:ACSILs)が総会を行っている。
で、昨日行われた総会では、琉球人への差別問題や自己決定権確立などを国連に直接訴える活動を来年度から始めることを決めた。
・琉球民族独立学会、沖縄の自己決定権を国連に直訴へ(2014年12月21日 ryukyushimpo.jp)

琉球独立論ってのが時々話題になる背景には、本土と沖縄の関係が大きく影響してるわけだが・・・。
以下、2014年12月21日分 ryukyushimpo.jp『琉球民族独立学会~』を全文(略)

---- 以下引用 ----
琉球民族独立総合研究学会は20日、沖縄国際大学で総会を開き、琉球人への差別問題や自己決定権確立などを国連に直接訴える活動を来年度から始めることを決めた。
琉球人は先住民だとして国連に直接訴える活動を展開してきた「琉球弧の先住民会」とも連携し、直訴行動を強める考え。
総会の後「国連活用」をキーワードに開かれたオープン・シンポジウムでは、「琉球弧の先住民会」メンバーが登壇し「とにかく訴えを継続し、沖縄の抑圧されている状況を国際社会に理解してもらうことが肝要だ」と強調した。

シンポジウムは「世界的事象から考え、実践する琉球独立」をテーマに、先住民会のメンバー、当真 嗣清、宮里 護佐丸、親川 裕子の各氏が登壇。
国連で先住民として米軍基地問題などを訴えた糸数 慶子参院議員や上原 快佐那覇市議も国連での成果や課題を報告した。

親川氏は「国連に行く目的の一つは国際人権法と照らして日本がいかに人権後進国かを国際社会に知ってもらうことだ」と紹介。
宮里氏は「琉球が独立するためには国連の活用は必須だ。琉球の自己決定権を主張する人々の安全を守るためにも、とにかく国連に行き訴えを続けることが大切だ」と活動の継続を訴えた。

当真氏は「琉球民族は誇りを捨てさせられた民族だ。誇りを取り戻し、国際社会に仲間を広げることが必要だ」と主張した。

宮里氏が「社大党は独立を掲げる政党になってほしい」と要望すると、社大党委員長を務める糸数氏は「その要望を党に持ち帰り、協議する」と答えた。

シンポジウムに先立ち、糸数氏は基調報告で「辺野古新基地建設反対という沖縄の民意を選挙で勝って示しても政府は一顧だにしない。1854年の琉米修好条約などをめぐり琉球の大先輩たちは米国や諸外国と渡り合った。今こそ、私たちにも交渉力が問われている」と話した。

シンポジウム2日目の21日午後1時からは、沖縄国際大学で「スコットランド独立投票」をキーワードに、9月18日に実施されたスコットランドの独立投票を現地で調査した琉球民族独立総合研究学会の共同代表らが登壇する。
---- 引用以上 ----

確かに、国連は琉球(以下、沖縄をこう記述する)が置かれてる状況を世界に訴える場なんだろうけど・・・。
それ「だけ」に頼るのは、色んな意味で危険な気がする。
なんせ、国連人権理事会で自国の人権状況について批判されても"Shup up!!"と言い張った日本を筆頭に(?)、国連での議論や決議を普通に無視する国は結構あるし(謎)。

もっと根本的な問題としては、国連で発言すること自体が目的となり本来の目的(沖縄が置かれてる状況を訴える)が無視される危険性を含んでることかと。
この辺りに関しては、故ヤーセル・アラファト(Yaser Arafat:ياسر عرفات)議長が非常にいい教訓を残してるので是非とも参照して欲しいものだ(意味不明)。


そもそも、ACSILsの目的って何?
という人が多いと思われるので、ここ設立趣意書をネタにしてみる。
・琉球民族独立総合研究学会 設立趣意書(2013年5月15日 acsils.org;.pdfファイル)

ACSILsの設立趣意書の前半では、(美化されてると思われるが)琉球民族の歴史を紹介し琉球が現在置かれている状況に触れた上で、学界の設立目的を述べていた。
以下、2013年5月15日分 acsils.org『琉球民族独立総合研究学会 設立趣意書』から前半部分を(略)

---- 以下引用 ----
琉球の島々に民族的ルーツを持つ琉球民族は独自の民族である。
15 世紀半ばのポルトガル人、トメ・ピレスが書いた『東方諸国記』において、琉球民族はレケオ人、ゴーレス人と呼ばれ、「かれらは正直な人間で、奴隷を買わないし、たとえ全世界とひきかえでも自分たちの同胞を売るようなことはしない。かれらはこのことについては死を賭ける」と記述されている。
また、琉球國はかつて独立国家であり、『歴代宝案』において明らかなように、アジア諸国と外交関係を結び、19世紀中頃には欧米諸国とも友好条約を締結していた。
現在、琉球の島々には琉球民族が住んでおり、また日本国、そして世界各地にも琉球民族が生活をしている。
5 年に一度、「世界のウチナーンチュ大会」が琉球で開催され、2011 年には第5 回目を数えた。
2012 年にはブラジルにおいて「第1 回世界若者ウチナーンチュ大会」も開催された。
琉球民族は移民先でも生まり島のことを忘れず、琉球の文化や言語を守り、琉球民族アイデンティティの根を張り続け、世界中に琉球民族ネットワークを形成してきた。

他方で、1609 年の薩摩侵攻に端を発し、1879 年の明治政府による琉球併合以降、現在にいたるまで琉球は、日本、そして米国の植民地となっている。
琉球民族は、国家なき民族(stateless nation)、マイノリティ民族(minority nation)となり、日米両政府、そしてマジョリティのネイションによる差別、搾取、支配の対象となってきた。
このことは、例えば1945年に琉球の地を日本が太平洋戦争の地上戦の場(=捨て石)としたことや、1952年に自らの主権回復のために琉球を質草にしたこと、米国軍政府による戦後27年間に及ぶ抑圧的支配、そして、1972年のいわゆる日本「復帰」(=日米の密約を伴う琉球再併合)後も日米が「日本国土」の0.6%の琉球に米軍基地の74%を押し付け続けていることなどからも明らかである。
さらに、現在進行形の出来事として、1997年、米軍用地特別措置法改定により琉球の土地を強奪し、そして、全42議会の反対決議、知事や全市町村長、琉球民族一人一人による反対にもかかわらず、2012 年、日米によりMV22 オスプレイが琉球に強行配備された。
これもまた明らかな琉球差別であり、植民地支配である。

琉球民族は本来、独自のネイション(nation、peoples、民族、人民)であり、国際法で保障された「人民の自己決定権」を行使できる法的主体である。琉球の地位や将来を決めることができるのは琉球民族のみである。
琉球民族は独自の土地権、資源権、生存権、環境権、発展権、民族自治権、内政権、外交権、教育権、言語権等の集団的人権を有する民族である。
琉球は日本から独立し、全ての軍事基地を撤去し、新しい琉球が世界中の国々や地域、民族と友好関係を築き、琉球民族が長年望んでいた平和と希望の島を自らの手でつくりあげる必要がある。

琉球民族の独立を目指し、琉球民族独立総合研究学会を設立する。
本学会の会員は琉球の島々に民族的ルーツを持つ琉球民族に限定する。
本学会は「琉球民族の琉球民族による琉球民族のための学会」である。
(以下略)
---- 以下引用 ----

ちなみに、会員の条件同様、この学会に対する寄付は「琉球の島々に民族的ルーツを持つ琉球民族の皆さまから」に限定されている。
寄付以外で活動資金を確保する手段があるならいいけど、それがないとACSILsの活動がうまくいなかい気がするのは俺だけ?(謎)

で、後半では、学会の活動目的について触れていた。
以下、2013年5月15日分 acsils.org『琉球民族独立総合研究学会 設立趣意書』から後半部分を(略)

---- 以下引用 ----
(中略)
本学会は学際的な観点から琉球独立に関する研究を行う。
学会の担い手となるのは琉球の独立を志す全ての琉球民族である。
学問は一部の研究者に限定されるべきものではない。
琉球民族という当事者が直面している植民地主義の諸問題を分析し、それを解決するための思想や方法について検討し、議論を行い、実践する過程で学問
が生まれ、深化し、琉球民族が真に解放されるのである。

琉球の独立が可能か否かを逡巡するのではなく、琉球の独立を前提とし、琉球の独立に関する研究、討論を行う。
独立を実現するためには何が必要なのか、世界の植民地における独立の過程、独立前後の経済政策および政治・行政・国際関係の在り方、琉球民族に関する概念規定とアイデンティティ、琉球諸語の復興と言語権の回復、アート、教育、ジェンダー、福祉、環境、マイノリティ差別、格差問題、在琉植民者の問題等、琉球独立に関する多角的および総合的な研究、討論を行い、それらを通して人材の育成を行う。

さらに、本学会では同様に独立を目指す、グアム、台湾、ハワイ、ニューカレドニア、仏領ポリネシア等のアジア太平洋諸島、スコットランド、カタルーニャ、フランドル、バスク、コルシカ等の欧州地域等や、独立国となった太平洋島嶼国等の人々とも研究交流を促し、琉球独立のための世界的なネットワークを構築する。
学会の研究成果を踏まえて、国連の各種委員会、国際会議に参加し、琉球独立のための世界的な運動等も展開する。

日米によって奴隷の境涯に追い込まれた琉球民族は自らの国を創ることで、人間としての尊厳、島や海や空、子孫、先祖の魂(まぶい)を守らなければならない。
新たな琉球という国を創る過程で予想される日本政府、日本人、同化されてしまった琉球民族、各種の研究者等との議論に打ち勝つための理論を磨くためにも琉球民族独立総合研究学会が今ほど求められている時はない。

我々は国際人権規約共通第一条に規定された「人民の自己決定権」に基づき、琉球独立という本来の政治的地位を実現することを目指し、市民的及び政治的権利に関する国際規約の第18条「思想、良心及び宗教の自由」、第19条「表現の自由」、さらに第27条「少数民族の権利」に拠って、琉球独立に関する研究を琉球民族として推し進めていく。

琉球史上はじめて創設された琉球独立に関する学会の活動によって、琉球民族が植民地という「苦世(にがゆー)」から脱し、独自の民族として平和・自由・平等に生きることができる「甘世(あまゆー)」を一日も早く実現させるために本学会を設立し、琉球の独立を志す全ての琉球民族に参加を呼び掛ける。
---- 引用以上 ----

琉球民族による独立国建国で植民地支配からの脱出という目標自体は悪くないんだけど、懸念材料が無いわけじゃない。
それは、在琉植民者--琉球に住む琉球民族「以外」の人達--をどうするのか、というものだ
琉球民族による独立国が建国されれば、おそらく在琉植民者がマイノリティになると思われる。
その前後で、在琉植民者の人達への迫害が行われるという事態は十分起こりうる。
学会が掲げている「在琉植民者の問題」がこれを想定してるかどうか不明だが、こういう事態が起きれば琉球民族による独立国建国の「負の歴史」になりかねないかと。
って、何の話だ、これ?


にしても。

今後、ACSILsはどういう提言をするんだろうか?


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