今回は小ネタ。
イスラエルでは、超正統派ユダヤ教徒(Haredi)の人達向けに男女で座る場所を区別するバスなんてのが運行されている。
しかし、このようなバスに対しては、超正統派~じゃない人達から「女性差別」云々という批判が出ていた。
これに絡んで、ツィッピー・リブニ(Tzipi Livni:ציפי לבני)外相が「公共の場において女性への差別を禁止する法案を作る」なんて言い出したのだが・・・。
・イスラエルの女性専用バス座席、法的に禁止へ(2013年5月9日 jp.reuters.com)
・Israel seeks to end back-of-the-bus gender segregation(2013年5月9日 reuters.com)
色んな意味でリアクションに困るこの話。
以下、2013年5月9日分 jp.reutes.com『イスラエルの~』を全文(略
---- 以下引用 ----
[エルサレム 9日 ロイター]
イスラエルの公共バスの一部で宗教的理由から設けられている女性専用座席が、間もなく法的に禁止される方針であることが分かった。
リブニ法相が9日明らかにした。
女性専用座席はこれまで、同国の主流派である世俗的ユダヤ教徒と少数派である超正統派ユダヤ教徒との間で、長く感情的なあつれきとなっていた。
リブニ法相はフェイスブック上で、「本日、法務省に法案起草を指示した。公共の場での女性に対するいかなる差別待遇は犯罪行為となる」と表明。
ウェインステイン司法長官も前日、女性の「公共サービスでの平等」を妨げる行為は違法化するよう求めていた。
イスラエル議会では現在、超正統派ユダヤ教の政治勢力は弱まっているため、こうした反差別法への支持は得やすい環境にある。
---- 引用以上 ----
この話ってのは、結構長い間イスラエルで問題になってるんだよな。
↓その一例(手抜き)。
・What're real issues of "gender segregated bus"?(Dec 18, 2011)(2011年12月18日 flagburner's blog(仮))
超正統派~の人達がバスなどの公共の場で男女を分離するよう求めてるのは、ユダヤ教の戒律に基づいてるんだよな。
戒律を守るべきという超正統派~の人達から見るとバスにおける男女別の座席は「合理的な差別」になるけど、それ以外の人達には単に差別になるわけで・・・。
どう考えても、話が噛み合わない気がするのは俺だけ?
ただ、Livni 外相の発言ってのは、もう少し広い視点で捉える必要がある。
実は、「公共の場」云々ってのは、イスラエル軍兵士の中に少なからずいる超正統派~の人達の行動も含まれている模様。
以下、2013年5月9日分 reuters.com『Israel seeks to~』からその部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
She was referring to events at which religious politicians and soldiers, adhering to a traditional edict to avoid temptation, have walked out rather than watch women singing or dancing, and to an ultra-Orthodox radio station's refusal to employ female announcers.
"The new law will be formulated in the coming weeks and help the struggle against the shameful and violent phenomena of cursing and spitting at women," Livni wrote.
"It will be another step toward equality between men and women in Israel in 2013."
But the legislation could also heighten militancy in an ultra-Orthodox community whose state welfare benefits and military service exemptions are under threat by the new government Netanyahu formed in March.
(以下略)
---- 引用以上 ----
超正統派~の人達的には「男と女が一緒の場所で歌うなんぞ許せない」って所だけど、規律を重視するイスラエル軍的にはそう言ってられないってか。
どうにも円満な解決が望めそうにない気がするのは(略)
つか、この問題ってのは、「ユダヤ国家」としてのイスラエルにおいて宗教色をどこまで出すのか、という根幹に関わるブツなのかもしれん。
あまりユダヤ教の色を出すと(経済的にも政治的にも結びつきの強い)キリスト教圏の人達から引かれる危険もあるし、逆だと「ユダヤ国家」の意味がなくなるし・・・。
果たして着地点はどこになるのやら。
それはそうと。
今年3月、イスラエル運輸省がヨルダン川西岸地区とイスラエル側を結ぶバス路線に関して、パレスチナの人達とユダヤ系の人達を別々のバスに乗せる方針を打ち出してたんだよな。
・'Palestinians only' buses:to exclude them from Israeli society?(Mar 3, 2013)(2013年3月3日 flagburner's blog(仮))
超正統派~の人達によるアパルトヘイトには敏感なイスラエル政府・・・。
イスラエルでは、超正統派ユダヤ教徒(Haredi)の人達向けに男女で座る場所を区別するバスなんてのが運行されている。
しかし、このようなバスに対しては、超正統派~じゃない人達から「女性差別」云々という批判が出ていた。
これに絡んで、ツィッピー・リブニ(Tzipi Livni:ציפי לבני)外相が「公共の場において女性への差別を禁止する法案を作る」なんて言い出したのだが・・・。
・イスラエルの女性専用バス座席、法的に禁止へ(2013年5月9日 jp.reuters.com)
・Israel seeks to end back-of-the-bus gender segregation(2013年5月9日 reuters.com)
色んな意味でリアクションに困るこの話。
以下、2013年5月9日分 jp.reutes.com『イスラエルの~』を全文(略
---- 以下引用 ----
[エルサレム 9日 ロイター]
イスラエルの公共バスの一部で宗教的理由から設けられている女性専用座席が、間もなく法的に禁止される方針であることが分かった。
リブニ法相が9日明らかにした。
女性専用座席はこれまで、同国の主流派である世俗的ユダヤ教徒と少数派である超正統派ユダヤ教徒との間で、長く感情的なあつれきとなっていた。
リブニ法相はフェイスブック上で、「本日、法務省に法案起草を指示した。公共の場での女性に対するいかなる差別待遇は犯罪行為となる」と表明。
ウェインステイン司法長官も前日、女性の「公共サービスでの平等」を妨げる行為は違法化するよう求めていた。
イスラエル議会では現在、超正統派ユダヤ教の政治勢力は弱まっているため、こうした反差別法への支持は得やすい環境にある。
---- 引用以上 ----
この話ってのは、結構長い間イスラエルで問題になってるんだよな。
↓その一例(手抜き)。
・What're real issues of "gender segregated bus"?(Dec 18, 2011)(2011年12月18日 flagburner's blog(仮))
超正統派~の人達がバスなどの公共の場で男女を分離するよう求めてるのは、ユダヤ教の戒律に基づいてるんだよな。
戒律を守るべきという超正統派~の人達から見るとバスにおける男女別の座席は「合理的な差別」になるけど、それ以外の人達には単に差別になるわけで・・・。
どう考えても、話が噛み合わない気がするのは俺だけ?
ただ、Livni 外相の発言ってのは、もう少し広い視点で捉える必要がある。
実は、「公共の場」云々ってのは、イスラエル軍兵士の中に少なからずいる超正統派~の人達の行動も含まれている模様。
以下、2013年5月9日分 reuters.com『Israel seeks to~』からその部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
She was referring to events at which religious politicians and soldiers, adhering to a traditional edict to avoid temptation, have walked out rather than watch women singing or dancing, and to an ultra-Orthodox radio station's refusal to employ female announcers.
"The new law will be formulated in the coming weeks and help the struggle against the shameful and violent phenomena of cursing and spitting at women," Livni wrote.
"It will be another step toward equality between men and women in Israel in 2013."
But the legislation could also heighten militancy in an ultra-Orthodox community whose state welfare benefits and military service exemptions are under threat by the new government Netanyahu formed in March.
(以下略)
---- 引用以上 ----
超正統派~の人達的には「男と女が一緒の場所で歌うなんぞ許せない」って所だけど、規律を重視するイスラエル軍的にはそう言ってられないってか。
どうにも円満な解決が望めそうにない気がするのは(略)
つか、この問題ってのは、「ユダヤ国家」としてのイスラエルにおいて宗教色をどこまで出すのか、という根幹に関わるブツなのかもしれん。
あまりユダヤ教の色を出すと(経済的にも政治的にも結びつきの強い)キリスト教圏の人達から引かれる危険もあるし、逆だと「ユダヤ国家」の意味がなくなるし・・・。
果たして着地点はどこになるのやら。
それはそうと。
今年3月、イスラエル運輸省がヨルダン川西岸地区とイスラエル側を結ぶバス路線に関して、パレスチナの人達とユダヤ系の人達を別々のバスに乗せる方針を打ち出してたんだよな。
・'Palestinians only' buses:to exclude them from Israeli society?(Mar 3, 2013)(2013年3月3日 flagburner's blog(仮))
超正統派~の人達によるアパルトヘイトには敏感なイスラエル政府・・・。