flagburner's blog(仮)

マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

Oct 15, 2010:Starting of a grass-roots movement in JPN?

2010-10-16 19:42:02 | 捕鯨騒動
昨日のことになるが、米国はマイアミ日本総領事館前など複数場所で、日本で行われているイルカ漁を終わらせることを求める抗議デモが行われたらしい。
・Rallies against Japan's dolphin killings(2010年10月15日 smh.com.au;AFP)

正確には、昨日こと2010年10月14日に世界各地にある日本大使館前とかで抗議デモを行う計画なんてのがあったわけで・・・。
以下、2010年10月15日分 smh.com.au『Rallies~』から、この抗議デモの言いだしっぺでもある Ric O'Bally 氏の発言部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
"I'm optimistic because if enough people protest around the world the Japanese government will be forced to stop issuing permits to do this," O'Barry told AFP.
Advertisement: Story continues below

"The problem is in Taiji, but the solution is in Tokyo, where the permitting process is. They are issuing permits to kill dolphins to sell the food to the Japanese people."

Similar rallies outside Japanese consulates and embassies were planned across Asia, Europe and the United States.
Protesters displayed gruesome photos of the Taiji slaughter, where mortally wounded dolphins writhe in a sea of blood.
(以下略)
---- 引用以上 ----

確かに、イルカ漁を終わらせるためには日本政府に訴えるのもひとつの手段だわな。
とはいえ、俺としては、日本のイルカ漁に関する問題点について定期的に伝える必要があると思うけど・・・。

話を戻す。
抗議デモが計画されていた場所の中には、当然のごとく東京も含まれていた。
もっとも、実際に行われたのは、イルカ漁に反対する署名を水産庁に提出したことだけど・・・。
・A First: Japan Dolphin Day in Tokyo(2010年10月15日 savejapandolphins.blogspot.com)

水産庁の高屋 繁樹(Shigeki, TAKAYA)氏に署名を渡したのは、Kiki さん(正確には Kyoko TANAKA って名前らしい)って人らしい。
正確には、付き添いとして Tosh 氏という人物もいたみたいだけど・・・。
この件について、O'Bally 氏は Kiki さんを称賛するコメントを出していた。
以下、2010年10月15日文 savejapandolphins.blogspot.com『Japan Dolphin Day~』から

---- 以下引用 ----
(中略)
This is great work by Kiki (as we know Kyoko), Tosh and her friends in Japan.
This could be the start of a grass-roots movement in Japan!

We do not have to persuade government officials or anybody else.
The cow and pig/cultural argument is a non-starter.
It's a diversion from the one and only issue: The scientific FACT that the dolphin meat is contaminated and not fit for consumption cancels out all excuses for killing dolphins and other whales for their meat.

The meat is poison and it's being sold to Japanese people. End of argument.

Kiki has been a great help to our campaign in Japan for some time, often keeping a low profile but being very industrious.
Her insights into Japanese culture have been extremely useful, and we consider her a good friend.

We are proud of Kiki and the many Japanese people who are willing to oppose the dolphin slaughter under very difficult conditions.
---- 引用以上 ----

草の根運動ってのは、これ以前にも日本で行われてたような気がするけど・・・。


ってのはともかく。
日本でイルカ漁や「調査捕鯨」に公然と反対意見を表明するのは、色んな意味で厳しいのは確かなんだよな。
下手したら、どこぞの「迷惑行動する保守」あたりから「反日分子」なんて言われる危険もあるし。
というより、こういう人達の発言の自由やそれを受け取る人達の知る権利についても日本国憲法で保障されなければならないのだが・・・。
(「迷惑行動する保守」の方々にしてみれば、表現の自由ってのは自分達だけが持ってるものらしいけど)

この辺りの問題については、映画『The Cove』を巡って起きた騒動について金平 茂紀氏が語っていた。
・【放送】映画「ザ・コーヴ」は文化衝突の問題なのか?(2010年10月12日 webronza.asahi.com;2010年10月号『ジャーナリズム』掲載分)

ここで氏は、映画『The Cove』に関する論点を10個あげた上で、それぞれに関する見解を記していた。
映画『The Cove』自体への評価は厳しめだが・・・。

以下、2010年10月12日分 webronza.asahi.com『映画「ザ・コーヴ」は~』から、表現の自由と知る権利に関する問題点に触れた論点(7)+(8)+(9) に加え最後の論点である(10)とそれらへの見解部分を長くなるけど(略

---- 以下引用 ----
(中略)
(7)「ザ・コーヴ」の日本での上映を物理的に阻止しようとした一部団体の動きをどのようにとらえるべきなのか。

 (8)日本のメディアの「ザ・コーヴ」についての取り上げ方はバイアスがかかっているのかいないのか。

 (9)この映画の影響拡大に対して、日本政府の対応が、相互理解を深める方向で十分になされているのかどうか。
また、それが妥当な内容なのかどうか。

(10)日本人のなかでこの「ザ・コーヴ」は実際にどのように評価されているのか。
世代間に評価のバラつきがあるのかどうか。


(中略)

(7)について。
日本での「ザ・コーヴ」の上映を反日的として阻止しようとした団体がいることをニューヨークの地で知った時、ああ、これは問題をさらに複雑化させて、この映画の本質を考える際の妨げになるなあ、と直感的に思ったものだ。
いわゆる「草の根保守」の動きは、アメリカでもティーパーティー運動などに顕著にみることができるが、理性に基づく真っ当な対話の道を閉ざす危険な直接行動の様相をもっている。
現に、オバリー氏は筆者のインタビューに答えて、あの騒ぎのおかげで映画の宣伝になったとさえ言っていた。
アメリカで中絶反対派の宗教右派グループが中絶容認の医師を襲撃して暗殺したり、その逆のケースがあったりするケースに共通するものを感じる。
アメリカ社会の多数派はこれらの動きを社会的狂気として非難している。

 (8)(9)について。
例によってこの問題は日本のメディアにとって厄介なテーマだと察知された。
それゆえに、一部の映画監督や作家、編集者らがシンポジウムなどで討論を呼びかけた動きがある以外に、マスメディアのなかで大々的にとりあげられたケースは比較的少ないのではなだろうか。
それは奇妙なことに、重い沈黙を通し続けている日本政府・行政の対応と相即している印象さえ受ける。
触らぬ神に祟たたりなし、というきわめて後ろ向きの発想がそこにはある。
だが、事態がここにまで至ってしまった今、ひたすら沈静化を待つだけでよいものなのか。

 (10)について。
これこそ私たちメディアがこれからやらなければならない作業だ。
イルカ漁は「虐殺」だと思いますか? 
漁師たちにイルカ漁をやめさせる権利があなたにはあると思いますか?
 アフガニスタン取材の帰途で立ち寄った中東の富裕国で、イルカショーを無邪気に楽しむ米国人たちをみて、僕はそう問いかけたかった。

理性的な思考なき実力行使や、ドキュメンタリーを「目的は手段を正当化する」のドグマの実践例とする試みに対しては、僕自身は明確にノーを言い続けなければならない、と思っている。
(以下略)
---- 引用以上 ----

なんつーか。
映画『The Cove』の製作者にとって一番痛かったのは、日本においてこれへの事前評に加え「迷惑行動する保守」の謎行動によって客観的な評価を下せる状況が作られるのが遅れてしまったことか。
そうすれば、ここまで映画『The Cove』が日本で「怪物」扱いされることもなかったのにね。
これは、日本では表現の自由と知る権利を守る取り組みが不十分ってことでもあることの裏返しでもあるが・・・。

こういう状況を踏まえると、O'bally 氏の「日本でイルカ漁に反対するのは厳しい云々」という発言もあながち間違ってないのよね。
つーか、この調子だと、日本国内でイルカ漁に反対する発言をした人達に罰金刑を科す、なんて法案が国会に提出されても不思議じゃないという罠。


それはそうと。
静岡県伊東市の漁協に、イルカ漁を非難した後で「夜、単独で歩くと危ない」云々という内容の脅迫メールを送った人がいたとか。
・脅迫メール:伊東の漁業者に イルカ漁抗議の男、容疑で書類送検へ /静岡(2010年10月16日 毎日jp)

どうしてこうなった。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Ursaemajpris)
2010-10-18 16:13:37
捕鯨問題というか特にこのイルカ漁の問題ってのは、賛成(容認)側は「反捕鯨(イルカ漁)は日本の事が分かってない」と思ってる事(まあ実際に分かってないんでしょうが)が、行き違う一番大きな原因だと私は思うんですよね。

例えば、ちょうどこんな記事が。
【毎日新聞】シー・シェパード:バラ流すなどし「イルカ追悼」--太地 /和歌山
http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20101015ddlk30040336000c.html

これシー・シェパードの人達が本当はどういう心算でやってるのか分からないんですけど、太地町のような所には、供養塔のようなものが大体はあって、年一回程度で供養法会とかの行事をしてるはずなんですよね。
こういう事をいくらやっても海外向けのアピールならともかく、地元の漁師達は「こいつ等やっぱり何も分かってない」としか思えないでしょう。
まあ、外国人が思うような供養や慰霊や追悼とかいう意味合いとは違いますから、それを外国人に理解しろ、てのもちょっと無理があるんですが、地元の漁師達にしてみたら「わざわざ抗議をしに来るんなら、こっちの事をちゃんと理解してから来い」って思うでしょうし。
根本的に漁師に「漁を止めさせる」のってイルカ漁じゃなくても、ものすごく難しいんだけど、シー・シェパードはそんな事は関係ないんだろうなぁ。
返信する
Ursaemajpris さんへ (flagburner)
2010-10-18 21:03:42
コメント&情報ありがとうございます。

>これシー・シェパードの人達が本当はどういう心算でやってるのか分からないんですけど、太地町のような所には、供養塔のようなものが大体はあって、年一回程度で供養法会とかの行事をしてるはずなんですよね。

供養塔の存在が、太地町の人達がイルカに敬意を示してるかどうかってのはともかく。

Sea Shepherd にしてみれば、供養塔の存在自体が、イルカ漁の「偽善」を象徴するものなのかもしれませんね。
あるいは、イルカ漁が「伝統の再創造」によるものだと認識しているとか・・・。

その意味では、Sea Shepherd が供養塔の存在を知っていたか知らなかったにせよ、供養塔に行かなかったのは自然の流れとも言えます。
結果として、太地町のイルカ漁について無知だと思われたのは否めませんが・・・。
返信する
報道が楽しみ? (Ursaemajpris)
2010-10-20 11:28:30
どこがどんな報道をするでしょうかね?
【読売新聞】コーヴの太地町、反捕鯨団体と月内に対話集会
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101020-OYT1T00228.htm
返信する
Ursaemajpris さんへ (flagburner)
2010-10-20 20:57:01
コメント&情報ありがとうございます。

>どこがどんな報道をするでしょうかね?
最初に afp か時事通信が国外に配信→国外メディアが騒ぐ→日本のメディアが・・・(略)
という展開になったら笑えませんね(苦笑)
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。