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Israeli ad campaign said to United States:don't trust American Jews?

2011-12-03 20:40:35 | パレスチナかイスラエルか
何か知らないけど、イスラエルの移民統合省(Israeli Ministry of Immigrant Absorption:משרד לקליטת עלייה‎)が米国に住んでるイスラエル国籍を持つ人達に「アメリカ人と交際したり結婚すれば、ユダヤ人としてのアイデンティティーを失うだろう」などの広告キャンペーンをやっていた模様。
・イスラエル「アメリカ人とデート禁止」の恩知らず(2011年12月2日 newsweekjapan.jp;下記の globalpost.com の訳)
・Israeli ad campaign suggests Israelis shouldn’t date Americans (VIDEO)(2011年12月1日 globalpost.com)

newsweekjapan.jp の記事の見出しがアレなのはともかく・・・。
このキャンペーン、色んな意味で笑うしかない代物だった。
以下、2011年12月2日分 newsweekjapan.jp『イスラエル~』を全文(略
読む前に、周りに火の気がないことを確認するのを忘れないように!(謎)

---- 以下引用 ----
イスラエルの移民統合省がアメリカ人、そして在米イスラエル人の気分を害するような広告キャンペーンを開始した。

 キャンペーンの目的は、アメリカに暮らすイスラエル人、約200万人をイスラエルに帰国させること。
街中のビルボード広告やテレビCMで、在米イスラエル人に警告する。
アメリカ人と交際したり結婚すれば、ユダヤ人としてのアイデンティティーを失うだろう。

 ビルボード広告はボストン、ロサンゼルス、ニューヨーク、フロリダなど全米に掲げられ、ヘブライ語でこんなメッセージが書かれている──「アバ」(ヘブライ語で父親)が「ダディー」になってしまう前に、イスラエルに戻ってきなさい。

 移民統合省のウェブサイトには、アメリカ人と付き合ったりアメリカで子供を育てることによる「危険」を示唆する動画がいくつも掲載されている。

 例えば、物憂げな表情を浮かべるイスラエル人の彼女が映し出される動画。
この日は「イスラエルの戦没者記念日」なのだが、アメリカ人のボーイフレンドには、彼女がなぜ悲しげなのか見当もつかない。そこにヘブライ語でナレーションが入る。
「彼らはいつまでもイスラエル人であり続ける。だがパートナーたちがそれを理解してくれるとは限らない。だから彼らをイスラエルに呼び戻しましょう」

 また違う動画では、アメリカで育った子供がユダヤ教の祝祭日「ハヌカ」とキリスト教のクリスマスを混同している様子を描く。

 米アトランティック誌のジェフリー・ゴールドバーグ記者に言わせれば、これは恩知らずな言い分だ。
イスラエルは次のように言っているに等しい。
「親愛なるユダヤ系アメリカ人たちよ、米政府からイスラエルへの武器供与のためにせっせとロビー活動に励んでくれてありがとう! でも頼むから、われわれの息子や娘たちには近寄らないでくれ」
---- 引用以上 ----


・・・・・・・・・・・・。


イスラエル政府にとって、米国って何だろうね?
そう言いたくなるくらい酷い内容の広告だな(呆)


で、これらの広告については正直突っ込みどころしかないのだが、あえて1点だけ触れておく。
この広告の1つであるビルボード版、「誰」を対象にしているのかについて疑問に感じざるを得ない。
つーのも、「アバ」が「ダディー」に云々って、イスラエルの市民権を持つ男性を対象の広告と読み取れるのよね。
当然、これは男性がユダヤ教徒であるという前提に立った上でのことだが・・・。
そこには、イスラエルの市民権を持つ非ユダヤ教徒の存在が見事に抜けている。
さらに、イスラエルの市民権を持つ女性の存在は(ユダヤ教徒 or 非ユダヤ教徒問わず)全く問題となっていない。
イスラエル政府にとって、イスラエルの市民権を持つ女性は「どうでもいい」存在であるかの如く・・・。

単一民族・単一宗教(+男性優位)としての国家イスラエルを宣言してるも同然だ。
(言うまでもないが、イスラエルに住んでいるパレスチナの人達の存在はきれいさっぱり無視されている)

後、もう1点触れておくなら、「彼らはいつまでもイスラエル人であり続ける~」なんて、さながら「イスラエルの市民権を持つ人達を信じるな」って米国の人達に宣言してるも同然だよな。
これじゃ、米国に住むイスラエルの市民権を持つ人達やユダヤ系の人達にとってとんでもない迷惑な広告としか。


こんな内容の広告だけに、米国内から非難がイスラエル政府に飛んできたのは言うまでもない。
そして、イスラエル政府は、昨日になって問題の広告をやめることを宣言した。
・Netanyahu pulls ad campaign for Israeli expats that angered U.S. Jews(2011年12月2日 jta.org)
・Israel’s Ministry of Immigrant Absorption Ordered to Pull Controversial Ads(2011年12月2日 houston.mfa.gov.il)

が、その言い分が凄まじいものだった。
以下、2011年12月2日分 houston.mfa.gov.il『Israel’s Ministry of~』から、駐米イスラエル大使 Michael Oren 氏の声明部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
“The Ministry of Immigrant Absorption’s campaign clearly did not take into account American Jewish sensibilities, and we regret any offense it caused,” Michael Oren, Israel’s ambassador to the United States, said in a statement.
“The campaign, which aimed to encourage Israelis living abroad to return home, was a laudable one, and it was not meant to cause insult. The campaign was conducted without the knowledge or approval of the Prime Minister’s Office or of the Israeli Embassy in Washington. Prime Minister Netanyahu, once made aware of the campaign, ordered the videos immediately removed from YouTube, and he ordered that the billboards be removed as well. The prime minister deeply values the American Jewish community and is committed to deepening ties between it and the State of Israel.”
---- 引用以上 ----

移民統合局の暴走、か。
色んな意味でトカゲのしっぽ切りになってる感が否めないのは俺だけか?
いくらなんでも、一連の広告を出すのにイスラエル外務省が絡んでないのは無理があるし・・・。
色んな意味で謎だらけである。


それにしても。
問題の広告を見て、イスラエルに戻りたいなんて思ったイスラエルの市民権を持つ人達はどれくらいいたんだろうか?


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