散歩路地《サンポロジー》      毎日が発見! 身近な自然が見えてくる!


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 ☆ 世田谷の散歩道

 ☆ ネイチャークラフト

 ☆ 環境学習ゲーム

忙しい一日の演出家。 ゴイサギ、ノコギリクワガタ、ムラサキツバメ

2013-09-27 | 僕の散歩道
明日は多摩丘陵に行くことになった。そうなると、今日は何としても散歩に出かけデータを取っておかなければならない。
このところ、ちょっと冷え込んでいるし、台風20号も通過したし…。
チョウの数は、今度こそ減っているのではないかと思ったのだ。
ただ、今日は13時から打ち合わせがある。チョウのデータは決まった時間に取っているため、終了時間は通常12時。面白いやつが出てきたり、写真撮りに手こずると、すぐに12時半くらいになってしまう。
打合せに間に合うには、12時11分発の電車に乗らなければならない。駅までは急ぎ足で10分。ちょっと厳しい。となれば、「脇目も振らず、写真も撮らず、データだけをしっかり取って帰ろう。」そう心に決めて出発した。

このところ、クロアゲハや、ナガサキアゲハと言った、黒色系アゲハが出てこなくなった。ところが、こんな日に限って、姿を現したのだ。それも、ちょっと離れたところで、しかも翅はボロボロ。ぱっと見ただけでは種類がわからなかった。仕方なく追いかける。やっとの思いで確認してみればジャコウアゲハだった。この段階で3分ロス。

仙川に出た。今日は川の中はあまり覗かないで行こうと思ったのだが、なんと、ゴイサギらしいシルエットが見える。コサギやアオサギなら無視して通過したのだが、ゴイサギはそれほど頻繁には見られない。このコースでは、年に1,2回ほど。「これは一応写真に収めておこう」と思い、そっと近づいた。カメラを構えたところへ、自転車が通りかかりベルを鳴らした。そのとたん、ゴイサギは飛んでしまったのだ。そのまま見えなくなるのならあきらめもつくが、50mほど上流に移動したのだ。仕方なくそれを追いかけ僕も移動。なんとか撮影はできたが、ここで、また3分のロス。

  ゴイサギ幼鳥 2013-09-27 世田谷(仙川)      ゴイサギ成鳥 2013-02-24 井の頭公園

調査に戻ろうとしたのだが、なんと、上流から、カルガモとは明らかに違うカモが2羽泳いできたのだ。
実は、あの翼を痛めたコガモが、8月4日を最後に見られなくなっていたのだ。ひょっとした、今泳いできているのがそのコガモかもしれないと思い。観察を続けた。
残念。泳いできた2羽は、どちらも翼に損傷はないようだ。しかも、オナガガモのようだった。またまた3分のロス。

アスファルトの道を行くと、黒っぽい虫が転がっていた。またいで通過したのだが、その時見た映像が、無意識のうちに頭の中で再現されていた。そして、「今のはクワガタ?」と問いかけてきた。
振り返り後戻りをする。再現映像は正確だった。そこにはノコギリクワガタの♀がいた。


歩道に転がっていたノコギリクワガタの♀ 2013-09-27 世田谷

拾い上げるとかすかに前脚を動かした。しかし、踏みつぶされたようで、回復の見込みはない。まさに虫の息常態。急いでいるのにしゃれが浮かんでしまう。どうなっているのだ!
このメス、きっとたくさんの卵を産んでくれたのだろうと、感謝の意を込めて、道脇の植え込みの中に葬ってやった。またまたロス3分。

ここまで10分以上時間を食ってしまったが、最後の砧公園を出たのが11時46分。ここからは4分で自宅につく。「何とか間に合った」と思った瞬間。目の前を紫色のチョウが通過した。公園と歩道を隔てる柵をすり抜け、草の上に止まったのだ。ムラサキシジミより明らかに大きい。おそらくムラサキツバメだ。しまいかけたカメラを取り出し。柵越しに撮影した。翅が傷んでいて、どちらか判別が付かない。双眼鏡でのぞこうとすると、飛び去ってしまった。どちらだったかは、後で判別すればよい。とにかく急ごう。調査終了時間を11時48分に書き換え自宅に戻った。

なんとか1時の打ち合わせには間に合った。その後もう1件の打ち合わせを終えて、自宅へ帰りついたのは21時。
一休みしたところで、データの整理と、ムラサキツバメの判別に取り掛かった。
翅がボロボロだったが、右後翅に尾状突起の破片が残っていた。それに、前翅の先端が尖らない。この2点からムラサキツバメと判別した。良かった…。やはり最後に撮影したのは、ムラサキツバメだったのだ。

  ムラサキツバメ 2013-09-27 世田谷       ムラサキシジミ 2013-07-30 世田谷

結局、今日もチョウの種類はほとんど減らず20種類も出現した。まあ、既に12時を回っているので、正確には、「昨日は…、であるが。 忙しい1日は日を跨いでやっと終了した。