「愛」という字の下に

　現在、放送されている大河ドラマ作品と言えば『篤姫』ですね。幕末モノはヒットしないという大河のジンクスをものともせず、魅力的な役者陣の熱演のせいもあってか中々の高視聴率のようで、世の知名度もアップしてると思われます。

　ちなみに来年のドラマは火坂雅志氏原作の『天地人』に決まっておりまして、前に大まかな配役が発表されました。
http://www.nhk.or.jp/niigata/2009taiga/jinbutu.html

　よくご存知ない方のために少し補足いたしますと、この作品の主人公は直江兼続（なおえ　かねつぐ）と言う武将でして、神懸り的な戦の申し子として有名な戦国大名・上杉謙信が築いた越後（現在の新潟県）上杉家の家臣であります。
　何かとドラマや映画で取り上げられやすい戦国武将なのにあまり知名度がないのでは？と思われた方も多いと思います。

　なぜそんなマイナーぎみな兼続くんが主人公になれたかと申しますと、彼は謙信亡き後に後継者争いによる内乱で弱体化の危機にあった上杉家を内政・外交・軍事の各方面から支えた有能な人物であり、時勢を読んで中央権力と密接に結びついたり、逆に上杉家の家訓ともいえる『義』を尊び権力者に媚びることなく筋を通して家名を守った忠臣としても評価があるおかげです。

　その割にいまいち知られていないのは、彼が徳川家（より具体的に言えば徳川家康個人と）と対立した経歴の持ち主で江戸時代を通して語られることのない歴史的に抹殺された人物だったからと言えます。また、現代日本が歴史教育に歪みがあり、同時に地方史レベルで語られることはあっても全国的にはさほど有名でない人物に対して、あまりにも無関心にしてきたからかもしれません。

　なお、私のような歴史フリークや小説・漫画・ドラマ・ゲームなどの分野で戦国時代にある程度の知識関心を持つ方であれば、恐らくだいぶメジャーな人物ではあるのですが…

　さてさてその兼続と言えば、ドラマ制作決定によって所縁の地域ではさっそく町おこし的な動きが活発化してきているようです。上杉家の元々の領地は前述の通り越後でしたが、後に会津（福島県）へ移動となり、さらに関ヶ原の戦い以後は米沢（山形県）に移されました。従って我が東北とも浅からぬ縁があるのです。

　んでもって、つい最近その兼続にまつわるマスコットキャラクターが発表されました。それがこちらです。
見る人が見れば、今はやりのゆるキャラ系であることは自ずからわかりますね。
　あっ、そこのあなた、もしかしてこれを「ひこにゃんのパクリじゃんｗ」なんて思ってませんか？　
　……ぶっちゃけ、実は庵主もパッと見た時にそう思っちゃいました。　でもまぁ、それなりに特徴を捉えてるみたいだから良しとしましょう。

　いずれにしてもこんなんで篤姫人気みたいにヒットする...かな？　かなりビミョーです。