家庭医療学について

家庭医療学周辺,教育の話題とWONCA(世界家庭医療学会)やSTFMなどの学会の参加記を少し。

とりあえずひとこと(Kyoto WONCA)

2005-06-02 00:16:04 | 学会(WONCA,STFMなど)
まだpost conference workshopが進行中であるが、自分はもう帰ってきたし、レジデントと報告会もやったので、終了気分。とりあえず一言だけ。やっぱり日本人の英語はちょっと情けなかった。(少なくとも私が参加したワークショップやシンポでの発表の人の多く。もちろんきちんとした人もいましたが)突然の質疑応答や、直接の会話は臨機応変さが必要なので仕方ないとしても、ポスター発表や、シンポジウムの発表は前もって原稿を書いておいてそれを読めばいいのだから、事前にnativeや英語が得意な人にチェックしてもらう事が出来るはず。国際学会なのに(そうでなくても)それぐらいはやって欲しい。日本語の発表でもきちんと予演会をやって、意見をもらって臨む人もいるのだから。英語力の問題、というより、きちんと準備に手間ひまかけましょうという事です。ほんとに英語力の問題、というより、手間ひまかければ必ずアドバイスをくれる人がいるのだから(有料のものも含めて)心構えの問題。XXXで発表したXXXなど!単語と'and'の羅列だけで一つも成立した文章がなかったじゃないか!聞いているほうが恥ずかしかったです。まあ座長を担当したセッションのOランの人たちもかなり大変でしたが。ウーン。医師として、現代人としてどの程度まで英語が出来なければならないのでしょう。(教える立場としてどの程度まで教えないといけないのでしょう。以前MedEdでもそのような話題が出ていましたが本当に難しい問題です)

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1 コメント

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WONCAでの英語 (ks)
2005-06-12 01:12:44
皆様WONCAお疲れ様

 私もWONCA行きました。海外からの参加でしたので名前の下にはUSAと書かれてしまいましたが、日本人のつもりで自分も英語でシンポジウムをさせていただきました。そのシンポジウムにおいてですが、発表は皆さんリハーサルをして、内容も米人に確認してもらい準備万端だったみたいです。その分原稿読みになってしまっているのが寂しいことと、フロアーからの質問に対して、まず質問の英語の内容が理解できていない。答えているつもりが全く内容がずれている。従いディスカッションにならない、といったことが多くありました。すべて言葉が上手でないのでという甘えでごまかしていたようですが、これはとんでもない恥ずかしいことだと思います。もしこれが予測されるなら最初から通訳をつけるべきだと思います。

 もちろん日本語でのプレゼンテーションでさえも、データの羅列で趣旨がはっきりしなかったり、質問に対して明確に答えないという日本的な風潮がありますので、それにさらに拍車をかけて英語でとなるととんでもないことになるんですね。

 海外の方々は、表面上は笑っておりますが、他国での大会と比べると全くレベルが劣ることを明確に理解しております。それでもまだ言葉のせいだろうと思ってくれているようですが、残念ながら内容的に見ても実質はあまりないように思えてなりません。事実の羅列、状況の説明とかは詳細ですが、考察とか意見という自分の意思表示の面が弱いと思います。



 また面白いと思ったのは、非常に日本的なものをそのまま海外に出すと、おかしくずれてしまう物があるんですね。名前は出せませんが、ある発表に”Urban Sophistication”という言葉が強調されておりましたが、これなどは実質的には何の意味も持たない言葉です。日本的には”都会的洗練”ということになりましょうか。これは海外の人(特に発展途上国)には伝わりません。”Urban sophisticated private practice"すなわち”都会での洗練された開業医療”何だコリャ?だと思います。これはアメニティーを打ち出したファッショナブルな建物での開業医療を言っていたのですが。質問として出てきたのは、”その診療で100人もの患者を診ているが、診療のクオリティーはどうやって維持しているのかとか、患者の医療の満足度は”とかいった実質面を突っつかれておりました。アフリカや東南アジアの家庭医相手にアーバンソフィスティケーションの家庭医療開業をといても、スノッブな金持ち医者としか映らないところが残念です。この医師は私の長年来の友人なので、何も悪口を言っているわけではありません。彼はとてもいい医療をしているとおもいますが。とにかく、プ学会にしても、総診学会、家庭医学会にしても国際学会をするにはまだまだ未熟すぎます。よほど英語の達者な人材を集めて、通訳をフルに使ってやらないと、日本の医療や医師は馬鹿にされます。もうされていると思いますが・・・・。

 将来の家庭医療を目指す方々には、早いうちに海外に出て、国内で上級とか、上手とか言われるレベルなどはずーっと越して実用可能なレベルまで伸ばしてください。変な日本風な評価に甘んじてはなりません。そのためには普段から医局のカンファレンスなどは今後すべて英語でするようなことをしてはどうでしょうか。またプレゼンテーションも同様です。

 世界を知らないと自分がわかりません。日本全体そんな感じがとてもします。

 日常に英語を取り入れて、英語での生活を続けてみてください、1年後にはきっと成長している自分に気づく事でしょう。 長くなりました。