goo blog サービス終了のお知らせ 

未来の読書ノート

読んだ本のメモ。あくまでもメモでその本を肯定したとは限らない。そんなノート。

高島康司著 『こんな時はマルクスに聞け』

2009-09-23 | 資本論
 このような、ときとして暴力をともなうことにもなる新しく労働者を作り出す過程を、『資本論』では、本源的蓄積といっている。
 『資本論』では、本源的蓄積を、資本主義の初期に起こった現象としてエンクロージャーなどを例に出しながら解説している。
 本源的蓄積は、資本主義の歴史を通して幾度となく起こった。なぜなら、この方法によって安い労働力が手に入り、より大きな利潤が望めるからである。
 これは、マルクス以後の時代に現われた多くのマルクス主義の思想家も指摘する点だ。本源的蓄積のくり返し、共同体を解体して安い労働力の源泉を作り出すことは、資本主義システムの一般的な傾向であるといって間違いないだろう。 ㌻100

 未来記=資本主義を、歴史の一過程としてとらえることは重要。そして、そもそもの本源的蓄積を考えると、資本主義はけっして平和的に行われていないことがわかる。「努力したものが報われる」というイデオロギーは、資本主義の始まりその時からウソにつつまれているのだ。