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未来の読書ノート

読んだ本のメモ。あくまでもメモでその本を肯定したとは限らない。そんなノート。

『季論21』第5号 白井浩子「人間活動量の限度」

2009-08-11 | 自然科学
 生物進化や生態系の変遷は、人間の一生や生活レベルの速さではなく、少なくとも万年の単位で進むものであるから、その変化を実感することは普通は出来ない。過去において確かに、生物種の九〇%が変わるような、いわゆる大絶滅の時代が数千万年ごとに何回かあったことが化石の研究から明らかにされている。この交代はしかし、一千万年もかかっている。 ㌻165

 未来記=自然をそれ自体の歴史から見るとき、生態系を自ら破壊し続けている生物は、人間だけだ。

『季論21』 2009年夏 第5号

2009-08-05 | 自然科学
 尾池和夫
 地球というのは、ものすごい複雑な仕組みをもっていて、いろいろなことをやりながらいきいきと活動して未だにまだかなり若い星なのです。四十六億年。
 (中略)
 四十六億年の地球の歴史はまだまだ続きます。ですから、何が大事かというと地球を守るとか言うのでなく、地球を理解する、地球を知るということに今の人たちは一生懸命になるということだと思います。
 (中略)
 そういう、地球を理解する、地球を知ってそこにありがたく住まわせてもらうという、そういう人間になろうという、そんな考えで地球を見たいなと思っています。 ㌻31

 未来記=「学ぶことと生きること、そして明日」という尾池和夫前京都大学総長と益川敏英ノーベル物理学賞受賞者の対談。環境問題に対しての尾池氏のこの発言は、大局的な視野に立っている。地球や自然を知るということは、その自然の中で人間がどう生きるかを問うことにつながる。だからこそ、宇宙、地球、生命の誕生など、自然を知ることがその方向性を見失わないということを言っているのだろう。
 ただ、環境問題は経済学者の考えることなどというのはいかがなものか。

益川敏英著『科学にときめく』

2009-07-18 | 自然科学
 坂田先生の言われたように、そのディスカッションを保障するというか、若手であろうが、年寄りであろうが自由に話ができる雰囲気をつくることが大切です。そのために研究室の民主主義が非常に重要なことなんだと思います。坂田先生はそういう言い方はされませんでした。種明かしみたいなことはされないんだけども、僕は、「研究室に民主主義がなぜ必要かというと、それはディスカッションを保障するためなんだろう」と思います。 ㌻139

 未来記=「自由に話ができる雰囲気」を常に心がけ、それをみんなが実践することはなかなか難しいだろう。それでも、それが実践できけば大きな力になることは間違いない。これは、どのような場でも重要なことだろう。