
地ビールを飲み干し、時計に目をやると10分前になっていた。
これを乗り過ごすと後一時間待たねばならない。
まだ汗の残る体を扇風機の前でDODA!状態で乾かし。
↑
真っ裸で、手を腰にやり、ふんぞり返った状態です。
送迎バスの出る本館前まで急いだ。
黒板に白字で書かれた歓迎の文字を見て気が付いた。
「歓迎 ××市役所F1観戦ご一行様」
そうか、ここは鈴鹿サーキットの近く。
明日はF1の決勝。
今日はその予選。
この温泉地にまで観戦者が押し寄せているのだろう。
丁寧な仲居さんに見送られ送迎バスはその温泉地を後にした。
駅について名古屋までの料金表と列車の時間を見る。
うーん。足りない。
すみません。この駅の近くで銀行とかがある大きな駅はどこですか?駅員に聞く。
「えーと、だったら津ですね。」
津か。津は私の初出張の想い出の地。
久々にいってみよう。
そうして次の途中下車地は津駅に決まった。
津駅に着くと、駅の様子が激変していた。
駅自体は昔のままだ。
違うのはそこにいる乗客。
色とりどりの帽子やシャツ、旗をもった津市民じゃない集団が占拠している。
そう、F1観戦客でごった返していたのだ。
無事ATMで資金を下ろした私は、せつなさ「はちみつとクローバー」並で駅前に立っていた。
懐かしいな。
そういえばあの頃・・・(妄想中です)
折角だから行ってみようかな。。。
そう思った時には駅前のタクシーに乗り込んでいた。
「大門まで行ってください。で、行く前に○○事務センターのあたりを廻ってもらえませんか。」
大門。
それは津駅からすこしはなれた小さな繁華街。
○○事務センターはお客さんの事務所。
そこから歩いていける距離のホテルに泊まり、近くのスナックに夜な夜な通っていた。
三重大学のヨット部の練習を眺めてた橋。
よく焼かないと肉を食べられない先輩の仕切りで、こげたような焼肉を食べさせられた店。
熱く将来を語り合ったフェニックス並木道。
それらは変わらずそこにあった。
程なくして、大門のホテルの前にタクシーはついた。
そうだ。もし、あのスナックが今もあったなら、今夜行ってみようか。
そしてこの懐かしいホテルに泊まろう。
大門辺りでは津祭りが開催中で、太鼓やお神輿、出店などでにぎわっていた。
ここだ、ここだ。
見覚えのあるスナックビルの看板は、見覚えのないアジアンチックな名前のお店で塗りつぶされていた。
なくなったんだな。
みんな元気なんだろうか。
かれこれ15年前の話だ。やってるほうがおかしいぐらいだよな。
そう言い聞かせてその場を離れた。
帰りは乗りなれたバス停から駅行きのバスに乗り込んだ。
もう、来ることもないかもしれない。
そう思うとさらにせつなさが増してくるのだった。
続く
これを乗り過ごすと後一時間待たねばならない。
まだ汗の残る体を扇風機の前でDODA!状態で乾かし。
↑
真っ裸で、手を腰にやり、ふんぞり返った状態です。
送迎バスの出る本館前まで急いだ。
黒板に白字で書かれた歓迎の文字を見て気が付いた。
「歓迎 ××市役所F1観戦ご一行様」
そうか、ここは鈴鹿サーキットの近く。
明日はF1の決勝。
今日はその予選。
この温泉地にまで観戦者が押し寄せているのだろう。
丁寧な仲居さんに見送られ送迎バスはその温泉地を後にした。
駅について名古屋までの料金表と列車の時間を見る。
うーん。足りない。
すみません。この駅の近くで銀行とかがある大きな駅はどこですか?駅員に聞く。
「えーと、だったら津ですね。」
津か。津は私の初出張の想い出の地。
久々にいってみよう。
そうして次の途中下車地は津駅に決まった。
津駅に着くと、駅の様子が激変していた。
駅自体は昔のままだ。
違うのはそこにいる乗客。
色とりどりの帽子やシャツ、旗をもった津市民じゃない集団が占拠している。
そう、F1観戦客でごった返していたのだ。
無事ATMで資金を下ろした私は、せつなさ「はちみつとクローバー」並で駅前に立っていた。
懐かしいな。
そういえばあの頃・・・(妄想中です)
折角だから行ってみようかな。。。
そう思った時には駅前のタクシーに乗り込んでいた。
「大門まで行ってください。で、行く前に○○事務センターのあたりを廻ってもらえませんか。」
大門。
それは津駅からすこしはなれた小さな繁華街。
○○事務センターはお客さんの事務所。
そこから歩いていける距離のホテルに泊まり、近くのスナックに夜な夜な通っていた。
三重大学のヨット部の練習を眺めてた橋。
よく焼かないと肉を食べられない先輩の仕切りで、こげたような焼肉を食べさせられた店。
熱く将来を語り合ったフェニックス並木道。
それらは変わらずそこにあった。
程なくして、大門のホテルの前にタクシーはついた。
そうだ。もし、あのスナックが今もあったなら、今夜行ってみようか。
そしてこの懐かしいホテルに泊まろう。
大門辺りでは津祭りが開催中で、太鼓やお神輿、出店などでにぎわっていた。
ここだ、ここだ。
見覚えのあるスナックビルの看板は、見覚えのないアジアンチックな名前のお店で塗りつぶされていた。
なくなったんだな。
みんな元気なんだろうか。
かれこれ15年前の話だ。やってるほうがおかしいぐらいだよな。
そう言い聞かせてその場を離れた。
帰りは乗りなれたバス停から駅行きのバスに乗り込んだ。
もう、来ることもないかもしれない。
そう思うとさらにせつなさが増してくるのだった。
続く