( 小笠原諸島父島出張(父島着) から続く )
お昼はホテルから歩いて5分ほどのところにある居酒屋「波食波食(ぱくぱく)」で食べることにした。この店は二見港のある大村地区の郵便局から東に延びるボニン通り沿いにある。
店に入る。店内は入口から見て右手に厨房があり、厨房の前にカウンター席が8席直線上に配されている他、左手には4人掛けのテーブル席が5卓あり、奥の一段上がったところに座敷があって、4人掛けのテーブル席が1卓配されている。
店員さんに案内されてカウンター席に座った。卓上には醤油、ラー油、お酢、一味唐辛子、ソース、テーブルコショー、ふりかけといった調味料が並んでいる他、箸と楊枝、灰皿、ティッシュボックスが置かれている。入口付近にレジがあり、その脇に給水器が置かれていて、その横にグラスが重ねられている。お冷やはセルフということで、コップを1つ手に取り、給水器から冷水を注いで卓上においた。
お冷やを飲みながらメニューを眺める。メニューは壁に掲げられている。夜のメニューもたくさん書かれているが、黒板に「本日の限定メニュー」と書かれていて「新亀の刺身」「新亀の煮込み」「島魚の刺身」「島魚のぶっかけ丼」「肉野菜炒め定食」「豚のしょうが焼き定食」「ガーリックポーク定食」「焼肉定食」「豚バラ丼」「エビフライ定食」「冷し中華」と書かれている。
「新亀の煮込み」には興味をそそられたが、結局注文したのは「島魚のぶっかけ丼」である。ご飯を大盛りにしてもらうことにした。
料理を注文すると、再びお冷やを飲む。しばらくして料理が一式トレーの上に載せられて運ばれてきた。トレーの上には島魚の刺身と小鉢、お新香、ご飯、味噌汁、タレが載せられている。
島魚の刺身はメカジキとソデイカである。皿には大葉が1枚敷かれ、メカジキの小片が6切れとソデイカの小片が8切れ盛られ、刻みネギがその上に載せられて、おろしワサビが添えられている。
ぶっかけ用のタレはゴマの香ばしい香りのする秘伝のタレの中に生玉子が落とされていて、擂り胡麻が振りかけられている。
小鉢は切干大根の煮付けで、ニンジンが和えられている。
お新香はタクアンである。
大盛りにしたご飯には刻んだキュウリと刻み海苔が散らされている。
味噌汁はワカメが入っていて、刻みネギが浮いている。
最初に味噌汁を飲む。朝は船内でパンを食べただけだったので、かなりお腹が空いている。味噌汁の旨みと塩分が胃袋に染み渡るように美味しい。
続いて刺身を半分ご飯の上に載せ、タレの中の生玉子を軽く崩すようにしてかき混ぜると、タレの半分くらいを刺身の上からかけた。続いて刺身とタレが適度にかき混ぜると、ご飯と一緒にかき込む。
タレは少々油っぽいが、旨みがあって、魚の切り身を覆うように混ざり合い、口の中に入ってくる。ソデイカの切り身は小さいが肉厚で、ねっとりとした食感が美味しい。イカの淡泊な旨みにタレの旨みが加わって、いくらでもご飯が進みそうである。一方メカジキも肉厚で、もっちりとした食感である。脂が少な目で、あっさりとした食感ながら、旨みがあって美味しい。
ご飯の上の刺身が無くなると、小鉢の切り干し大根とお新香でご飯を食べる。切り干し大根はジューシーで、薄い味付けが却って美味しい。タクアンのパリパリとした食感がアクセントになっている。
ここで味噌汁を少し飲むと、小皿に残っている刺身を全てご飯茶碗に投入し、残りのタレも全てご飯に注いだ。そして今度は豪快にご飯と一緒にかき込んだ。口の中ではソデイカとメカジキが玉子とタレで適度にまとまり、魚の旨みにタレの旨みと玉子の甘みが一体になって喉の奥に消えていく。無心になって食べてみれば、あっという間にご飯茶碗は空になってしまった。
最後に味噌汁を飲み干して完食。美味かった。満足である。
コップに残ったお冷やを飲み干すと、席を立って入口脇のレジで代金を払い、店を出た。
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