
山中富雄さんは、東京では、映画「リング」(主演 松嶋奈々子)など、100本以上の映画の制作主任を務めた。8年前広島に帰ると、新藤兼人監督のもとで、「石内尋常高等小学校 花は散れども」の制作担当の1人として活躍する。広島での自主製作作品は、はやくも5本に達した。彼の映画に対する思い入れは強い。映画にどのようにかかわってきたか、話してもらった。
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<コメント>
山中さんは、まだ青年の面影を残した人で、東京での映画のかかわりについて誠実にたんたんと語つた。
「映画作りには表の仕事と裏方の仕事がありますが、自分は10数年間、裏方の仕事である制作の担当を続けてきました」
そんな彼の人生が暗転したのは、連鎖倒産に出遭ったプロデューサーのときのことだった。
「どうしようもなかったですね。映画を作る気もなくなり、負債を清算して広島に帰ってきました」
「映画作りには麻薬のような魅力があるんですね。あれだけ苦労をしながら、また始めてしまいました」と笑った。
新藤兼人監督とは縁が深く、「Hiroshimaピープルズ 愛のカタチ」を見ていただいたところ、次のような返信をもらった。
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◇青春賛歌若い情熱を映像にわき目もふらず叩きつけてください。映画は「心」です。まっすぐな「心」はあらゆる真実を貫きます。
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■メルマガエポカわ~るど 編集者の独り言
黒沢明監督の映画「生きる」の感動的な最終場面
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山中映画監督を取材して思った。
「最近はほとんど映画を観たことがない。さりとて昔もそれほど観たわけでもない。10代後半から20代前半にかけては、ときおりみていたが・・・」
これでは山中さんに申し訳ないなと思っていると、ある感動的なシーンが頭に浮かんできた。黒沢明監督の映画「生きる」の最終場面である。
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市役所の市民課長:渡辺勘治(志村喬・53歳)は、ガンのため余命半年ということがわかり、これから死ぬまでの間何をなすべきか煩悶する。キャバレーや酒場をさまよったが、そこには心を満たすものは何もなかった。
あることから、主婦のグループが市民課に陳情にきていた公園づくりのことを思い出す。
「今までは取り合わなかったが、やる気さえあれば公園はできる」と思った彼は、それからは獅子奮迅の働きを始める。関係部門に行き、断られても断られても粘り強く交渉した。半年後、公園はついに完成する。
その夜、渡辺課長は公園のブランコに乗り、「いのち短し恋せよ乙女・・・」と歌いながら雪の降る中で死んでいった。ほのぼのと笑みを浮かべながら・・・。
♪いのち短し 恋せよ乙女 紅き唇 あせぬ間に
熱き血潮の冷えぬ間に 明日の月日はないものを
いのち短し 恋せよ乙女 黒髪の色 あせぬ間に
心のほのお 消えぬ間に 今日はふたたび来ぬものを♪
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