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君島龍輝さんは、愛と平和をテーマにした畳180枚分にもなる巨大木版画プロジェクトを現在制作中である。こうした超多忙のさなか、広島市中区八丁堀にあるビルで「愉快で楽しい木版画教室」を主宰している。君島さん独特のひょうひょうとしたキャラクターは、教室の雰囲気を明るくし楽しくしている。君島さんに、これまでの経歴や巨大プロジェクトまでの道程などについて伺った。
詳細⇒http://www.epocaclub.com/
<一言メモ>
君島さんは学校を出てからプロのギタリストを目指していたが、25歳のとき、スペインのフラメンココンサートを聴き強烈なショックを受けた。この域に達するのは、一生かかってもムリだと思ったのである。
君島さんの決断は早かった。ただちにギターを断念、故郷の那須温泉に帰つた。
実家は蕎麦屋だったので、ポスターやカレンダーの裏面に蕎麦に関する絵と文字を描いて店に掲示した。ある日、彼が外出先から店に帰ると、すべての絵がなくなっていた。どうしたのかと店員に聞くと、お客さんが買っていった答えた。
その後、木版画のプロとして北海道から九州まで積極的に活動を展開、さらにニューヨークへ進出した。
日本に帰ると広島に移住、巨大プロジェクトの制作に着手した。
テーマは『愛と平和』。君島さんは淡々と次のように語る。
「自分が得意としている版画で、平和の尊さを世界に向けて発信したい。発信力を高めるためには大きい作品のほうがよいと思い、巨大プロジェクトに挑戦することにした」
制作開始は2010年6月2日、完成予定はなんと2012年12月25日というのだから、さぞかしストレスがかかるだろうと思ったが、彼にはそんな気配はまるでなかった。
版木の裏に、1万人もの人たちから「愛と平和」のメッセージを書き込んでもらうそうだが、すでに3000人のメッセージを書いてもらっているとのことだった。
君島さんいわく、
「平和は、家族仲良く、近所の人たちと仲良く、から始まるものと思っています」