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スペースファンタジー小説「EP列伝」の著者が、日常のとりとめもない話題を書くブログです。

地震から1年~本震編3

2018-01-21 23:30:00 | 自分のこと
今更ですが、本年もどうぞよろしくお願いします。


年を越した地震編もやっと完結です(^^)。



何もない生活が2、3日続いたが、さすがに厳しくなってきた。

このままではどうしようもないと、
意を決して部屋の扉を開けることにした。

体重をかけ、思いっ切り押したが、相変わらず少ししか開かない。

「ダァー」

それでも何度も押す内に、わずかに腕が入る隙間が出来た。

『行けるかも!?』

厚い服のままでは少ししか入らず、
セーターを脱いでシャツ1枚になり、
扉に腕を引っ掛けながら押し込むと、
遂に左腕を入れることが出来た。

『よしっ』

そのまま座りながら下の方に移動し指で触ると、本の感触があった。

『むぎー』

何とかつまんで腕を引き抜くと、やっと一冊取り出すことが出来た。

『ふー。やれやれ』

腕に軽い痛みがあり見てみると、ミミズ腫れして血がにじんでいた。
仕方ない。やるしかない。
また腕を扉で擦りながら次の本を取り出す。

後はその繰り返しで、何度も何度も同じことをして少しずつ取り出す。
すると、最初より多く開くようになり、腕も楽に入りペースが上がった。

『おっ』

ガツンと、ゴミ箱のロング缶に当たる音がした。
これを取れば、展望が開けてくる。

『むむむー』

だが、ロング缶を動かそうと指先に力を入れても思うように動かない。
本か何かが載っているようだ。

『ウォー』

何度やっても動かなかったので、
棒を入れ力の限り持ち上げた。

すると、斜めに向きを変え覗けるほど扉が開いた。

『ヤッター、ゲッ』

そこから覗いた部屋の中は、前震より更に凄いことになっており、
前震では耐えたプリンタも落ちていた。

もし部屋で寝ていたら、足を直撃していただろう。

『ふぅーーー』

気を取り直し、作業を再開する。

後は物が見えるのでペースが上がり、
やっと体が入るだけの隙間が空いた。

『良かった~』

遂に中に入ることができ、財布などを取ることが出来た。


それにしても、改めて部屋を眺めたら前震以上に悲惨な状況で、
地震の怖さを肌で感じた。

もし部屋で寝ていたなら、間違いなく本に埋もれていて、
身動きが取れなかっただろう。
というか、無事では済まなかったに違いない。

そんな中でも、今回も液晶テレビは倒れていなかった!


耐震ジェル、恐るべしべしっ!!


片付けをして、実際部屋で寝ることが出来たのは大分経ってからで、
その間、余震はあるは、水は中々出ないは、その他色々あるはで、
とても大変な毎日だった。


改めて、”何もない日常”の大切さ、ありがたさが身にしみた熊本地震であった。





☆次回更新予定日、春頃。





「一言」
やっと終わった(^^;)。