ふわゆき絵巻

ねこと船と手作りと旅

初めてづくしのポワント発表会 9

2011年11月30日 | バレエ
発表会2週間前、リハーサルも佳境に入りつつある頃。
その日はパートナーのA男先生がお休みのこともあり、一人で踊ることに。

デュエットダンスを一人で踊るのはつらい。
なんか間抜けだし、大勢の前で一人で踊るって、やっぱり緊張する。
そしたら振りまで間違えた
それもいつもは気にもしていなかったところ。
情けない。

・・・はぁ~、まいった。
・・・きっと本番もこんな風にできないまんま、あっと言う間に終わってしまうんだろうなあ・・・

どっと疲れて、着替えていると
シオちゃんが話しかけてきた。

「最近、このへん(上半身)すごいですよね。ああいう表現はできないなあ」

・・・え、もしかしてシオちゃんほめてくれてるの?・・・

『技がないから、このへん(アームスと表情)でやるしかないのよ』

照れまじりで答えた。
うれしかった。
伝わるものがあったんだ。
う~、シオちゃんありがとう。

また、この時期には衣装も配られた。
K子先生が曲のイメージに合わせて注文してくれていたが、
どんなものか知らなかった。

だが、一目見てものすごく気に入った。
月の精のような淡い水色。
気になる二の腕周りも隠してくれて、言うことなし。
髪飾りはパールの揺れるタイプ。
K子先生ありがとう

俄然、テンションが上がってきた。
単純な私

初めてづくしのポワント発表会 8

2011年11月29日 | バレエ
何年もバレエをやっているのに、なぜ初心者に見えるのか?

肩が上がってしまうとか、のびやかさがないとか、
いろいろあるが、なんと言ってもつなぎが悪いのが一番だと思う。
苦手なアラベスクや回り物ばかりのパーツ練習ばかりしていたので、
踊りがブチブチ切れているのだ。
それに加えて自信なさげな表情。

考えてみれば、アラベスクや回り物は踊りのほんの一部。
つなぎの歩いたり、走ったり、ポーズをするときの身体の向き、
止まるところはきちんと止まる等など、気をつければすぐにできて
上手そうに見えることはいろいろあったのだ。

何か参考になるものは・・?

あったあった。
宝塚のデュエットダンス!
ショーのフィナーレで男役と娘役のトップコンビが踊るロマンチックなダンス。
20年も宝塚ファンをやっているだけに、参考資料はたくさんある。
VIVA宝塚だ。

で、改めてデュエットダンスを観てみると。

なるほどね。
常に相手を意識して、男役さんを見るときは永遠の恋人に会えたような表情だね。
踊りの始めから最後まで流れるような感じ。
それほど難しいこともしてない。でも、ステキ。
そして気づいてみると、自分はほとんど上半身しか観ていない。

うーん、笑顔とアームスだね。
下手でもニコニコ踊っていれば、観てる方は幸せな気分になるものだ。
それからアームスの意識はずっと持とう。
アームスさえ繋がっていれば、踊りは切れたようには見えないよね。
視線を上半身に引きつけておけば、もしポワントが立てなくてドゥミになっても
踊りの雰囲気は壊れないに違いない。

もやもやしていた気持ちの中に、ちょっとだけ光がさしてきたような気がした。

初めてづくしのポワント発表会 7

2011年11月28日 | バレエ
9月に入って、何故かテンションが下がってきた。
振り付けも終わって「まあこのくらいでいいかな」という気になった。
夏の疲れで体調もよくなかった。

「たかがバレエ教室の発表会じゃない」
「去年、ポワント履いたばかりだし」
「ポワントの発表会初めてだし」
「どこの発表会でも一つや二つ 何これ?っていう演目あるし」
「私が踊れなくても、上手い子がたくさんいるから大丈夫」

と失敗したときの言い訳ばかり考えていた。

振りは覚えたものの、ただなぞっているだけ。
アラベスクもストゥニューも満足に出きるのは5回に1回くらい。
何より踊りがギクシャクしていて、自分でも気持ち悪かった。

子供クラスのお母さんや発表会に出ないメンバーから

「A男先生と踊るんですか?いいわねえ、ステキね」

と声をかけられても、

・・下手だから支えてくれるだけなのに・・・

と心の中でつぶやいていた。

自分の中でポワントは憧れだったし、いつかはソロで踊って見たいという気もあったと思う。
だが、男性と組んでまでは考えてなかった。
その他大勢からいきなりソリスト級。
自信がないから目立ちたくないのに、超目立つ役。
よく宝塚の娘役で入団後2、3年で大抜擢されてトップになってしまうことがあるが、
これ、本人つらいだろうなあと思った。

「あーーー、何でこんなになってしまったんだろう。望んでないよ」

とにかく不安だった。

だが、ジタバタしててもぼんやりしてても、発表会の日は近づいてくる。
10月に入ると他のクラスとの合同リハーサルが始まった。

初日は緊張しましたわ。
ここの子供や学生のお嬢ちゃまは大人(おばさん)の踊りを見たことがない。
興味深々なのだ。
肩に力が入って、出きるようになったところまでグラグラ。
はぁ~

リハーサルが終わった後、グランパドゥドゥを踊るシオちゃんと話をした。
シオちゃんはきれいな上に技もすごい。
まだ16歳!

私「シオちゃん、上手だね~」
シオちゃん「まだ始めたばかりですか?それなのに組む(男性と)なんてすごい」

決して嫌味でなくシオちゃんは言ったのだが、ショックだった。

・・・やっぱり初心者に見えるんだ・・・

初めてづくしのポワント発表会 6

2011年11月22日 | バレエ
発表会3か月前、衣装の採寸があった。
自分は標準サイズで、とくに太っている意識はなかった。

ある日、レッスンから帰ってきた姪っ子が言った。

「おばちゃんのウエストが一番太かったよ。」

これにはまいった。
最近、ウエスト周りに脂肪がついてきたかなーとは思っていたが。
そして頭の中でこんな声が聞こえてきた。

「発表会で太った下手なおばさん、先生と踊ってたよね~」

これはまずい。
三重苦だ。
一つでも苦を減らさねば。

おばさんはもうどうにもならない、下手なのもすぐには上手くならない。
ダイエットするしかない!

ということで、

人生初計画ダイエット-発表会までに3キロ痩せよう-を実行することにした。

一番簡単そうな、「ためしてガッテンの計るだけダイエット」をやってみることにした。
朝と晩、体重を計ってグラフにするだけというやつだ。
でも、せっかくだから結果がすぐ出た方がいいと思い、
「朝食バナナダイエット」も併用することにした。
朝食をバナナと水だけにするというもので、後は何を食べてもよいのだ。

だが、「朝食バナナだけ」はつらかった。
朝食があっという間に終わってしまい、その後食べ物のことしか考えられなくなってしまったのだ。
そのとき初めて実感した。
「自分は朝食が大好きだったんだ。食べるだけじゃなくて、その時間が好きだったんだ。」
結局、朝食バナナは3日でリタイア。
精神的につらいのはダメだ。

そんなわけで、効果はゆるやかだが「計るだけ」にした。
「計るだけ」で面白かったのは、空腹を感じたら「その場で10秒走る」という方法だ。
何でも、血液中の血糖値が下がると空腹を感じるそうで、
肝臓に蓄えられた糖分を「その場走り10秒」で血液に流して血糖値を上げるのだ。
これは、なかなか効果があった。

少しずつだが体重は減っていき、それ以上に見た目が痩せたようで、
発表会直前には「M代さんは5キロ減らした」という話になっていた。
ちょっとうれしかった。

初めてづくしのポワント発表会 5

2011年11月21日 | バレエ
できないところだらけで、泣きそうになりながらも、
繰り返しやっていると、筋肉が覚えてくれるのか少しずつなんとかなってきた。
まずは、動け。
そして考えつつ動け。

子供は一度できたことが、またすぐにできたりするが、
大人はなぜできたか、なぜできないのか分析してから動かないと
身につかない、時間かかります。

夏に入って、初めてパートナーのA男先生と合わせる時が来た。
4月にスタジオ移転してからは、レッスンはK子先生になっていたし、
ご自身の公演もあるので、なかなか顔を見る機会も少なくなっていたのだ。

で、結論からいうと、サポートされる側も技術がいるということだ。
何をしててでも、支えてくれるわけではなかったのだ。。。

支えが入るから大丈夫と踏んでいたアラベスク。
前に突っ込みすぎで、支えられない。
A男先生が「どうぞ」と手を出してくれるから、
ついついそこに飛び込んでしまったのだね。

サポートというのは、きれいなポーズを長く見せてくれるのであって
きれいなポーズは自分で作らなければいけないのでした。
それと、初めてアラベスクの方向が上だということに気付いた。
だって、手が前に出てるから前に見えるじゃない
今まで、アラベスクがキープできないのは方向が悪かったんだわね。

その日は、出演するもうひとつの演目、くるみ割り人形のスペインの踊りでも
男性ゲストのS太先生との初合わせがあった。
ここでは、簡単なリフト。
赤ちゃんにする「高い高い」みたいなものだ。
これも、勝手に持ち上げてくれるわけではなかった。(今まではそう思ってた)
私がジャンプするタイミングとS太先生が上げるタイミングが合わないと、持ち上がらないのだ。
だよね~、自分は赤ちゃんの何倍体重があるんだよ。
S太先生はプロレスラーじゃないんだものね。

うーん、課題は次から次へと出てくるのだった。