テンキチのブログ「誠」

忘れてはならない誠=真実を記しておきます。テンキチが気づいた其の度に。

真実の歴史講座 -28-

2005年08月12日 20時24分25秒 | 歴史のこと
  【白紙還元の御諚】

 昭和16年10月16日、近衛内閣は瓦解し、東條英機内閣ができます。東條内閣のような軍部内閣が誕生したから戦争になったと言う人もいますが、そうではありません。東條大将は天皇陛下から大命を拝受した時に、陛下から「9月6日の御前会議における決定は白紙に戻して考え直すように」との御言葉を戴きます。「10月上旬までに交渉がまとまらない場合は対米英戦争を決意する」を削除し、あくまでも外交交渉を推し進めよ、との御言葉を賜るのです。これを「白紙還元の御諚」と言います。
 これを知ったアメリカ駐日大使、グルーは本国に電報を打ちます。「今こそ日本と和を結ぶチャンスである」と。イギリスの駐日大使、クレギーも「日本は本当に和平を望んでいるから、今こそ和を結ぶべきである」と本国に打電します。しかし、既に戦争を決心しているルーズベルトもチャーチルも、そのような報告を無視して、戦争準備を内々に着々と進めるのです。
 このように日本だけが外交交渉に努力している間にも、石油は禁輸となり、9月27日には鉄鉱石・石炭・錫・銅といった資源が輸入できなくなります。このまま行けば、経済はジリ貧となり、日本という国が潰れてしまいます。戦う以前に戦わずして日本は滅びてしまうのです。敵の言うがままに尻尾を振って降参するか、それとも決然と立ち上がって戦うか、という二者択一の議論が起こります。和平を唱え続けていた海軍までが、これはもう立ち上がってやらなければ自滅だと決意します。その時点で、日本が備蓄している石油の量は、平時で2年、戦時では1年分にも満たなかったのです。それほどまでに日本にとっては絶体絶命の事態だったのです。

<続く>

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