【日本の命運を賭けた日露戦争】
明治天皇の一生を綴った『明治天皇紀』という書物がありますが、それによりますと最後の御前会議の時「天皇涙潸々たり」とあります。天皇陛下は泣かれたのです。勝つ見込みなどないとされていたのです。しかし、ここで戦わなければ、日本は明らかにロシアの植民地となってしまう。コロンブスの時代から西欧の白人帝国主義は、かつて有色人種と戦って負けたことはありませんでした。しかもロシア帝国は、世界一の陸軍と世界第二位の海軍を誇る世界最強の大帝国であります。ニコライ皇帝は公衆の面前で、日本のことを「サル、猿」と言ってました。「サルどもなど歯牙にかけるな!」といった勢いです。
御前会議の夜、伊藤博文は金子堅太郎を呼んで「君はルーズベルト大統領と同窓だそうだが、一戦終わったら仲介に立ってくれるよう頼んでくれ」と頼み、高橋是清には「イギリスに飛んで、日本の国債を買ってくれるよう奔走してくれ。大蔵省の金庫は空っぽだ!」と頼みました。そして伊藤自身、「私も一兵卒となり、銃をとって前線で討死する覚悟だ」と言いました。児玉源太郎参謀長は「緒戦で必ず勝ってみせますから、そしたら必ず和議を結ぶよう頼みますぞ」と伊藤や桂首相に幾度も念を押したのです。4000万国民が一体となってこの戦を戦った、文字通りの自衛戦であったのです。
<続く>
明治天皇の一生を綴った『明治天皇紀』という書物がありますが、それによりますと最後の御前会議の時「天皇涙潸々たり」とあります。天皇陛下は泣かれたのです。勝つ見込みなどないとされていたのです。しかし、ここで戦わなければ、日本は明らかにロシアの植民地となってしまう。コロンブスの時代から西欧の白人帝国主義は、かつて有色人種と戦って負けたことはありませんでした。しかもロシア帝国は、世界一の陸軍と世界第二位の海軍を誇る世界最強の大帝国であります。ニコライ皇帝は公衆の面前で、日本のことを「サル、猿」と言ってました。「サルどもなど歯牙にかけるな!」といった勢いです。
御前会議の夜、伊藤博文は金子堅太郎を呼んで「君はルーズベルト大統領と同窓だそうだが、一戦終わったら仲介に立ってくれるよう頼んでくれ」と頼み、高橋是清には「イギリスに飛んで、日本の国債を買ってくれるよう奔走してくれ。大蔵省の金庫は空っぽだ!」と頼みました。そして伊藤自身、「私も一兵卒となり、銃をとって前線で討死する覚悟だ」と言いました。児玉源太郎参謀長は「緒戦で必ず勝ってみせますから、そしたら必ず和議を結ぶよう頼みますぞ」と伊藤や桂首相に幾度も念を押したのです。4000万国民が一体となってこの戦を戦った、文字通りの自衛戦であったのです。
<続く>