聞いたんだよ、エルニーニョには首がないんだ

　社会と自分との関係について、以前はこう考えていた。
　私はひとり立っていて、社会は私にのしかかり、私の息を止め、苦しめる。私と社会は完全に別なものであり、敵対している関係。
　この頃少し変化してきた。
　社会という海に浮かんで、流されているイメージ。ようやくそんなイメージを持てるようになった。社会との和解、そな大げさなものじゃないけど、世の中はただ一方的に苦しみを与えてくるものだけではない。そんなことが少しわかるようになった。
　それでも社会を楽しめるようになったかと問われればそんなこともなく、孤独感や他者への関心の薄さはどうしたものかと思う。社会が自分を苦しめるだけの存在ではないからこそ、そんな社会との違和感を大きく感じてしまうのかもしれない。
　社会人としてそれなりに生活しているものの、やっぱりＴＰＯを理解できないというか、場の空気を壊すことに快感を覚え、いつの間にかしてはいけないことをしてしまう、言ってはいけないことを言ってしまう。それが自分の良さなんだと自分に言いきかせて、今日も寝ることにする。
　だから僕は天然ぢゃないよ。